Dolls[ドールズ] [DVD]

監督 : 北野武 
出演 : 菅野美穂  西島秀俊  三橋達也  松原智恵子  深田恭子  武重勉  大杉漣 
制作 : 北野武 
  • バンダイビジュアル
3.47
  • (29)
  • (52)
  • (63)
  • (24)
  • (3)
本棚登録 : 348
感想 : 47
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569630919

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 近松門左衛門の『冥土の飛脚』の出番を終えた忠兵衛と梅川の文楽人形。その視線の向こうに、3つの愛の物語が展開する……。赤い紐で体と体を結んだ”つながり乞食“の佐和子(菅野美穂)と松本(西島秀俊)。かつて、松本は佐和子の愛を裏切る形で別の女性と結婚しようとしたが、そのショックで佐和子が精神のバランスを崩したことを知ると、彼女を病院から連れ出し、以来、ふたりはあてどもなく彷徨い歩き続けていた。
    ある日、友人たちに婚約を公表した思い出のロッジへと辿り着いたふたり。しかし、そこを追い出された彼らは、雪山で足を滑らせ崖から転落してしまう。
    迫り来る死期を感じ取った老境のヤクザの親分(三橋達也)は、ふと思い立ち、とある公園へと出かける。
    そこは、若い頃に愛した良子(松原智恵子)と毎週土曜に逢瀬を重ねた思い出の場所だ。思いがけず、今も彼を待ち続ける彼女と再会を果たした親分。
    彼は、正体を明かさず彼女と会うようになるが、ある日、ヒットマンによってひかれてしまう。
    交通事故で左目を失い、芸能界引退を余儀なくされたアイドル・春奈(深田恭子)の元に、デビュー当時からの熱心なファンで、誰にも顔を見られたくないと言う彼女の気持ちを慮るあまり自らの視力を奪った温井(武重勉)が訪ねて来た。
    久しぶりの再会。春奈は、彼のことを憶えていてくれた。
    だが温井の幸せも束の間、彼は交通事故で轢死してしまう。
    バイオレンス映画を得意とする北野武が、近松心中ものの文楽劇を意識した究極のラブストーリーに挑戦した意欲作。
    文楽を意識して、あえて無表情に近い演技を演出することで、文字通り苦楽を生死を共にする三組の二人の道行きを、真っ赤な薔薇園や紅葉などの美しい自然とヨージヤマモトの和装の良さを生かしたデザインによる美しい衣装が彩ることで、より儚さと切なさが凝縮されたラブストーリーになっています。
    中でも、西島秀俊と菅野美穂、三橋達也と松原智恵子の二人のピュアさが、印象的です。

  • レンタルで観ました。絵画をひたすら見ているような、不思議な時間でした。お話に入っていけなくて、文字通り、鑑賞という感じです。でも全く退屈ではなく、圧倒されました。台詞があまり無いのも好きです。壊れた菅野美穂さんへ、時折感情が溢れる西島秀俊さんが切なかったな。深キョンのアイドルの部分は、春琴抄かな、と思いましたが。幕切れもあっさり。赤が印象的でした。文楽にとても興味が湧きました。

  • 突っ込みどころ満載だが割と好き。

    北野作品で本人が出演しない作品は珍しい。本作の様なラブストーリーものは似合わないと自覚があるのだろう。北野ブルーは影をひそめ、赤を中心とした色彩なのも印象的。新たなチャレンジが随所に見られる。

    形は違えど普通を超えた三つの愛が描かれる。そこまで人を愛せるか。そう自問してしまう。そこまで愛すには、死も覚悟しなくてはならない。死も怖くない。そんなメッセージが伝わってきた。

  • ずっと好きだった人が
    自分を好きじゃないと言った時、
    心が壊れてしまう。
    今いるのは現実の世界じゃなくて
    今すぐ動かなきゃ、
    違う世界に行ってあの人を探さなきゃ、と思って
    歩き出してしまう。
    歩く方向がわからなくても。

    だからそうなってしまった君をつなぐ。
    乞食になった俺たちの胴をロープでつなぐ。
    いろんな季節を歩き続けて
    桜も紅葉も雪もひっかけながら、
    ずっとつながって歩く。

    昔々とても大事な人と見た映画。
    心が離れていく過程で見た。
    もし可能なら、私も
    主人公の女性のように
    ロープで胴をつないで欲しかった。
    そうすれば、今、違う風景を見ているはずだ。

  • 多分昔観た、北野監督の作品観るの初だったかと
    CMかなんか観て映像綺麗だなーと思って観た
    …のに内容が全く思い出せない…何でだ…

    また機会があれば観たいと思う
    だって、映像が綺麗だったことしか、思い出せない
    昔感じたものとは違うものを感じるかも

  • 愛とは何か。
    相手を求める、いないと生きていけない。それは美しい純愛なのか、哀しい狂気なのか。その二つが絡み合って独特の世界観を創っている。
    鮮烈な赤。美しい紅葉。独特な沈黙と撮り方に、妙な美しさと恐ろしさがある。
    アイドルのエピソードは春琴抄だろうか。
    いずれにしても大好きな映画。

  • 北野監督ってアーティストなんだな。
    アイディアがすごい。
    ヨージヤマモトさんもあいまってすごい作品。

    話は切ないですね。

  • 北野作品はこれと『ソナチネ』しか観ていないけど、独特のテンポと役者の表情、セリフの上っ滑り感がある。妙な青くささというか…
    色のモチーフをかなり露骨に使っていて面白い。
    ベースにあるのは『冥土の飛脚』だけど、アイドル追っかけのエピソードには『春琴抄』にかなり近いものを感じた。
    ラストシーンがすごく好き。
    二人はその赤い糸の繋がりゆえに死んでいくということが端的に伝わる、ちょっと皮肉で美しくて衝撃的な場面。

  • 初めて見た北野作品。
    こんな映画撮るんだー、という意外性。

  • びっくりするぐらいキレイだった。息したら汚れそうで何故か息が潜んだ。菅野美穂の演技がすごかった。最低限を越えた言葉の少なさでつづられる物語。浄瑠璃の静けさと溶け合ってた。

全47件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ビートたけし。1947年、東京都足立区生まれ。72年ツービート結成。89年『その男、凶暴につき』で映画監督デビュー。97年『HANA-BI』でベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞。著書多数。

「2020年 『浅草迄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×