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- / ISBN・EAN: 4988126203771
感想・レビュー・書評
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小川洋子の同名小説を詩情豊かに映画化。80分しか記憶のもたない数学博士と、家政婦とその息子の心の交流を、数字の美しさや神秘をたたえ、繊細に紡ぎ出す。
「Movie Walker作品情報」より
こんな風に数に触れることができていたら、今違った人生を歩んでいるかもしれないなぁと思ってしまうほど、素敵な作品.数や数式を見るのが楽しくなりそう.
80分しか記憶のもたない数学博士.社会生活を送っていくうえでは障害となるため職を失う.でも、いつまでも子どものような心をもって数字や数式を美しいと思うこころをもち、人に伝えることのできる博士はとても素敵な人だと思う.
子どもであるルートは80分しか記憶がもたないことを理解して、「その話は聞いた」と言わないとお母さんと約束する.えー子やなぁと思わず呟いてしまつた.
原作は読んでいないので比較はできないけれど、とてもいい映画だなぁと思う.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
齋藤 隆成君を見たとき、吉岡秀隆さんの子どもの頃に撮影したのかと思いました。
本当、ビックリしました。よく考えたら、そんなことありえないのですよね。
義理のお姉さんと愛し合っていたのだと思うのですが、博士はそのことを忘れてしまったのかしら?そんな感じがしました。
もしそうだとしたら、お姉さんにとってはとても切ないことでしょう。 -
美しい。
その美しさを説明するのは、
数式の美しさを説明するくらいにむつかしい。
出会い、関わり、
失われることが繰り返されても、
心の世界を共に味わい続けることの、
果てしない美しさがある。
ありのままとは恐ろしいものかもしれないが、
ありのままであることを受け入れられたら、
そこにひとつの意味深い真理がある。
ひたむきに生きること、
共に生きること、
育むことの美しさが描かれた良作。 -
深津絵里は好きなんだけどなあ……なにせ演出がなあ……無駄な映像も多いし(美しければそれはそれで良いんだけど)、俳優とカメラとの距離感もなんか変だし、数学がテーマだからって、長じて数学教師になったルート君が説教くさい授業をするというプチ教養番組みたいな最悪の形式になっていて物語が台無しだし……
余計なお世話かもしれませんが、原作をこよなく愛していてまだ未見の方がいれば絶対に観ないことをおすすめします。
ガッカリ度がハンパなかったので。 -
事故で80分しか記憶がもたない数学博士と、一人で子育てをしてる家政婦とその子供との交流の話。テレビで視聴。
この映画のテーマって他者との交流なのだと思う。
自分と違う数学と言う世界にいる他者、80分しか記憶がもたない”今”という世界にしかいない他者。
彼の数学という世界に入り込み、彼を理解していく家政婦。彼を障害者としてではなく一人の人間として接していく。深津絵里のナチュラルな感じはこの役にピッタリだ。
そして、この映画で忘れてならない存在が浅丘ルリ子演じる、教授の義姉だ。
愛する人が自分のせいで記憶を重ねられなくなったらどんなに苦しいだろう。彼を囲って暮らさせるしかない。それが他の人によって解き放たれたらどんなに嫉妬して苦しいだろう。
最後に浅丘ルリ子が三人の中に入ろうとする(すぐに入ってかないのがまたいい)シーンがすごく報われるというか救われる。
積み重ねなくていい。ただ自然にあればいいというメッセージがすごくいい。
理由などなくただある存在として、数字というのはまさに格好のものだと思う。
数学の入門としても優れた内容。分かりやすいとかでなくて、数字のおもしろさを表現できている。
こういうテーマの日本映画って少ないと思う。
邦画でこういう作品ってことでプラス1点。 -
2005年、監督小泉堯史。
小川洋子の同名小説が原作。
80分しか記憶が持たない数学の博士寺尾聰と家政婦のふれあい。そこに家政婦の子供、博士の義理の姉が絡む。この関係が明かされないが微妙な様子。成長した家政婦の子供が数学教師となり生徒に話をする構成で話は進められる。 -
博士の記憶が80分しか持たない、という点を除いたとしてもリアリティがない。
小説は読んではいないが、映像化をすると違和感のある内容だったということかな?と思ってしまった。 -
原作が好き過ぎて、映画を観てしまってもいいのかなかなか判断がつかず、迷っていた作品。
結局好奇心のが勝ってしまい観てしまった。
原作を読んでいなければ、すごく良かったと思う。
原作にはない良さもたくさんあった。
でも、原作とはやっぱり違う。
その差が少し悲しくなってしまった。
映画のほうが分かりやすくドラマチックになっていた。
そうじゃないんだよな〜。
もっと静かな感じなんだよな〜。
でも、別物と思えばとても良かったと思う。