隔離の文学 : ハンセン病療養所の自己表現史

著者 :
  • 書肆アルス
5.00
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 48
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784990559540

作品紹介・あらすじ

ハンセン病者への隔離政策が確立する一九三〇年代から、軍靴の音響くアジア・太平洋戦争期を経て、民主主義を謳歌する一九五〇年代まで-この激動の時代に、病者自身が描いた文学作品を研究・考察した十章から成る。ハンセン病者たちは、自分たちを抑圧し、抹消しようとする社会風潮や国家権力と、いかに向き合ってきたのか。また逆に、どのような言葉を駆使して抗してきたのか。終生隔離という極限状況に置かれた者が、いかにして「抑圧された生命を生きる意味」を紡ぎだすのかという普遍的な問題に挑む。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 専門畑の違いから、読み通せるか不安に思いつつ手に取ったけど、最後まで食い入るように読んだ。衝撃だった。差別の歴史と単純に区分けすることはできない複雑さがある。患者が罪の意識を感じなければならないとはどういうことなのか。非合法のまま公然と断種が行われていたこと、癩文学という言葉も知らなかった。知らないことが、多すぎる。反省とともに、多くの人に推薦したい。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

荒井 裕樹(あらい・ゆうき):1980年東京都生まれ。二松學舍大学文学部准教授。専門は障害者文化論、日本近現代文学。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。著書に『隔離の文学──ハンセン病療養所の自己表現史』(書肆アルス)、『障害と文学──「しののめ」から「青い芝の会」へ』(現代書館)、『障害者差別を問いなおす』(ちくま新書)、『車椅子の横に立つ人──障害から見つめる「生きにくさ」』(青土社)、『まとまらない言葉を生きる』(柏書房)、『凜として灯る』(現代書館)、『障害者ってだれのこと?──「わからない」からはじめよう』(平凡社)などがある。2022年、「第15回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」を受賞。

「2023年 『生きていく絵 アートが人を〈癒す〉とき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荒井裕樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
スーザン ソンタ...
三浦 しをん
荒井 裕樹
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×