ダンサー・イン・ザ・ダーク [DVD]

監督 : ラース・フォン・トリアー 
出演 : ビョーク  カトリーヌ・ドヌーブ  デビット・モース  ピーター・ストーメア  ジョエル・グレイ 
  • 松竹ホームビデオ
3.64
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本棚登録 : 2382
感想 : 473
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105016170

感想・レビュー・書評

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  • 最期の絶望は予想していただけにそこまで衝撃ではなかったが、救いがないのは間違いが無く。トム・ヨークとの線路の曲が良かった。

  • (2000、デンマーク)
    60年代のアメリカ
    セルマ(ビョーク)は女手一つで息子のジーンを育てながら工場で働いている。彼女に対して理解と愛情を持つ人々に囲まれて満ち足りた生活を送っていた。ただひとつを除いて。彼女は遺伝性の病気のため視力が失われつつあり、ジーンも手術を受けない限り同じ運命を辿ってしまうのだった。そのため少しずつ手術費用を蓄えていたが、ある日工場を解雇されてしまい、ためていたお金まで盗まれてしまった…

    カンヌでパルムドールと主演女優賞を受賞。
    幻想的なミュージカルシーンが素晴らしい。さすがビョーク。病いを抱え、貧しい中懸命に生きるセルマのたった一つの楽しみだということが、痛いほど伝わってくる。

    しかし、ミュージカルシーンが美しければ美しいほど、人間の愚かしさが際立って、次第に腹が立ってきた。そして、衝撃のラストシーン。本当に衝撃だった。え? ……… 反則の笛を吹きたくなった。何日かは立ち直れないほどだった…

    名作には違いない

    だけど、もう一度見たいとは思わない。

  • 夢中で観てしまったが、キツイ映画。悲しすぎる。

  • 胸糞映画とは聞いていたけれど、本当にすごく胸糞映画でした。芸人の小藪さんはこの映画を「1番嫌いな映画」に挙げているそうですが、その理由は警官のビルがどうしても許せないからだそうです。ほんとにまったくその通りで、色んな胸糞展開あるけれどこのビルの行いほど許しがたいものはない。
    しかしこの映画がこれほどまでに胸に迫るのは、主人公の置かれた立場が極限に過酷であるだけでなく、この撮影手法にもあると思います。本編が始まり、まるでホームビデオのような質感や多少のブレのある映像で、最初は冒頭のみそういう演出にしてるのかと思ったら、そうではなく、調べてみたら「ドグマ95」なる手法らしく、高い機材を使わずに日常にあるもので制作するという主義に則っているようでした。このホームビデオ感が、画面に映るものが映画というフィクションではなく、すぐそこで現実に起こっていることのように錯覚させるというか、それだけにジェフや看守のふるまいにひとしお込み上げてくるものがありました。色々ひどい話ですが、ジェフや看守がこの闇のような話の中でほんとに救いというか、私は特にジェフの素晴らしさを称えたくて仕方がない気持ち。ジェフありがとう。なんだかやたらとジェフに肩入れしてしまって、最期を見届けてほしいと言われたのに、執行当日ジェフがいなかったのが私的に気になった。やっぱり見たくなかったのかな。普通に考えたら、そりゃ見たくないよなと思うけれど。
    後味は悪いですが、息子の手術が成功したことが観客にとっての唯一のカタルシス。
    鬱映画は正直観たいものではありませんが、この独特の撮影手法により感情を揺さぶりかけてくる効果が非常に高いので、映画史に名を刻む作品だと思います。ただ、当初監督が用意していた結末は、息子の手術が失敗したことを知らされ、絶望の中で絞首刑が執行されるというもので、さすがにビョークの反対で内容が変わったようです。その結末であれば、いくらなんでも悪趣味が甚だしいと言わざるを得ず、せいぜい★2つくらいしかつけられません。

  • 私はこういう映画大好きです。でも軽い気持ちで観ようと思うには重い内容すぎるので、観るときは覚悟したほうがいいかも知れません。
    古い映画のように雑な映像になっている演出、淡々と日常生活のように映し出される映像、素晴らしいです。
    無言なシーンが多く、映像で訴えかける映画なので、『ながら観』をすると超つまらない映画になるかも知れません。
    また観たいとは思ってるんですが、重すぎてなかなかもう一度観る覚悟が出来ないでいます(苦笑)

  • ビョーク扮するセルマは、チェコからの移民。プレス工場で働き、唯一の楽しみはミュージカルという空想の世界を創りあげること。遺伝性疾患のため衰えていく視力と闘いながら、同じ病に侵された息子の手術費用を稼ぐため身を粉にして働く毎日。そのセルマにあまりに残酷な運命が待ち受けていた…。
    警察官のビルや工場の仲間ジェフたちの助けやミュージカルが慰めになってもセルマに容赦なく襲いかかる遺伝進行性失明やセルマが息子に手術を受けさせるために貯めていた貯金を破産寸前のビルに盗まれ奪いかえそうとした時にビルを誤って殺してしまうなどの不幸、不幸な状況の中でも希望を見出だすために自分の心の中にミュージカルを映し出すセルマの強さ、最後の瞬間まで息子の未来のことを心配するセルマの大きな愛、ビョークがセルマになりきって心の叫びを熱唱する魂の名曲の数々、心を揺さぶる傑作ミュージカル映画。ピーターストーメア、デヴィッドモースなどの演技も印象的です。

  • 暗い。つらい。鬱。
    感動はしない。泣きもしない。
    心が空っぽなのに、何故か重く、重く、苦しくって仕方ない。

    個人的に暗い作品はある程度心が沈んでいる時の方が入り込みやすく良いと思っているが、この映画は立ち直る為の時間と当てがない時は見ないことをおすすめする。

    評価の星をつけようとしたけど1〜5を行ったり来たりで落ち着かないので、もうつけないでおく。
    賛否両論の映画だと言われるけれど、それも納得する。決してつまらないとか駄作とかではなく、見た人の感情や価値観に突き刺さった上で、この映画は好きじゃない、二度と見たくないという人がいるんだろう。



    鬱映画という前情報のみで見始めたので、独特のカメラワークやミュージカルシーンにやや面食らった。
    しかしこのミュージカルがとてもいい。
    明るく場面を盛り上げるためではなく、悲しみに浸らせるでもなく、主人公の妄想の中だけのミュージカル劇なのだ。

    主人公セルマはシングルマザーで貧しく、先天性の病気で失明寸前であり、息子のジーンもやがて同じ運命を辿ってしまう。それを防ぐため内職や夜勤も請け負い懸命に息子の手術費を貯めている。
    精神的な負担が眼に影響するとしてジーンには病気のことは告げず、周りの人間にも自分の状態を隠している。
    しかし殆ど見えない状態で仕事は上手くいかない。唯一の生きがいであるミュージカルの稽古も周囲が見えず続けるのが厳しくなっていく。
    そんな何もかもままならない彼女が自由になれるのが空想の中のミュージカルだ。
    暗く澱んだ現実と、明るい歌とダンスの世界への切り替わりが見事だ。恐ろしくすらある。
    セルマ役の女優であり歌手であるビョークが作っているそうだが、セルマの心の中を素直によく表しており、素晴らしい歌声を響かせている。
    最初はつらい現実から逃げているだけなのかと思って好きになれなかったが(歌やダンス自体はそれでも素晴らしい)、だんだんそれだけではない気がしてきた。
    セルマは多分あまり賢い人ではなかった。強い人でもなかった。ただ善人であり、無垢な人に見えた。
    病気を隠して周りに迷惑をかけていたが、人に恵まれ愛されていた。人の助けを上手く借りられなかったが、自立して息子のために必死に(そう、まさに必死に)生きていた。
    そういった純粋さで軽やかにステップを踏み、力強く美しい声で歌っていた。
    セルマは本来そういう人なのだろう。
    だが現実では踊れない。
    現実とセルマの心を繋ぐのが空想のミュージカルであり、それは逃避場所であるとともに心の在りかであったように思う。
    そして「最後から2番目の歌」だけは現実で歌われる。現実と心が重なった“最後の歌“だからだ。




    作品紹介を見ていると感動作とか愛の物語とか書いてあったりするが、個人的にはしっくりこない。
    バッドエンド極まっているが主人公のセルマは幸せだったのでは?という感想も、自分にはあてはまらなかった。

    死を選ぶことになってもジーンの眼を治すことを望んだセルマの息子への深い愛は確実に伝わってくる。
    しかし、つらくないわけがない。失明に怯え、病気になることがわかっていて生んだジーンへの罪悪感を抱え、絞首台までの107歩を1歩でも無理だと言って泣いた。
    セルマの人生は基本的に苦しいものだったが、死を望んだシーンは無かった様に思う。最終的にジーンに手術を受けさせるために死刑を選択したが、死にたかったわけではない。
    ビルは逆で、自殺を仄めかし殺してくれとセルマに迫り、実際セルマを殺人犯にして死んでしまう。死が救済だ。
    セルマが絞首台で泣き叫ぶシーンなど本当に見ていられない。このシーンを見ると、ジーンの手術は彼女の最後のよすがであるとわかる。セルマの人生は最後から2番目の歌で、ジーンの眼が治ることでミュージカルはまだ続いていく。その先に最高のグランドフィナーレが待っている。すでに盲目の彼女に光はなく、そう思うしかないのだ。
    つまりセルマ自身が幸せかというと、少し違う気がする。
    というか、これが救いや幸せになるなら、その人の人生はあまりにつらくないだろうか。

    そしてこれほどに思っているジーンへの愛が、実際息子にどれ程伝わっているのかはわからないということも気がかりだ。
    ジーンの出演は少ない。最初の学校へ行きなさいとセルマがジーンの頬を打つ場面と、学校で自転車を持っていないのは自分だけだと訴える所以外では会話もほぼない。
    特にビルを殺してしまってからは(空想の中を除き)全くでてこなくなる。
    死刑囚の息子となって独り残され、遺伝の病気を知ったジーンが何を思ったかを直接伝える描写は一切ない。本当かどうかわからない様子をキャシーやジェフが伝えるだけだ。

    絶望感の中の希望というにはあまりに弱く、親子や母の愛を描いたというにはあまりに不安が残る。
    ではこの映画はなんだったのか。
    はっきりいうとわからない。
    でも自分の中から抜けていかない。
    二度と見たくないという人が多いようだけれど、自分はいつかきっと見返すことになるだろう。


    はじめの脚本ではジーンの手術は失敗し、セルマは絶望のもと死んでしまう予定だったらしい。
    何という監督だろうか…。
    希望とか幸せとかをほぼ感じなかったので、それでも納得だがさすがにそんな映画は見たくない。バッドエンド極まりない。変更されてよかった。

  • This is what to see.

    ジャケ買いならぬ、タイトルだけで観た。予備知識なし、なんとミュージカルが挟まれることすら知らなかった。古いと思ったけど2000年なのは意外。

    時代背景を知っていないと若干混乱する。その衝撃が正負どちらに働くかは人によるだろうが、自分的には許容ライン。とくに公開死刑&拘束はでかい。いくら20世紀でも、病院の受付に患者名を出すだけで情報がもらえただろうかとは思う。ただそれよりも、さすがに刑務所の面接中に、金はビルから盗んだものだと警察にチクる、とキャシーがセルマを脅していたのは笑いそうになった。

    BGMの、この場合はミュージカルだが、好きな使い方。まさに作中で述べられたように、現実では人々が突然踊りだすことなどありえない。個人的にミュージカル映画を観るときはそういう世界だと無理やり納得して観るが、主人公の妄想でありながら非常にリアリスティックな演出となっていることに感動した。ミュージカルの使い方という意味ではこれまで観た中で一番好きな映画かもしれない。

    "They say it's the last song. They don't know us, you see. It's only the last song. If we let it be."

  • 60年代のアメリカ。
    セルマは女手ひとつで息子のジーンを育てながら工場で働いている。

    彼女に対して理解と愛情を持つ人々に囲まれ満ち足りた生活を送っていた。
    ただ一つを除いて。

    彼女は遺伝性の病のため視力が失われつつあり、ジーンも手術を受けない限り同じ運命を辿ってしまうのだった。
    そのために、内職もしてジーンの手術費用を貯えていた。

    が、ある日工場を解雇されてしまい、貯めていたお金まで盗まれていた。

             Yahoo!JAPAN 映画のあらすじより

    **************************************

    号泣やった。
    こんな悲しいミュージカルは初めて。
    えーってなってるのに、笑顔で歌い踊り。

    貧困であるが故、どうしたものか。
    あんなことがなければ、周りに恵まれてて、幸せに2人で暮らせてたと思う。

    最後に出てきた女性看守の演技が胸に刺さった。
    ちょっとしか出てきてへんのに、顔も演技も頭から離れへん。

    最後もリアルに終わって、後味が衝撃やった。
    これを一度見て忘れてるなんて。

    ミュージカルで、歌って踊るも、何か切なかった。

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