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- / ISBN・EAN: 4900950229505
感想・レビュー・書評
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舞台出身のジュリー・テイモアが映画初監督で、シェイクスピアの戯曲『タイタス・アンドロニカス』を斬新な演出で描いた愛と復讐のドラマ。ローマ最高の戦士タイタスはゴート族との戦いに勝利し、女王タモラと3人の息子を人質に凱旋する。しかし、ローマでは亡き皇帝の長男サターナイアスと弟パシアナスが帝位継承を巡り争いを繰り広げている最中で、裁定を委ねられたタイタスはサターナイアスを皇帝に指名し、自分の娘を嫁がせようとするのだが……。
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見てると眉間に皺が寄る・・体が強張る・・・
でも見ちゃう・・・くやしいっ・・・
的な作品。
悔しいことに面白いんだこれが。
シェイクスピア『タイタス・アンドロニカス』の映画版。
この監督のジュリー・テイモアさんて方は舞台出身の人だそうで、確かにかなりアーティスティックで音を重視した演出が見られたなあ。
ストーリーは、うーん、さくっとまとめるなら、
「ローマの英雄タイタスは皇帝争いを、兄サタナイナスを推すことで収めるが、サタナイナスは暴君だった。タイタスに息子を殺され復讐に燃えるゴート族の女王タモラを妻とする。タモラは策略をめぐらせ、タイタスとその一族を陥れる。タイタスはその仕打ちに対して仕返し、みんな死ぬ」
すごい雑!
でも詳しく言うとほんと・・あの・・ぐろいんで
舌とか両手とかミートパイとかほんと・・あの・・ぐろいんで
何がすごいって、現代とローマをミックスしたような世界観。
サタナイナスがテクノカットでバイクに乗る。
顔は白塗りでマリリン・マンソンのようです。
あとルーシャスの息子がどう見てもローマに迷い込んだ現代人の少年。
最後になればなるほど物語に溶け込んでいくんだけれども。
基本的にテクノ・パンク・グラムちっくな衣装や音楽が皇族側、16世紀っぽい衣装がタイタス側。
血で血を洗うこの物語でグロくするなっていうほうが無理なんでしょう。
実際、ストーリーにしてはグロくないほうだったと思いますよ。
ラヴィニアの手なんかはね、「枯れた娘」をそう使うか、というような。
そういう場面は直接的には映さない代わりに、ただ、狂気の描写については容赦がなかったですね。
爆音の中で踊り狂う皇子×2とか。風呂で血文字を描くタイタスとか、あとミートパイね。くっちゃくっちゃ食うの勘弁してほしいね。
封神演戯のトラウマちょっとよみがえったからね
演技面について。
タイタス役の人(アンソニー・ホプキンス)はすごいですね。
何がすごいって、あの古臭い英語を完全に自分のものにして、飲み込んでから喋ってるのがすごい。
タイタスそのものというか、この人以外に演れるのかっていう。タイタスという人間は結構性格的には破綻していると個人的には思うんですが、それを含めて人をひきつけてしまうカリスマ性をがんがん感じる。最後は狂気を装っているのか本当に狂っているのかまったくわからない。
それからやっぱり欠かせないのはアーロンですか。
黒人であることをものすごく強調している印象がありましたけど、それは原本でもそうなんですかね?
最後まで憎たらしい悪役の台詞しか吐かないのに、なぜか悲哀を感じる演技が印象的でした。
見てる間はずーっと凹んでるし、ラストはものすごい急だし、
ところどころシュールな演出もあるけど、
160分ある長い映画だとはとても思えないほどひきつけられます
復讐はどこで終わらせるべきなのか?
憎しみに駆られてかっとなってる人にまずこの映画を見せてやりたいね -
他の映画では観られない感じの独特の雰囲気と
壮大な世界観で作り上げられる物語で
見るものを虜にする素晴らしい映画です。