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- / ISBN・EAN: 4988135566348
感想・レビュー・書評
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『ワイルドバンチ』、3回ぐらい観てて今後もBSで放映されるたびに繰り返し観ると思う。けど、個人的にはそこまで好きじゃない作品。
ていうのは、ペキンパーって他のも面白いのが多いからなんです。『ワイルドバンチ』は一般的には最高傑作って言われてるけど、個人的なペキンパーランキングをつけるとどうしても4位か5位ぐらいになっちゃう。因みに『ケーブルホーグのバラード』が不動で1位です。
でも、ペキンパーと言えばまずはこれから観てないといけないぐらいの作品。標準装備してないとダメなやつですよね。『タクシードライバー』とか、あとSFだと『ブレードランナー』とかね。「基本です。」ってやつ。
今回観て苦手な理由がわかったんだけど、長いシーン(スローモーションとか含め)と短いカットを多用してテンポが速いシーンが、自分のテンポとハマってないからだと思う。日本の監督でペキンパーに一番近いのは岡本喜八だと思うんだけど、『ワイルドバンチ』のカットの速さはあんまり好きじゃない。
これの2年前のアーサーペン監督の『俺たちに明日はない』は中学生のころ観てけっこう衝撃を受けたんだけど、『ワイルドバンチ』はそうでもない。これも他の人のレビューで気づいたけど、個人ではなく客観的に、叙景詩とか叙事詩のように描かれてるからだと思う。『俺たちに明日はない』とか『ケーブルホーグのバラード』は叙情詩で、だからわかりやすく好き。
他のレビューでも書いたけど、『ワイルドバンチ』はコルトガバメントに注目して見るとまた面白いと思う。ガバメントと、最後にちょっとだけ出るコルトSAAがすごく象徴的。
それと、最近は主人公が○○でバトンタッチするって話のことをよく考えます。『ブレードランナー』とかだとロイが主人公でデッカードにバトンタッチしますよね。『サウルの息子』も主人公から最後の少年にバトンタッチする。ミームというか、意志のバトンタッチなんです。
『ワイルドバンチ』もパイクから元相棒のソーントンに志が受け継がれる。『ブレードランナー』と似てる。
あと、『戦うパンチョビラ』っていうペキンパーが脚本を書いた前作が原型で、それの逆サイドが『ワイルドバンチ』だと思うので、機会があれば観てみるのもいいかも。ペキンパーってメキシコ好きなんだろうなってのが、他の作品も観るとよりわかると思う。ていうか、他の方のレビューを読んで思ったけど、当時のアメリカが嫌いだったのかもしれない。
脇役はだいたいペキンパー作品の常連だけど、個人的にボーホプキンスがめっちゃ好き。この人、わかりやすくサイコ顏なのでサイコ野郎役が多いと思う。
のちのタランティーノに似てるんですよ。タラちゃんも役者としてはサイコ野郎役だしね笑。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最後の超ド級の銃撃戦、連続して発射される銃弾に、感情が昇華する。
1913年メキシコ国境の町、強盗団は鉄道事務所を襲い金を奪うが、賞金狙いの一団に襲われメキシコに逃げ込む。メキシコでは独立戦争のさなか、政府軍、反政府軍ゲリラ、その間で翻弄される村人が入り乱れている。このメキシコの村がなんとも見ていてつらい。女たちは政府軍の女となり、村人は一方ではしたたかに生き延びようとしている。
そこに強盗団がきたわけだ。強盗団は政府軍に列車を襲い武器をとるよう持ちかけられ奪うが、恋人が政府軍の女になってしまっていたメンバーのエンジェルが武器の一部をゲリラに渡したのがばれ、パイクはエンジェルを政府軍に渡す。しかしやはり助けだそうと戻ると、エンジェルは馬に体を引きずられるリンチを受けていた。
もろもろの怒りが爆発した強盗団のパイクたちは、反撃を始める。ここまで、けっこう退屈な運びとおもっていたのだが、この度を超えた銃撃戦で、政府軍、強盗団、共に死んだ場面で、一気になんというか、強盗団になってしまった、村が戦乱になっている、などどうしようもない感情のもつれが一瞬クリアされた感じだ。
強盗団のメンバーのアーネスト・ボーグナインの存在感。あの顔はいい。
ここに流れるアメリカのメキシコ観、メキシコ人がみたらどうなのかな。
1969アメリカ
2021.7.2BSプレミアム -
2010/06/07
サム・ペキンパー監督による終わりゆく西部劇を描いた作品。
主演はウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン。
ならず者の強盗団たちが、苦労して金を手に入れたにも拘らず
その直後、仲間のために我が身を捨て滅び去るという話。
その仲間というのは、
チームで唯一のメキシコ人である若いエンジェルという男。
彼は自らの頑なさ、純粋さのために
仲間に迷惑をかけたり敵に捕まったりと
愚かにも我が身を落としていくのですが、
そんな甘さを抱えた若い彼のためだからこそ、
チーム全員が命を捨ててやろうと思ったのかもしれません。
敵味方含めぼろぼろの男たちが、
顔をくしゃくしゃにして笑っている姿が
ラストシーンで再現されていたのが印象的でした。 -
平気でその辺の女を盾に銃撃戦し、売春婦には普通に金払わず、酒飲んでニヤニヤしてるおっさんらの無軌道ぶりに癒される。しかし老後案じてたり、冒頭で子供たちが笑顔でサソリや群がる蟻を燃やすシーンが、そういうおっさんの時代の終わりを告げててしんどい
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アメリカ西部劇映画の最高峰。ペキンパーの最高傑作。男の生き様を煮詰めたような2時間半。
主人公のアウトローたちが銀行強盗に失敗するところから話ははじまる。しかし、失敗したにもかかわらず「おたずねもの」となった彼らは、執拗な追っ手につけねらわれることになる。メキシコ国境を越えたあとには、メキシコ軍とも悶着を起こし、次第に居場所をなくしてゆく。
どうしようもないロクデナシの集まりが、メキシコ出身の仲間が囚われいたぶられているのを見て、勝ち目のない戦いに挑んでいくところが見せ場。
暴力シーンでのスローモーション。無垢な象徴の子どもとメキシコ人。いくつものペキンパーらしいモチーフが散りばめられ、しかもそれが無駄なくまとまっている。ペキンパーの最高傑作と呼んで間違いないだろう。 -
予想外に深い感動があった。西部劇という括りにするなら多分一番好きな作品。ウィリアム・ホールデンは今まで見た映画が全て胡散臭い役が多かったのでこのならず者集団のリーダーが一番素晴らしい人に見える。馬に乗り損ねる姿や、ドラムの音とともに四人並んで歩く場面、派手な撃ち合いの終盤で帽子が微かに沈むところなどにグッときた。アーネスト・ボーグナインも今作が1番共感できる人物。おじいさんの怪我が右脚から左脚に変わっている。
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別途
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TVにて
サムペキンパーらしい迫力ある銃撃戦.滅びゆく無法者に哀愁が漂う. -
西部劇なんだけど、
鉄道とか、メキシコとか出てくる
珍しい設定。
さらに敵役が、ほぼ主人公で話が進む。
追いかける正義役の主人公も元犯罪者。
メキシコの男達も悪者。
色々と複雑です。
話の展開も設定が珍しいので、
先が読めないが、先読みしやすく、安定的。