トーク・トゥ・ハー スタンダード・エディション [DVD]

監督 : ペドロ・アルモドバル 
出演 : レオノール・ワトリング  ハビエル・カマラ 
  • 日活
3.57
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感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988103630590

感想・レビュー・書評

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  • こりゃまた、芸術性の高い作品だわぁ~☆

    はっきり言って面白い!
    が、笑っていいのか哀しんでいいのか観終えて迷うな、

    この作品の中のサイレント映画「縮みゆく恋人」がいいんです。
    恋人である女科学者が作り出した謎の液体を飲んでしまう彼氏。
    すると男はどんどん小さくなって親指ぐらいになってしまう。
    男は彼女の胸の谷間を転げ回ったり股間を探検するのだが、
    決心して股間のトンネルへ入り込み彼女の一部となるのだった。
    これぞ究極の愛か・・・やっぱ笑えないな。

    なんか切ないけど一生記憶に残るいい作品。

  • ペドロ・アルモドバルさんの映画は、モチーフ自体は重かったり
    人によっては後味悪いとか言われるんですが、
    僕にとっては「あぁぁぁ・・・いいもん観たなあ・・・」という感じがすっごくします。
    「いいもん観た!」「いい映画観た!」「うまいもん食った!」という幸福感。
    なんかね、体の隅々まで満ち足りるんですよね。充実感。
    ストーリーとか全然関係なしに。

    この映画もそうでした。
    大概、医療とか脳死とかそういうのが出てくるんだけど
    フェティッシュな感じがすごくします。
    医療器具とか・・・あとタイツ的なものとか。
    女マタドールの人が服を着るところとか最高でした。ピンク色がかわいい。

    それで、フェチも含めて性倒錯なんだけど・・・
    研ぎ澄まされた変態といいますか、純度の高い変態といいますか、
    純粋な変態・・・変態は純粋・・・
    ベニグノ君がかわいくて仕方がない!

    前作『オールアバウトマイマザー』を観た後にちょっとだけ調べたんだけども、
    ペドロさんはゲイ(バイか?)で、神学校出身らしくて。
    フェリーニなんかもたしか神学校出身でしたよね。
    どちらもカトリック圏の映画監督だし。
    そこらへんの「いや、そうじゃないんだよ!!」って苦しみというか
    根っこの部分がこの映画にもすごく出てます。
    神父が修道女をレイプするとか、そんな話やら。
    次の『バッド・エデュケーション』が楽しみだ。

    「ゲイだからどうとか」「男だからどうとか」「女だからどうとか」
    色んな枠組みを破壊したいんじゃないんですかね。
    性倒錯を出すことによって、人間性の純度がどんどん高まってる。
    毎回そんな感じがします。

    ベニグノ君はたしかに過ちを犯しました。
    でも、入れられるところは刑務所じゃないんですね。
    宙ぶらりんなんです。
    断罪すらされない辛さ、みたいなものを感じて。
    この映画は何回も繰り返し観たいなあ・・・。


    途中のサイレント映画のくだりは、あれ本当にそんな映画があるのかと思って。
    (マシスンさんの『縮みゆく人間』?)
    後半観たら「いやないないないwwwww」となりますね。
    『ニューシネマパラダイス』を観たらわかるとおりでw
    あの映画もそうだったけど、だからやっぱりペドロさんは
    カトリックとか神学校にいたとか、そういうことから切っても切れない。

    あとはカエターノ・ヴェローゾとピナ・バウシュ。
    カエターノ・ヴェローゾは前野健太も好きなんですよね。
    細かいところだと、クシシュトフ・ペンデレツキと
    『Las horas』=『The Hours』=『めぐりあう時間たち』とか。
    ダルドリー監督もバイセクシャルですけど。

  • DVD

    アリシアの中に永遠に入ってしまったベニグノと、どれだけ愛しても、決して相手を掴むことはできないマルコとの対比が印象的。
    ベニグノも旅先で、マルコとアリシアは"しっくりくる"、と満足しているといいな。

  • 『トーク・トゥ・ハー』 内容的に好き嫌いがはっきり分かれる映画だと思います。
    愛する女性が植物人間状態という男二人が主人公なのですが、メインストーリーの中に「ほのかに」香るエロティシズムがある種のフェチ?フェティシズム?を観ている人に刷り込むことで、段々と作品に不穏さを感じるようになる作りは秀逸ですし、それゆえに終盤の展開をどう感じるかで評価がはっきりと分かれると思います。主人公の献身と十分すぎる時間は愛と呼べるものではないのか?しかし許される事ではないのも事実。
    「寂しい人生だった」という彼の吐露も含めて、考えさせられる物語ではあります。

  • かなり際どい内容を美化すべきではないが、妊娠と死産を経て長い昏睡状態から生き返った若い女性との一方的な叶わぬ恋を描いたラブストーリー。脚本の秀逸さで最後まで魅せる。
    監督のペドロ・アルモドバル・カバジェロ(Pedro Almodóvar Caballero、1949年9月25日 - )は、息子を失った母親を描いた『オール・アバウト・マイ・マザー』(1999年)でアカデミー外国語映画賞をはじめ多数の賞を受賞。これ以降作品を出すたびに世界の映画賞にノミネートされるようになった。続く『トーク・トゥ・ハー』で、非英語映画としては『男と女』(1966年)以来となるアカデミー脚本賞を受賞するなど、スペインを代表する映画監督の一人となった。
    『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』に続く「女性賛歌三部作」の3作目として製作され、第59回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『ボルベール〈帰郷〉』(2006年)は、脚本賞と主演女優賞(ペネロペ・クルス、カルメン・マウラ、ロラ・ドゥエニャス、ブランカ・ポルティージョ、ヨハナ・コボ、チュス・ランプレヴら6名全員に対して)を獲得した。

    『トーク・トゥ・ハー』(原題:Hable con ella, 英題:Talk to Her)は、2002年のスペインのコメディドラマ映画。監督・脚本はペドロ・アルモドバル、出演はハビエル・カマラとダリオ・グランディネッティなど。それぞれに愛する女性が昏睡状態にある2人の男性の姿を通して愛の奇跡を切なく描いている
    第75回アカデミー賞でペドロ・アルモドバルが脚本賞を受賞している。(ウィキペディア)

  • なかなか感想書きにくい、独特の世界観の映画ですね。

    思いを寄せる女性が昏睡状態になった男2人の友情。奇妙な設定です。昏睡状態の恋人に献身的に尽くす男たちの愛の物語かと思いきや、物語は妙な方向に。

    いや、こいつめちゃくちゃ危ない奴じゃん、犯罪者じゃん、となるわけですが、じゃなぜ主人公は彼を助けようと必死になるのか。そこには奇妙な共同体験を経た「心の繋がり」があったのかな。

    昏睡状態の恋人アリシア(レオノール・ワトリング)がえらい美人だったな。

    BS松竹東急にて。

  • 植物状態となった女二人に話しかける男二人。アンセロは人生全体的に病的だが、マルコは恋人が植物状態になってから出会った友人として、三人それぞれをまわりの医師や看護師、はたまた親よりも深い共感と同情をもって眺めてかかわっていく。
    アンセロとマルコがプラトニックにしろ愛を告げ合うのは、植物状態の女性を愛するという同じ境遇に置かれた感情はお互いにしか理解し合えないだろうという深い心のつながりをみせていて、収監施設の面会にて、ガラス越しに映るアンセロの語りがマルコの姿に重なっているシーンは強く印象的でした。
    最後表示されたふたりがどうなるかわからないが、他から見たら加害者の友人と犯罪被害者みたいな歪な関係かもしれないが、二人だけでは違うのかも。それは、描かれていないのでわからないことだ。
    タイトルである「彼女に話しかけて」。まるで生前のアンセロからマルコへの、メッセージのような余韻でした。

    ストーリーの中にがっつりと史上最高の小説100に選ばれている「縮みゆく人間」がサイレント映画風に挿入されネタバレしていて後悔しました…早く読んでおけばよかった!

    キャストでいうとバレエの先生が「愛と哀しみのボレロ」のジェラルディン・チャップリン、往年(といってもまだまだご健在ですが)の姿がみられてよかったです。

  • 2008年11月鑑賞。

    眠り続ける女たち。
    泣き続ける男、語り続ける男。
    4人の男女の現在と過去。

    非現実的な話に感じるものの、心の揺れ動き・信念には共感するところが多かった映画。

    じんわりと「愛とは?」と考えた映画。 

  • 生理的に無理でした。

    それを愛と呼んでいいのかも 疑問。

    相手の意思は無視だもの。

    (意識不明なのでもちろん意思はわからないのですが)

    妊娠させたのが、看護師の男性だったのか、それとも もう一人の男性だったのか・・?

    確か看護師の男性だったと思いますが、万が一そうでないのであれば、若干 作品の印象は変わるかも。

    いずれにしても
    意識不明だった女性が 本当に本当にかわいそうだった。

  • 愛とは何だ。
    対話とは何だ。

    言葉を交わしているからわかりあえるわけではなく、
    共に生きることだけが愛でもなく。

    胎内回帰的テーマも興味深い。

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