生命を探る (1967年) (岩波新書)

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  • 『化学の立場から生命を探る、とは、生命現象を
    分子間の相互作用として理解することである。
    それは、生化学とよばれている。
    生命は余りにも複雑である。
    生化学は、まだその入口にあるにすぎない。』
    と、1967年の出版の本に書かれている。

    化学者からみて、生命とは何か。
    生命を構成する物質とは? 炭素化合物。
    生命なき物質、酵素が発見された。
    生命力を神秘的な力と理解し、
    それが何らか関わっているとかんがえられていた。
    『生物には合成を容易成らしめる特種な条件がある。』

    生命とは何か?
    ポーリングは、『生命を定義することよりも、
    生命を研究することの方がやさしい。
    定義しなくても、研究はできる。
    化学者は、定義しないで、研究すればいい。』 といった。

    生命の定義は、
    『正常な特異的な構造の積極的維持』と『自己増殖』
    個体の維持であり、種の保存。
    生物は、解放系である。

    生体をつくる物質。元素とは?

    エンゲルスは、『生命とはたんぱく質の存在状態である』といったが、
    正確にいえば、生命とは、たんぱく質、核酸、水の存在状態である。

    肉の中にある水は、零下20℃まで、冷やしても、
    そこにあった全体の水の半分しか、凍らない。
    凍らない水を、結合水という。

    この本が書かれた当時は、核酸 が一般的な常識となっていない。
    なぜか?核酸は栄養的必要性がない。核酸欠乏症という病気がない。

    タバコモザイクウイルスの結晶化が、1935年にできた。
    94%が、たんぱく質で、6%が、核酸だった。
    核酸は、260ミリミクロンの紫外線を強く吸収した。
    DNAとRNA の違いがわかってきた。
    RNAは、細胞の増殖の盛んな細胞に多かった。

    酵素は、生物らしい特徴を持っている。
    35〜40℃が、最適で、中性が活躍しやすい。

    酒を飲めば、あったまる。
    ➡血管が膨張するように見えるが、寒さで収縮する。熱が奪われる。
    ➡体温が上昇する。それは、熱として放出されている。
    エネルギーは、維持、筋肉、体温維持に使われる。

    環境適応
    酵母がガラクトースに適応する。銅イオンに、適応する。

    記憶の担い手は、RNA かもしれない。

    地球生化学。生物圏の研究。
    宇宙生物学というのは、地球生物学では、普遍性がない。

    『進化論は単なる問題提起であって、法則になっていない。
    生物は、環境との関連において進化するものである。
    この環境には、こういう生物ができるはずだと
    予見できるようになって始めて、生物は普遍的な科学となるのである』

    最初の生命は、嫌気的従属栄養微生物 だろう。
    炭素とケイ素は、同じ四価。
    SiーSiの結合が水に弱い。SiO2が、水に解けない。

    人工生命はできるのか?

  • (1969.12.28読了)(1969.12.18購入)
    *解説目録より*
    人間をはじめすべての生物は、この地球上で、その生命を維持するために空気を吸い、水を飲み、食物をとる。反対にこれを失えば死に、無機物にかえってやがて空気と土の中に消滅する。一体、生命とは何であろうか? 本書は、化学の立場からこのナゾに取組み、その特性の一つ一つを解きあかすとともに、生命の起源や宇宙生物学、生命の合成など、今日、一般の関心の的となっている興味深い問題に触れながら、生命の本質を探る。

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