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- / ISBN・EAN: 4988103630590
感想・レビュー・書評
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こりゃまた、芸術性の高い作品だわぁ~☆
はっきり言って面白い!
が、笑っていいのか哀しんでいいのか観終えて迷うな、
この作品の中のサイレント映画「縮みゆく恋人」がいいんです。
恋人である女科学者が作り出した謎の液体を飲んでしまう彼氏。
すると男はどんどん小さくなって親指ぐらいになってしまう。
男は彼女の胸の谷間を転げ回ったり股間を探検するのだが、
決心して股間のトンネルへ入り込み彼女の一部となるのだった。
これぞ究極の愛か・・・やっぱ笑えないな。
なんか切ないけど一生記憶に残るいい作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ペドロ・アルモドバルさんの映画は、モチーフ自体は重かったり
人によっては後味悪いとか言われるんですが、
僕にとっては「あぁぁぁ・・・いいもん観たなあ・・・」という感じがすっごくします。
「いいもん観た!」「いい映画観た!」「うまいもん食った!」という幸福感。
なんかね、体の隅々まで満ち足りるんですよね。充実感。
ストーリーとか全然関係なしに。
この映画もそうでした。
大概、医療とか脳死とかそういうのが出てくるんだけど
フェティッシュな感じがすごくします。
医療器具とか・・・あとタイツ的なものとか。
女マタドールの人が服を着るところとか最高でした。ピンク色がかわいい。
それで、フェチも含めて性倒錯なんだけど・・・
研ぎ澄まされた変態といいますか、純度の高い変態といいますか、
純粋な変態・・・変態は純粋・・・
ベニグノ君がかわいくて仕方がない!
前作『オールアバウトマイマザー』を観た後にちょっとだけ調べたんだけども、
ペドロさんはゲイ(バイか?)で、神学校出身らしくて。
フェリーニなんかもたしか神学校出身でしたよね。
どちらもカトリック圏の映画監督だし。
そこらへんの「いや、そうじゃないんだよ!!」って苦しみというか
根っこの部分がこの映画にもすごく出てます。
神父が修道女をレイプするとか、そんな話やら。
次の『バッド・エデュケーション』が楽しみだ。
「ゲイだからどうとか」「男だからどうとか」「女だからどうとか」
色んな枠組みを破壊したいんじゃないんですかね。
性倒錯を出すことによって、人間性の純度がどんどん高まってる。
毎回そんな感じがします。
ベニグノ君はたしかに過ちを犯しました。
でも、入れられるところは刑務所じゃないんですね。
宙ぶらりんなんです。
断罪すらされない辛さ、みたいなものを感じて。
この映画は何回も繰り返し観たいなあ・・・。
途中のサイレント映画のくだりは、あれ本当にそんな映画があるのかと思って。
(マシスンさんの『縮みゆく人間』?)
後半観たら「いやないないないwwwww」となりますね。
『ニューシネマパラダイス』を観たらわかるとおりでw
あの映画もそうだったけど、だからやっぱりペドロさんは
カトリックとか神学校にいたとか、そういうことから切っても切れない。
あとはカエターノ・ヴェローゾとピナ・バウシュ。
カエターノ・ヴェローゾは前野健太も好きなんですよね。
細かいところだと、クシシュトフ・ペンデレツキと
『Las horas』=『The Hours』=『めぐりあう時間たち』とか。
ダルドリー監督もバイセクシャルですけど。 -
DVD
アリシアの中に永遠に入ってしまったベニグノと、どれだけ愛しても、決して相手を掴むことはできないマルコとの対比が印象的。
ベニグノも旅先で、マルコとアリシアは"しっくりくる"、と満足しているといいな。 -
『トーク・トゥ・ハー』 内容的に好き嫌いがはっきり分かれる映画だと思います。
愛する女性が植物人間状態という男二人が主人公なのですが、メインストーリーの中に「ほのかに」香るエロティシズムがある種のフェチ?フェティシズム?を観ている人に刷り込むことで、段々と作品に不穏さを感じるようになる作りは秀逸ですし、それゆえに終盤の展開をどう感じるかで評価がはっきりと分かれると思います。主人公の献身と十分すぎる時間は愛と呼べるものではないのか?しかし許される事ではないのも事実。
「寂しい人生だった」という彼の吐露も含めて、考えさせられる物語ではあります。 -
なかなか感想書きにくい、独特の世界観の映画ですね。
思いを寄せる女性が昏睡状態になった男2人の友情。奇妙な設定です。昏睡状態の恋人に献身的に尽くす男たちの愛の物語かと思いきや、物語は妙な方向に。
いや、こいつめちゃくちゃ危ない奴じゃん、犯罪者じゃん、となるわけですが、じゃなぜ主人公は彼を助けようと必死になるのか。そこには奇妙な共同体験を経た「心の繋がり」があったのかな。
昏睡状態の恋人アリシア(レオノール・ワトリング)がえらい美人だったな。
BS松竹東急にて。
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2008年11月鑑賞。
眠り続ける女たち。
泣き続ける男、語り続ける男。
4人の男女の現在と過去。
非現実的な話に感じるものの、心の揺れ動き・信念には共感するところが多かった映画。
じんわりと「愛とは?」と考えた映画。 -
愛とは何だ。
対話とは何だ。
言葉を交わしているからわかりあえるわけではなく、
共に生きることだけが愛でもなく。
胎内回帰的テーマも興味深い。