レクイエム・フォー・ドリーム [DVD]

監督 : ダーレン・アロノフスキー 
出演 : ジャレッド・レト  エレン・バースティン  ジェニファー・コネリー  マーロン・ウェイアンズ 
  • ジェネオン エンタテインメント
3.90
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102705817

感想・レビュー・書評

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  • 哀れジャンキー破滅への道のり

    未亡人サラ役エレン・バースティンの演技がいいねぇ、
    イカレてゆく形相たるやジャック・ニコルソンも真っ青だ。

    孤独な中年女サラは大好きなTV番組出演の依頼に舞い上がるが、
    ヤクに頼り過ぎた結果、地獄へと転がり落ちる。

    ボロボロになったいで立ちでTV局へ押し掛け狂気の形相、
    鼻水垂らしながら私はいつTVに出れるのと詰め寄るが・・・

    しかし、あのダイエットピルを処方したあのDrの対応と
    精神科の連中の態度は酷いなぁ~、

    人間の愚かさをうまく表現した脚本がいいね。

  • 麻薬の力でみんながずるする堕ちていく。先日観たトレインスポッティングにも通ずるヤク中映画です。

    薬物摂取シーンの映像、ラリってる時の(特におばあちゃん)映像とか、演出、カット割りがスタイリッシュだったりサイケだったりですごいです。

    もちろん誰も救われませんが、それも含めて凄いなと思いました。

  • トラウマ作品。一言で言うと残酷。怖かった、恐怖がこんなに心に浸食してくるなんてあるんだなと。学生の頃友達に誘われて小さなシネマで観たが、帰りは何か食べて帰る気力もなく家に帰った。
    息子は自業自得だか母親のサラが堕ちてゆくさまを見るのが辛かった。
    編集が独特でインディー映画っぽいチープさもあるけど、それが映画にマッチしてて作品の場末感を引き出している。作品としては評価するけど、人にオススメはしない。

  • 怖かった。

    時々体にギュッと力が入る。

    疲れたし、切ないわ。

    でも…、何て言うの? 時々同じ早送りの映像が流れたり、そういう所は映画っぽくって好き。

  • 「鬱映画」「落ち込む映画」との前評判から、さすがに覚悟を決めて(?)観たのでそれほど酷い気分にはなりませんでした。この展開からいけばこうなるよねぇと納得。日本ではなかなかリアリティを持てない話ですけど、アンチドラッグの啓発教材になるかも。

    ジャレド・レトとジェニファー・コネリーのカップルは自業自得の部分がありそうですけど、悲惨なのはあのお婆ちゃんだ。あの演技、あのやつれ方は凄い(オスカーノミネートも納得)。

    あとミニマルで無機質な音楽とギミックに溢れた映像コラージュが、この映画の得たいの知れなさを増幅させていましたね。この監督の才気を窺えます。

  •  ドラッグムービーとしての面だけじゃなく、他の面にも注目したい。amazonレビューで見かけた、中毒の映画なんだと言う意見にしっくりきた。
     はじめはテレビ中毒やスリル中毒、恋愛中毒があり、それらの中毒の行き着く先としてドラッグ中毒があるのではないか。はじめからドラッグに走る人ばかりではなく、他の中毒で行き場をなくした人がたどり着くのがドラッグであるというように思える。観た後は「ドラッグこそ諸悪の根源!ドラッグを根絶すべきだ!」というよりは、「なぜドラッグに頼らない方法で夢や理想を追うことができなかったのか、ドラッグに走る前に中毒から救ってあげられなかったのか」という思いに駆られた。救いがないからこそ「レクイエム」なのか。
     ちなみにforは4とかかっているらしい。toと2のような、日本人にはあまり馴染みのないもじり方。タイトルは「4人の夢のための鎮魂歌」というところだろうか。

  • ブルックリン。孤独な未亡人サラ(エレン・バーンスティン)のもとに電話抽選によるTV番組出演の話が舞い込む。
    スリムなドレスを着こなそうとダイエットを開始したサラは、医師に処方されたダイエットピルで瞬く間の減量に成功する。
    一方、ドラッグ漬けで文無し生活を送っていた一人息子のハリー(ジャレッド・レト)は仲買人から得たヘロインを不当に捌く密売で、恋人のマリオン(ジェニファー・コネリー)と共に成功者気取りの羽振りの良さを見せるようになっていた。
    ドン底の生活から見違えるまでの活気を取り戻した母子は、やがて束の間の再会を喜び合うのだが・・・。
    「ブラック・スワン」でも自らの心の闇に取り憑かれ破滅していく主人公を冷徹に描ききったダーレン・アロノフスキー監督が、ちょっと背伸びして夢を追った普通の人間がドラッグのせいで、もろく崩れて破滅に向かっていく姿を冷徹にリアルにブラックユーモアたっぷりに、独特の編集や映像で、ドラッグの幻覚や破滅を描ききったアンチドラッグ映画であり、最強のトラウマ映画です。

  • REQUIEM FOR A DREAM
    2000年 アメリカ 101分
    監督:ダーレン・アロノフスキー
    原作:ヒューバート・セルビー・ジュニア『夢へのレクイエム』
    出演:ジャレッド・レト/ジェニファー・コネリー/エレン・バースティン/マーロン・ウェイアンズ

    サラ(エレン・バースティン)は、夫を亡くしてからテレビが友達。溺愛している息子のハリー(ジャレッド・レト)は定職につかずヤク中で、ドラッグを買うお金欲しさに、母親のテレビを無理やり持ち出して中古屋に売ったりしている。(サラはすぐに買い戻しに行く)ハリーは親友のタイロン、恋人のマリオン(ジェニファー・コネリー)と共にドラッグに溺れる日々だったが、買ったドラッグに混ぜ物をして転売することで利益を得、羽振りが良くなる。

    一方サラは、いつもみている視聴者参加型クイズ番組(ミリオネアみたいなの?)の出演者に選ばれたという電話が突然かかってきてから舞い上がり、ダイエットをしようと決意。甘いものが大好きな彼女にダイエットは難しく、友人に紹介された医者に痩せる薬を処方してもらう。しかしそれは危険なドラッグの一種で、彼女はどんどん幻覚を見るようになり…。

    鬱映画として有名な本作ですが、納得の鬱っぷりでした。あんまりメンタル弱ってるときには見ないほうが良い。若者たちのほうのヤク中は、ありがちといえばありがちなので、まあこんなもんかなと思うけど、怖いのはお母さんのほうですね。もともとテレビ依存でスイーツジャンキー。甘いものとサブスク映画が止められない自分はなんだかちょっと他人事ではない感じ(汗)

    終盤でサラ自身が吐露するように、世話をする対象(夫と息子)がいなくなった孤独と同時に、老いへの不安もあり、誰かに必要とされたい、褒められたいという承認欲求も肥大。息子の卒業式で着た真っ赤なドレスをもう一度着られるように(若さと美しさを取戻し、ちやほやされていた頃の自分に戻りたい)ダイエットに精出すこと自体は前向きながら、楽して痩せたい=薬物依存の流れが本当に怖くて。次第に妄想と幻覚が始まってしまう。

    ハリーとタイロンのほうは、一瞬だけ儲けるも、すぐにまたダメになり、ドラッグを手に入れようと必死に駆けずり回るも悉く失敗、ハリーは注射のしすぎで腕がボロボロ、タイロンも逮捕され…。ラブラブだった恋人マリオンは、薬を手に入れるために好きでもない男と寝たり、うさんくさい男と寝たりしているうちに逃げられなくなり…。4人の登場人物全員がどんどんおかしくなっていく終盤が凄まじい。誰も救われず、全員闇堕ち。

    どこにも救いがないけれど、ドラッグ撲滅の啓蒙効果はありそう。

  • アロノフスキー大人監督の作品は『π』『レスラー』『ブラック・スワン』を鑑賞済みですが、その中ではこれが一番。

    これはまず原作がすごい。原作は当然未読ですが、映画だけ観ても透けて見える時があって・・・。良い原作・脚本、そして監督の技術力と俳優のよさ、全部が良い場合は当然良い映画ができあがるっていう見本。「そんなバカな!」とツッコミたいところも、監督がパクった(権利上問題はないけど)有名なシーンもありますが、ちゃんと良い作品でした。

    原作のヒューバート・セルビーJr.さんは・・・印象としては黒いサリンジャーというか、リアル『ムーン・パレス』というか(そしてオースター以上にすごいと思う)、ブコウスキーにも近そうな(ただの想像)、そんな感じ。映像特典のエレン・バースティンとの対談で、サリンジャーみたいなことを最後に言うようなところも面白い。この対談がすっげー良いんです。リディア・ランチやヘンリー・ロリンズが好きな作家さんらしくて「あー!なんとなくわかる気がする!」となりました。
    それに惚れ込んで心底映像化したいと願った監督の情熱。
    エレン・バースティンほか俳優陣の演技のよさ。

    '90年代にヘロインを扱った映画は『パルプ・フィクション』と『トレインスポッティング』があって、でもそれらの作品はなんだかんだで楽しいじゃないですか。「ちゃんと効く」のはこの映画です。『デッドマン・ウォーキング』よりも『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の方が好きなのと一緒。
    最近のダニー・ボイルはしゃらくせえから嫌いなんですけど、ダニー・ボイルにできなくてアロノフスキーにできることってこれやと。よくやったと。もちろん違いは原作によるところが大きいんですけどね。
    悪い点は「リアルじゃないんじゃない?」ってところ。違うところに射てば良いじゃんね、あれ・・・。意味がよくわかんないです。病院の様子も収監された件にしてもこれでいいのか?と思いました。

    音楽は前作『π』と同じくクリント・マンセルさんで、前回と同じく心音とシンクロする効果。映像と音楽がシンクロするところがダサかっこいい(ていうかダサい)。これが前半のコメディ的表現と合致しててよい。

    これを観る前に『フライト』のレビューで全部書いちゃったんですけど、「人間誰もが何らか漬けで生きてる」ってところをしっかりと描いた作品でした。
    「落ち込む映画」ランキング1位だそうですけど、映画とか観てそんな落ち込むかなあ・・・落ち込んだこととかほぼないですよ。この映画も特に落ち込まなかったし、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』も・・・むしろこういう映画を観た方が、人生の活路が見出せる気がしてきます。そう感じるのは、やっぱり原作者の考え方なんじゃないかなあ。対談を観たら全部に納得がいきました。

    自分が映画中毒になってる可能性も多々ありますが・・・映画観すぎちゃうと刺激に馴れすぎてしまって、過激なシーンでもめったに驚かなくなってしまう・・・。

    ところで、アロノフスキーは『バットマン(ダークナイト)』『ウォッチメン』『ウルヴァリン:SAMURAI』『ロボコップ』とアメコミ(キャラクター)ものに立て続けにオファーされて降板してるんですが、本人がアメコミ好きなんですかねえ(フランク・ミラーつながりはあるけど)。もしくはただ仕事としてしか考えてないのか・・・。なにか一作は観てみたい気はします。

  • 中学の道徳の授業で流すべき。

    高校卒業後

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