悪い奴ほどよく眠る<普及版> [DVD]

監督 : 黒澤明 
出演 : 三船敏郎  加藤武  森雅之  志村喬  西村晃  三橋達也 
  • 東宝
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104044792

感想・レビュー・書評

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  • やはりかなり面白かった。

    冒頭の結婚式のシーン。
    場違いな黒い雲が押し寄せるような不穏さで一杯。
    臭いやつはどいつで
    何やら復讐めいた動きがあるのが
    式次第に従ってわかってくる構成が面白い。

    役者陣は黒澤常連の面々。
    すさまじい存在感で物語を推し進める。
    映像の説得力は言うまでもないが
    推敲を重ねられた脚本は見事というしかない。

    白黒ならではのコントラストをうまく
    コントロールした夜のシーンも今となっては見所のひとつ。

    事後報告のような惨劇を想像させる演出は
    直接的に描く以上の効果を生んでいるように感じた。

    巨悪を打ち倒して終わるという締めくくりではないから
    スカッと溜飲を下げて終わる・・・とはいきません。
    この悔しさ、苦渋の想い、残念感、こそが巨悪の前の
    善良なる人々の思いなのでしょう。

    「悪い奴ほどよく眠る」なのです。

    国宝級。

  • 西の殺されるシーンがあれば完璧だった。
    少なくても、西が無念を晴らせず、悪が勝ってしまう現実をまざまざと見せて欲しかった。
    課長補佐がいとも簡単に始末されるシーンも効果的だっただろう。

    とにかく西たちの復讐が、結局は無残に終わってしまう過程が少な過ぎる。
    権力側に背いても徒労なのだという宿命みたいなモノを見せつけても良かった。

  • 日本映画専門チャネルで放映していたクロサワ作品の『悪い奴ほどよく眠る』を観ました。

    半世紀近く昔の作品ですが、、、
    題材となっている官民の不正(汚職や贈収賄等)というのは、現在と同じで何も変わっていないなぁ… と感じましたね。

    -----story-------------
    日本未利用土地開発公団の副総裁「岩淵」の娘「佳子」と秘書の「西幸一」の披露宴が執り行なわれようとしていた。
    しかし、この「西幸一」という男、実は5年前、新庁舎の建設に絡む不正入札疑惑で自ら命を絶ち事件の幕引きを図った課長補佐「古谷」の一人息子だった……。
    -----------------------

    本当の首領が最後まで顔を出さず(登場する悪人は、結局、使われている手下に過ぎない)、悪事を暴いて父親の仇をとろうとした主人公は葬られてしまう。

    悲しいし、悔しいけど、これが事実。
    本当に悪い奴は裁かれることなく、よく眠っているんですよねぇ。

    -----------------------------------------------------------
    監督: 黒澤明  
    製作: 黒澤明  
        田中友幸  
    脚本: 小国英雄  
        久板栄二郎  
        黒澤明  
        菊島隆三  
        橋本忍  
    撮影: 逢沢譲  
    美術: 村木与四郎  
    音楽: 佐藤勝  
    特殊技術: 東宝技術部  
      
    出演:
     三船敏郎 西幸一 
     森雅之 岩淵(公団副総裁) 
     香川京子 娘 佳子(西の妻) 
     三橋達也 息子 辰夫 
     志村喬 守山(公団管理部長) 
     西村晃 白山(公団契約課長) 
     加藤武 板倉(西の友人) 
     藤原釜足 和田(課長補佐) 
     笠智衆 野中 
     宮口精二 岡倉 
     三井弘次 新聞記者1 
     三津田健 有村 
     中村伸郎 建設会社顧問弁護士 
     藤田進 刑事 
     南原宏治 堀内 
     清水元 三浦(大竜建設経理係) 
     田島義文 新聞記者2 
     松本染弁 波多野(大竜建設社長) 
     土屋嘉男 事務官 
     山茶花究 金子(大竜建設専務) 
     菅井きん 和田の妻 友子 
     賀原夏子 古谷の妻 
     樋口年子 和田の娘 正子 
     佐田豊 接待係 
     沢村いき雄 運転手 
     田中邦衛 殺し屋 
     峯丘ひろみ 岩淵家の女中 
     田代信子  
     一の宮あつ子  
     近藤準  
     横森久  
     桜井巨郎  
     清水良二  
     生方壮児  
     土屋詩朗  
     小沢経子  
     土野明美 

  • ☆☆☆☆☆
    よい映画でした。
    http://booklog.jp/users/tesa0819/archives/1/B000VJ2DPA

  • 世界の黒澤明監督作品。父を殺された現代社会の悪に挑む男の姿を描いています。
    三船敏郎がカッコ良い!笠智衆、三橋達也など名優たちの姿も良いし、若かりし田中邦衛も観れて良い。

  • 結末の暗い黒澤映画。
    でもすばらしい映画。
    本当に悪い奴は画面上には出て来ていないという演出であると思うが(みんなよく眠ってないので)、正義の男が悪の親玉を根絶して大団円なストーリーよりよほど身にしみる。

    見せるところを省くところの選別がすばらしく、無駄がない。

  •  自分の手を汚さずに人を殺し,それを少しも気に病むことなく毎夜ぐっすりと眠ることができるのが真の悪人。悪は常に隠蔽されるもの。本当に恐ろしいのは見えない悪。「やさしい」父はわが子の一番大切なものを一番屈辱的な仕方で葬ることができたりする。
     今まで観た黒澤作品で一番絶望的な結末でした。あと眼鏡マジックで最後までニシ=三船に気付かなかった・・・役者ってすごい。

  • かっこいいーーー

    社会派

    だけど、現実派。

  • 勧善懲悪というありきたりなストーリでなく、最後にどんでん返しがあるなど観終わったあと考えてしまう内容。個人的には凄い大好きです。

  • 2010年9月11日(土)、鑑賞。

著者プロフィール

(くろさわ あきら 1910−1998年)
日本を代表する映画監督。1943年『姿三四郎』で監督デビュー。生涯30本におよぶ名作を監督した。『七人の侍』(1954年ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞)など海外の映画祭での受賞が多く、映画監督として初めて文化勲章、国民栄誉賞を受賞し、1990年には米アカデミー名誉賞が贈られた。

「2012年 『黒澤明脚本集『七人の侍』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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