憲法を読む (1966年) (岩波新書)

3.75
  • (1)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 8
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • P78 わが国の憲法改正論者は、口をそろえて"自由の行き過ぎ"は目に余るものがあると非難し、非行少年やマンボ族やスピード狂まで例にあげてきた。しかし”自由のはき違い”は、無責任時代の一部の愚かしい若者たちだけでなく、そういう論者の考え方にもある。なぜなら、例に引かれる反社会的行為は、いずれもむしろ自由の欠如や無反省から出ているものであって、それを憲法のせいにするのは的外れも甚だしいからだ。憲法を改めて、もっと明確に「公共の福祉」の概念で自由の枠を狭めようとするのは、とんでもない誤想だというほかない。

  • ところどころに左翼思想が見え隠れするものの全体的には学者らしい中立な立場で分かりやすく解説されていると思う。

    なにより驚きなのが、1966年発行のこの本に書かれている日本社会の問題点(政治・行政・教育・労働...etc.)がほぼ丸々現代(2012年)に当てはまるということ。
    時代が巡って似たような問題が再発したのでなく、明らかに45年以上の間何も進展してない。

    変わったのは首相の名前だけかい…と思ったら本文中に「鳩山内閣」が出てきたときはさすがに苦笑するしかなかったけど。

    という訳で、憲法ってどんなだっけというのを再確認したり、日本の進歩の無さを知るよい参考書になった。


    [これも読んだ]
    「憲法九条を世界遺産に (集英社新書) 」★★
    http://booklog.jp/users/caliconography/archives/1/4087203530

    [本棚の憲法関連の本]
    http://booklog.jp/users/caliconography?display=front&keyword=%E6%86%B2%E6%B3%95

  • なかなか理解されていない憲法を、なんとか体系的に理解してもらおうという主旨で、整理されている。
    論調はやや硬い。

    法のもとの平等
    精神の自由と表現の自由
    生存権と福祉国家
    議会制民主主義
    などなど。

全3件中 1 - 3件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×