服従の心理―アイヒマン実験 (1980年) (現代思想選〈7〉)

  • 河出書房新社
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感想・レビュー・書評

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  • 有名な「アイヒマン実験」の詳細が書かれている。

    「アイヒマン実験」は簡単にいうと「人は自身の道徳に反する事でも、権威やヒエラルキーの中にいると従ってしまう」というのを証明した実験である。

    実験内容は「問題に間違えた生徒に電流を流す役を被験者に担当させて、生徒が電流で苦痛を訴えても、教授役の人が被験者に電流を流すように言った場合に被験者が電流を流す事を続けるか、拒否するかを見る」というものである。 普通に考えると被験者は反抗すると思うのだが、実験結果は、ほとんどの被験者は反抗しなかったのである。

    意外に思いつつも自分に当てはめてみると思い当たる節が幾つも出てくる。社会人になれば嫌でも思い当たる節を経験するだろう。そういう状況を自覚する為にも、 ひっかかる事がある人には是非読んで欲しい一冊。

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著者プロフィール

精神分析者、エッセイスト。1933年生まれ。早稲田大学文学部心理学専修卒。和光大学名誉教授。『ものぐさ精神分析 正・続』のなかで、人間は本能の壊れた動物であり、「幻想」や「物語」に従って行動しているにすぎない、とする唯幻論を展開、注目を浴びる。著書に、『ものぐさ精神分析』(青土社)、「岸田秀コレクション」で全19冊(青土社)、『幻想の未来』(講談社学術文庫)、『二十世紀を精神分析する』(文藝春秋)など多数。

「2016年 『日本史を精神分析する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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