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- / ISBN・EAN: 4988103631184
感想・レビュー・書評
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ストーリー
ウクライナから移民としてアメリカへ渡り、武器の密輸商人となったユーリーがたどる衝撃の運命。ユーリーのキャラクター像や、エピソードの数々は、実在の武器商人の証言を基に作られている。ソ連の崩壊により、余った武器を、アフリカの独裁国家などに横流しするユーリーを、インターポールの刑事ジャックが追跡。そこに、ユーリーの妻や弟との悲痛なドラマが絡んでいく。
危険な顧客を相手にした、ユーリーの臨機応変の対応が見もので、ニコラス・ケイジが、本心を表情に出さないユーリーにハマリ役。「リベリア」といった実際の国名や「ビン・ラディン」、さらにはアメリカ大統領の責任にも言及するなど、あまりにも現実的な要素やセリフに、観ているこちらが「ここまで描いていいのか?」と心配になるほどだ。世界に存在する銃の数なども、恐ろしい現実を伝える。ただ、映画作品として、全体にサスペンスなのか、人間ドラマなのか、はたまたブラックコメディなのかが曖昧。ジャンルを特定させない不可解さも、アンドリュー・ニコル監督の作風なのだが。(斉藤博昭)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作中名言「人生にとっての不幸は2つある。欲しいものが手に入らないこと。そして、手に入ることだ。」
すごく良い映画でした。知識量も増えるし、人間性のドラマもある。語り手も親切で分かり易い。ノンフィクションでリアリティーがあり、社会性がもろに伝わる。
話は武器の密輸を生業とするディーラーのニコラスケイジが様々な国に武器を密輸する話。
「ただ、密輸するだけ。」
ここの真理が深い。
戦わないことが行き伸びるすべてであり、武器商人の立場だけが金を儲けるシステム。
これが社会すべてのことに共通し、この矛盾しあう情勢を切に描いている。国に対して、国連に対して、戦争に対して、人に対して、ここまで痛いところをほじくるかという、衝撃力のある作品。 -
実在した死の商人に基づき作られた、武器商人の話。
凄く面白かった。
インターポール捜査官のジャックと、商人ユーリーの会話に見るアメリカの銃社会に対する批判が痛々しい。
右手に聖書、左手に銃。そんな矛盾がいつまでも許されていいはずがないのだ。 -
主人公にいっさい感情移入できないけれど、一度闇に足を踏み入れたら戻れない世界の描写には引き込まれました。裏稼業専用の倉庫のロック番号が子供の誕生日というのはさすがに引きましたが…
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史上最大の武器商人と呼ばれた男の半生をニコラス・ケイジが演じる風刺アクション。ウクライナで生まれて家族といっしょにアメリカに渡ったユーリーは、やがて武器の売買に目をつけ、世界有数の武器商人に成り上がっていくが。監督は「ガタカ」「シモーヌ」のアンドリュー・ニコル。ユーリーの逮捕を狙うインターポールの刑事役でイーサン・ホーク、ユーリーが仕事に引き入れる弟役でジャレッド・レト、ベテラン武器商人役でイアン・ホルムらが共演。
原題:Lord of War
(2005年) -
ニコラス・ケイジ主演の2005年映画。
最後の武器取引に更正した弟を巻き込むなよ。いや、家族のためにも取引自体を再開すべきではなかった。武器商人が必要悪・・この世界の不条理に愕然とする。
映画ラストの、「国連の常任理事国それぞれは武器商人より国家主導でより大きな武器輸出を行っている」というナレーションが哀しい現実に気づかせる。