怪奇小説という題名の怪奇小説 (1980年) (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想・レビュー・書評

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  • 不思議な話しだった。
    なんだか、この作家面白い。
    個人的には、あとがきが色川武大だったのもツボ。
    リアルな怖さを感じさせてくるのかな、と思ったら、あり得ない設定が入ってきて、あぁ幻想かと思ったら、煙に巻くように終わった。
    現実に取り残される感じ、嫌いじゃない。

  • 怪奇小説を書いている小説家が、なかなか進まない小説のネタを、まだあまり知られていないアメリカの小説から窃盗しようとする。その原稿を書きながら思い出すのは、作家自身の過去である。昔、従兄と怖がらせようと工夫を凝らした病床の従妹。その彼女のことをふと思い出し、昔住んでいた場所に出かけてみると、すでに死んだはずの従妹によく似た女性を発見する。
    気になって、その女性と仲良くなってみると、彼女は女性ではなく、男性だというのだ。

    窃盗して書き進める小説の内容と、現実がだんだんと融解していき、今自分がどこをみているのかわからなくなってしまう不安な感覚が特徴的だ。

  • 作家である「私」は怪奇小説を書くことを依頼されたがいっこうに筆が進まず・・・。主人公の日常、幼いころの思い出、盗作しているペーパーバックの内容とが交じり合い、現実と非現実がどんどんと曖昧になっていく。この居心地の悪さがたまらない。技巧を凝らした、ホラーともミステリともSFともつかない奇妙な味わいの作品。

    • うろぐぐさん
      おお、これまたメタな感じで面白そう!
      おお、これまたメタな感じで面白そう!
      2010/07/13
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著者プロフィール

(つづき・みちお)1929-2003。東京出身。10 代から時代ものを発表していた読物雑誌の衰退に伴って海外ミステリ翻訳家に転向、『E
QMM(エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン)』日本版編集長を経て、1961年『やぶにらみの時計』を刊行、推理作家となる。トリッキーな趣向を凝らした作品の一方、ユーモラスなアクション小説、捕物帳を含む本格推理、ハードボイルド、SFミステリなど多彩な作風をもつ。永く無冠でいたが晩年に日本推理作家協会賞、日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2022年 『都筑道夫創訳ミステリ集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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