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- / ISBN・EAN: 4988126202934
感想・レビュー・書評
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とても素朴なつくりなのだけど、切なくも心が洗われる気がしたイラン映画。
貧しくも健気な家族の姿を子どもを軸に描いた点が「自転車泥棒」(伊、1948)を、子供の視点からみた小さな日常を描いたという点が「冬冬の夏休み」(台湾、1984)を彷彿とさせます。
修理に出していた妹ザーラの唯一の靴をなくしてしまったアリ。二人の家はとても貧しくて、靴をなくしたから新しいのを買ってなんて、両親にはどうしても言い出せない。
幸い、二人は学校の場所も登校時間も違う。
そこで、二人はアリの唯一の靴を、交代で履くことにするのだけど…。
もう、表情豊かな兄妹が本当にかわいい。そして切ない。
アリの泣き顔と、ザーラの子どもらしい笑顔は、それだけでも一見の価値アリと思うくらいに。
ただひたすらに靴をめぐって奮闘する兄妹のひたむきな姿と心に寄り添い、慈しみ、表現しようとするかのような本当に細かくて丁寧なカメラアングルが、これまた胸を打ちます。
スケールが大きくなくても、展開が速くなくても、構成が入り組んでなくても、愛情と丁寧さによって良いものが出来るというお手本のような良作です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物凄く可愛いイラン映画。イラン映画は子供映画の宝庫。終わり方もすごく可愛い。
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「物凄く可愛いイラン映画。」
世界中に、子どもと猫の映画をバラ撒けば紛争が収まるに違いありません(猫には異論があるかも知れませんけど)!!!「物凄く可愛いイラン映画。」
世界中に、子どもと猫の映画をバラ撒けば紛争が収まるに違いありません(猫には異論があるかも知れませんけど)!!!2013/04/19
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子どもたちがすごくけなげで可愛いんだよ!!
価値観の違いについて考えさせられる良作。 -
兄の靴を履いてることを恥ずかしく思う妹が、学校で他の女の子の靴にばかり視線が行く心理ってのは、かなり共感できる。
兄ってのは妹に対して偉ぶってても結局尻に敷かれる運命にあるのかしらと自分の体験に照らし合わせて感じたり。妹は兄の生態をよく心得ていて、その上打算的なのだ。 -
主人公の男の子と妹の表情がすごくイイなあ。
妹が母に言いつける、言いつけないっていうのをものすごく大事な事柄にしてるのがよかった。このくらいの歳の頃って、彼らだけの国と法律があるんだよな。
がんばれお兄ちゃん。
埃っぽいのに美しい。 -
ほんとは1位の商品じゃなくて、3位の商品が欲しい。なんてことはよくある。
そして、自分の失くしたものを誰かに使われる。なのに、返してと言えないシーンがとても印象的でした。そんななかでお金持ちの家での庭仕事だったり、靴を親に買ってくれと言えないこと。
思うところがほんとに多い名作映画だと思います。 -
実家に帰りたくなりました。
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些細なことが、この兄弟にはいち大事で、二人は奔走する
ささやかな日々、しかしそこに家族愛、兄弟愛、他人を思いやる気持ち、みなの気持ちが本当に美しい
また主役の兄妹ふたりの演技が素晴らしかった -
イラン映画
新しく買ってもらった靴がなくなっちゃって、兄弟が協力してばれないようにする話。
ほっこりするし、もっとものを大事にしなければいけないなと感じる映画。
ちなみに赤い金魚とは、イランの正月の祝い物らしい -
「ぼくは走る、あたたかい笑顔を届けたくて」
小学生のアリ(ミル=ファロク・ハシェミアン)は修理してもらったばかりの妹ザーラ(バハレ・セッデキ)の靴を買い物の途中でうっかりなくしてしまった。
ふたりの家は貧しく、洗濯物の洗う仕事をする母(フェレシュテ・サラバンディ)はぎっくり腰が治らないまま顔色もすぐれず、父(アミル・ナージ)も小言が多い。
そういうわけで両親にも言えないまま、アリの一足きりしかない運動靴をふたりで苦労して履くふたりだが、通学途中で履きかえるので、妹を先に行かせる兄のアリはどうしても遅刻してしまい、先生に目をつけられる羽目に。
ある日、ザーラは学校で下級生が自分の靴を履いているのを見つけた。その子の家に行き、靴を返してもらおうとするふたりだが、その子の父親が盲目で貧しい生活をしているのを知って言い出せなくなる。
アリを連れて仕事に出た父はうまく金持ちの家で仕事にありつき、妹の新しい靴も買ってもらえることになったが、その直後、ふたりが乗っていた自転車が大破、父は大怪我をしてしまい、結局靴の話はご破算に。
そんな矢先、小学校でマラソン大会が行なわれることに。3等賞は運動靴だ。かくして、アリは頼み込んで出場させてもらい、妹のために3等目指して必死で走るのだった。