ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション [DVD]

監督 : アン・リー 
出演 : ヒース・レジャー  ジェイク・ギレンホール  アン・ハサウェイ  ミシェル・ウィリアムズ  ランディ・クエイド  リンダ・カーデリーニ 
  • ジェネオン エンタテインメント
3.79
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感想 : 270
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102277734

感想・レビュー・書評

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  • 1963年夏、ワイオミング州ブロークバック・マウンテン。羊の放牧の仕事で知り合ったジャックとイニス。2人は恋に落ちるが秋にイニスは恋人のアルマと結婚することが決まっていた。ジャックはロデオを辞め、農耕機材販売会社の社長令嬢ラリーンと結婚する。
    4年後、ジャックとイニスは再会し2人きりで一時を過ごす。ジャックはイニスと牧場を持つ夢を語るが、イニスは子どもの頃牧場を営むゲイのカップルが虐殺されたことを語り、ジャックの誘いを拒絶する。2人は年に数度一緒に過ごすようになるが、2人の関係に気づいたアルマはイニスと離婚する。イニスは養育費の支払いに追われ忙しい日々が続き、ジャックは寂しさから他の男と関係を持つ。ある日、イニスがジャックに出した葉書が「受取人死亡」のため返送されてくる。

    20歳の時に出会ったカウボーイ2人の20年にわたる愛のドラマを丁寧に描き出す。主演の2人、それぞれの妻、家族、恋人、そしてジャックの両親、脇に至るまですべての役者陣が皆素晴らしい。特に、主演の2人、言葉数は少ないがお互いがかけがえない存在であることが伝わってくる。最後、ジャックの両親との対面のシーン、イニスの強い後悔とジャックの両親のジャックへの深い愛情が感じられる。クローゼットのシャツに泣けた。アカデミー賞とれなかったのが理解できないくらい、ほんとに素晴らしい大好きな映画。

  • 1963年夏、ワイオミング州のブロークバック・マウンテンの山中で羊の放牧を行う季節労働者として、牧場手伝いのイニス(ヒース・レジャー)とロデオ乗りのジャック(ジェイク・ギレンホール)が雇われた。2人は過酷な労働を通して友情を深めていったが、ある夜、ジャックがイニスに誘いをかけ、2人は一線を越えてしまう。
    労働契約の終了後、2人ははっきりと再会の約束をしないまま別れ、その年の秋にイニスは婚約者のアルマ(ミシェル・ウィリアムズ)と結婚し、やがて2人の娘の父親になる。一方、ジャックは再会を期待して翌年もブロークバック・マウンテンでの仕事を求めるが、仕事を断られた上にイニスが来ていないことを知る。失意のジャックはテキサスに流れ着き、そこでロデオ・クイーンのラリーン(アン・ハサウェイ)と結婚。彼女の父親の会社で働くようになった。
    4年後、ジャックがイニスの元を訪ね、2人は再会するが、アパートの影で情熱的なキスを交わす様子をアルマに目撃されていた。イニスはアルマに気づかれたことを知らずに釣りと偽ってジャックと出かけ、数日間をかつてのように2人きりで過ごす。そこでジャックはイニスに、小さな牧場を持って一緒に暮らさないかと持ちかける。しかしイニスは、彼が少年時代に目撃した、ゲイ差別主義者たちによる同性愛者の虐殺の様子を語り、拒絶する。また、彼は自分の家族を捨てるつもりはなかった。
    それから彼らは年に数度、人里はなれた山中で逢瀬を楽しむようになった。ジャックは順調に家庭で地位を築いていったが、イニスは溝が深まっていた妻と離婚し、惨めな生活を送っていた。
    ある時ジャックが養育費の支払いのために忙しくなかなか会えないイニスを非難し、2人の間で口論が起きる。イニスはジャックとの関係が人生を狂わせたと言って苦悩を明かす。ジャックはイニスを抱きしめようとする。2人はしばし掴み合うが、最後にはしっかりと抱きしめあった。
    ある日、イニスがジャックに出した葉書が「DECEASED(受取人死亡)」のスタンプを押されて返送されてくる。イニスはラリーンに電話をかけ、ジャックが事故で死んだことを知るが、ラリーンから聞かされた痛ましい死の様子に、思わず彼が虐殺される様子を想像してしまう。そして、ジャックが遺灰をブロークバック・マウンテンに撒かれることを望んでいたことを知り、彼の両親に会いに行く。そこでイニスは、かつてブロークバック・マウンテンでなくしたと思っていた彼のシャツを見つける。イニスのシャツはジャックのシャツに包みこまれるように掛けられ、ジャックのシャツにも、ブロークバック・マウンテンでの喧嘩でついたと思われる血の染みがあった。イニスは2着のシャツを手に取って残り香を嗅ぎ静かに泣いた。
    トレーラーハウスで1人暮らすイニスのもとに19歳になった娘アルマ・ジュニアが結婚の報告に訪れた。イニスは恋人と愛し合っているという娘を祝福し、彼女の結婚式に行くことを約束する。1人になったイニスは、クローゼットに飾っているブロークバック・マウンテンの絵葉書と彼の家から持ち帰った思い出のシャツを見つめ、永遠の愛を誓う。
    古い男らしさが物を言うカウボーイとアメリカ西部社会の中で、男同士の愛を貫くために苦しむふたりのカウボーイを通して、アメリカの中にある愛する相手を選べない不寛容さと愛することの中にある貪欲な部分や残酷さや純粋な想いを描かれていて、傑作ラブストーリー映画です。終盤のイネスとジャックの痴話喧嘩は、見ていて苦しくなりました。

  • 思い出すだけで胸がギュッと締め付けられる映画。

    山だけが、2人をただ包んでくれた。

    心の中のブロークバックマウンテンで、2人はいつまでも幸せにいてほしい。

  • ブロークバック・マウンテンのアルバイトで出会った男性二人。一方は婚約者がいる身。しかしふとしたきっかけで一晩を共に過ごし、以降、長年にかけて愛人関係を続ける。
    ジャックの死後も隠れキリシタンのように、シャツと思い出のブロークバック・マウンテンの写真を飾るイニスは切ない。

  • セリフ少ない映画やったけど、雄大な山の景色が美しすぎて没頭して観てた。
    2人の友情を越えた関係は時代も相まってとっても苦しかっただろうなぁ。
    2人のキスを見てしまった奥さんの気持ちを考えても心張り裂けそうやし、最後自分のシャツを上にしてクローゼットにしまってるイニスの気持ちも考えたら切ない。

  • 今でさえまだ同性愛に対する偏見ってあるというか、そうでない人にしたら完全には理解できないものだと思うのに、この映画の時代はもっとひどくて、虐待されることだってある。

    そんな現場を見てしまったイニスなら、二人で生きていこうと言うジャックの言葉なんてありえないわけで、この二人の相容れない思いが切ない。

    そもそも無口で暗い印象のイニスに対して明るくて奔放でストレートに愛情表現するようなジャックの組み合わせは、やっぱり人は自分にないものを持ってる人に惹かれるんだなあと納得のカップルなんだけど、そこら辺が災いしてうまくいかないってのもまたもどかしい。

    昔の時代の古い価値観による物語とはいえ、今でもイニスのようなこんな生きづらさを抱えて生きていくしか術のない不器用な人間は、人生に対して絶望しがちだと思うの。自分がそうだし。変化や人の目を恐れるっていう。

    でもそんな人生の中でジャックのような人に出会って一緒の時間を過ごせたことは、この上ない幸せだと思う。離れてしまってもその思い出だけで生きていけるような、そのくらいの希望。

    またブロークバック・マウンテンでの逢瀬ってのがいいよなあ。これが毎日同じ家で暮らすようになった日には美しい思い出も台無しになっちゃうかもよー。それにしても山とか川とか綺麗だった。狩りして釣りしてって、自分にはできそうもないけど憧れる。

  • 切ない。
    ブロークバック・マウンテンはふたりにとって一番幸せな場所なんだろな。ジャックは言葉にしてたけど、イニスも心に秘めて。
    20年間、苦しみながらも会いたい気持ちは抑えきれなくて、会ったら好きが抑えきれなくて。
    「耐えられない」って泣き崩れたイニスと、立ち去るイニスを見送るジャックの表情、切なくってたいへんでした。

    ブロークバック・マウンテンで、イニスは「俺はゲイじゃない」って言ってたし、ジャックはたぶんバイセクシャル。ふたりとも後で家庭は持ちました。
    そう思うと、すごく愛する人が同じ性だっただけのことなんだろな…それは秘密にしておかなきゃならない事だというのが苦しい。

    イニスの奥さんは目撃してしまって拒絶したけれど、なんとなくジャックの奥さんもジャックのご両親も気付いてたんじゃないかなと思いました。
    ジャック父はそれでもうちの墓に入れると言っててすごい。。

    ジェイク・ギレンホールさんもヒース・レジャーさんも良かったです。
    ヒース・レジャーさん…繊細でした。こちらまで苦しみや切なさが伝わってきました。
    20年間……想い続けるって愛が深い。。
    良い作品でした。ブロークバック・マウンテンの壮大な景色も綺麗でした。

  • 愛する人と一緒にいることを認めてもらえる環境。それは異性愛者にとってはあまりにも当たり前で、意識すらせず享受している権利だ。
    一緒に歩く、手をつなぐ、同居する。

  • 最後の方の二人のケンカ?のシーンが忘れられない。あと、ラストも。音楽も好き。

  • セクマイ映画が豊作な現在観るにはやや今更感を否めないか。後回しにしてきた自分が悪いのですが。
    感度最悪な恋愛センサーしか持ち合わせていない私には、主役二人がお互いのどこに惹かれ合っていたのかよくわからなかった。日常からの逃避という凡百の不倫もの以上の何かがあったのか、という肝心の部分が消化不良。お約束のように駆け落ち話も出てくるが、同性愛を抜きにしてもこの二人が生涯を共にする姿が想像できない…。
    かといってこの作品が歴史的記念碑としての価値しか持っていないわけでは決してない。たとえば自分の人生のかじ取りができない男たちに振り回される、より身動きの取れない女たちの切実さ。半径500メートルで興味が完結しているような偏狭なコミュニティの閉塞感。マウントの取り合いですべてが決まっていく人間関係の窮屈さ。色んな形での「生きづらさ」がむせ返るような濃密さで描かれていて、登場人物への感情移入はしやすい。恋愛映画としての真価は理解できなかったが、優れた作品だと思う。

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