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- / ISBN・EAN: 4988102007935
感想・レビュー・書評
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人間の厭な部分が剥き出しよ
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人間ってどこまでも汚くなっていくんです。人の親切につけ込み利用する人間の欲はどこまでいくのか。これを観た人は、残酷な結末と人の理性の崩壊に、最後息を飲む程夢中になっていることでしょう。
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げんきでない部門にかけてはぶっちぎり
ラース・フォン・トリアー監督のアンチアメリカシリーズ
チョークで引いた家の間取りに
最小限の家具だけが置かれた黒い舞台
壁も景色もないこのワンセットだけで三時間続きます
情報量が少ないので人間に集中するしかなくて
想像力の使い方がまるで読書のよう
舞台は1930年代のアメリカ
道が行き止まる最果ての小さな町ドッグヴィル(犬の町)
その閉鎖的なコミュニティーの中で
抵抗する術を奪われた一人の女性が
15名の住人それぞれから悪意や欲望の掃き溜めとして徹底的に「人間ゴミ箱」にされていく様が
もう観ていて本当に胃がいたくて堪らない
情報弱者な住民の愚かさ全てを見透かした上で
なお相手をあやし続ける主人公の言葉の選び方や赦しの心
その自己犠牲を栄養にみるみる太っていく
住民達の弱さや傲慢さ
容赦のない人間批判と同じくらい
アメリカという国への中指の質量が感じられて
それがまたまあしんどいしんどい
吐くほど泣くしかないダンサー・イン・ザ・ダークの不条理さに比べて
ある種の救いが用意されている分
こちらの方が幾らか消化はし易いのかもしれないけれど
それでも観終えた後の不快感は尋常じゃないです
観ている自分の悪意を引きずり出されて目の前に突き付けられているような感覚に
んもう終始うぶうぶし通しでした
番外編のDVDもあるらしいので今度観てみよう わくわく -
まるで舞台を見ているかのような感覚。この舞台装置のせいか、とても寓話的に感じる。結末は衝撃的だけど、わたしが引き込まれたのはそこではなくて、そこに至るまでの村人たち。描かれているのは人間の本質だと思う。
そして、まるで神の視点のような語りが印象的。 -
これは良かった。映画としての見せ方が素晴らしい。小さな共同体の少しずつ麻痺していく人間性。最終的には狂気の結末ですが、それを必要以上に残酷に描かず、象徴的に示しているのが余計心に訴えかけた。小さな舞台に白線を引いて建物などのセットをイメージし、効果音を付け、その空間を余計狭いものに閉じ込めていた。ニコール・キッドマンの美しさと正義感が余韻として残る。