第23作 男はつらいよ 翔んでる寅次郎 HDリマスター版 [DVD]

監督 : 山田洋次 
出演 : 渥美清  桃井かおり  倍賞千恵子  布施明  木暮実千代  前田吟  下條正巳  三崎千恵子  小暮実千代 
  • 松竹 (2011年10月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105058552

感想・レビュー・書評

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  • "男はつらいよ"第23作。マリッジブルーで式場から逃げ出した花嫁を寅さんたちが温かく迎える。で終わらないのが寅さんのいつもの悪いところで、自分もチャンスがあるとのぼせて元花婿に先輩風を吹かせたりしちゃう。でも当人たちは全くいい人としか思っていないから、寅さんの勘違いも、親兄弟の心配も他所にして愛をはぐくみ、元のさやへと納まっていく。そこが寅さんのコメディたるゆえんか。
    そして両人の結婚を前に逃げ出すのかと思いきや、久々の結婚式の場面で仲人を務める寅さん。布施明の弾き語りは良い声で本作のクライマックスだけれど、前作と言い寅さんの存在感が薄くなってきたなあと思う。

  • 便秘の薬。笑
    満男の作文がとても良い。さくらが「博さん」って呼んでるのも改めて良いよね。
    式場を抜け出す前のドレス姿の桃井かおり、髪型がアップにしてあってショートカットに見えるんだけど、それがとても可愛い。
    御前様、源ちゃんが鐘つきに間に合わなかった時のお仕置きに笑う。
    ひとみちゃんのお相手の青年は優しい人だな。

  • 第23作。

    テーマは結婚。
    マドンナは桃井かおりが演じる。

    親の敷いたレールに沿って生きること、名家に嫁ぎ自分を押し殺して生きること。

    そこに生きづらさを感じて逃げ出した女性を、本作では描く。

    マドンナであるひとみは田園調布のご令嬢であり、親に決められた相手との結婚式から逃げてとらやに駆け込んだ。

    そしてひとみはその翌日、とらやでしみじみと言う。「お色直しをしている自分の顔を見ながら、私、女って悲しいなって思ったの。だって本当にこれでおしまいって感じなのよ。これから素晴らしい人生が広がっていくなんて、そんな幸せな気分なんてとてもなれないのよ」
    「男の人は決してそんな気持ちになったりしないんだろうなあ」

    また、自分の言うとおりに結婚すれば幸せになれたはずだと言う母に対して、「ママは今幸せ?」と訊き、母が幸せだと言うと、「それじゃあ私、あなたが言う幸せとは違う幸せがほしいの」と返す。

    ひとみは自立、独立を求める。
    そして、自分を追いかけ期せずして同じく家出をしてきた婚約者邦夫に惹かれる。決め手は、ひとみに「好きだ」とストレートに伝えた言葉だ。それは、令嬢という肩書きのない、ひとみという人間に対する好意だったから響いたのだ。

    内容はあまりに王道だ。
    しかし、桃井かおりの独特な台詞回しが、それまでになかった新しい昭和の女性像を強烈に打ち出している。このキャスティングは見事という他ない。
    そして以上のひとみの台詞は、#metooに代表される女性解放運動が活発になっている現在には、一層刺さるものだ。

    本作では、寅さんはやや出番が少ない。桃井かおりと婚約者役の布施明が見事であり、本作においては寅さんはストーリー上、あまり必要ないのだろう。そのさじ加減は本当に見事。

  • とらやに駆け込んでくるマドンナのインパクトありきでその前後のストーリーがつくられた感ありの異色作。

    サブタイトルの元ネタはきっと…と思って引いてみるとやはり。「翔んだカップル」が流行ったのは本作公開の前年から。そしてこのキーワード「翔んでる」女優として選ばれたのはやはりの桃井かおり。数年前に彼女の映画本格デビュー作「あらかじめ失われた恋人たちよ」(1971) を鑑賞させてもらっていたただけに感慨もひとしお。そういや彼女は本作での出演を理由に家族から勘当を言い渡されていたというエピソードを思い出した。(のち和解。)そうした背景としての彼女の実人生を考えると本作での彼女の台詞にも重みが増す。

    すんません、母親役木暮実千代はついスルー。最後に鑑賞させていただいたのは溝口作品「雪夫人絵図」(1950) だったか。「お茶漬けの味」(1952) や「赤線地帯」(1956) の頃からは20年以上経過しているのだから許していただきたいと言い訳をしたいところではあるが、考えてみると役どころはあまり変わっていないのかもしれない。

    そして驚きの布施明出演。彼の芝居の印象はほぼゼロだったがちょっとした(というか重要な)おまけとともに二重丸として印象に残ることに。彼の妹役として戸川京子が出演していたことは鑑賞後に気づいた次第で、こちらはその後の経緯に目を通してしまってちょっとしんみり。本シリーズではまた登場してくれるとのこと、楽しみにしておこう。

  • 桃井かおりって今の方が綺麗な女優さんなんですね、昔のほうが際いかんじでなかなか好き。個性派。

  • まだ「ハイビスカスの花・特別篇」が残っているけれど、とりあえず本作でシリーズを一回り観たことになる。約半年掛かった。「結婚式を逃げ出した花嫁」という使い古された筋ではあるけれど、独身の寅次郎が仲人をするところが可笑しい。と同時に、第一作での博とさくらの結婚式を思い出して感慨深い気持ちになったり、また満男篇から観直してみたい気持ちになったりした。さくらと博が昼食中に何気なく交わす会話が良かった。博「・・・天体望遠鏡?」さくら「うん・・・満男がほしがってるのよ・・・」博「・・・あいつには・・・まだ早いよ」。この「・・・」の間が何とも言えず良いです。

  • 北海道の虎杖浜のあたりで湯原昌幸に襲われそうになった桃井かおりを助けた寅さん。桃井は先に帰って布施明と望まぬ結婚。しかしウエディングドレスのまま逃走。とらやへ。そのままとらやで働くも布施が追いかけてくる。彼は実家の大会社を辞めてアパート暮らしをしながら愛を伝える。そんなひたむきな布施明に桃井が惚れて結婚する。長い結婚シーンが珍しい。全く変わらない桃井、布施の歌が見物。佳作。

  • シリーズ23作目。マドンナは桃井かおり。

    結婚式から逃げ出したマドンナ(桃井かおり)がウェディング・ドレスのまま、とらやに駆け込んでくるシーンはなかなか衝撃的。衝動的でわがままな彼女が、再び別れた男と愛を育み、結婚する。ちょっと変わった恋愛の形を描いていると思います。結婚式での新郎(布施博)の歌や妹(戸川京子)のスピーチ、寅さんと旅館の若旦那(湯原昌幸)のユーモラスなやりとり、いろんな要素がバランスよく入っている印象。

    寅さんも、桃井かおりに特別な感情を抱いている様子は少なく、親切心で2人の仲をとりもつ。
    ただ、これは過去にもあった設定で、いまひとつインパクト不足というのはあるかも。

  • 「また振られた時に恋していたことに気づくでしょう」とひろしは言ったが、今回はそこまで恋していないように見える。最初からダンディで格好つけていたのは笑えたが、最後は、仲人までやってしまう寅。なかなかいい回だった。
    「俺が仲人やったんだから」といつものように調子に乗って終わる。

    2016.3.28.

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著者プロフィール

1931年大阪府生まれ。54年、東京大学法学部卒。同年、助監督として松竹入社。61年『二階の他人』で監督デビュー。69年『男はつらいよ』シリーズ開始。他に代表作として『家族』(70)、『幸福の黄色いハンカチ』(77)、『たそがれ清兵衛』(02)、『家族はつらいよ』(16)など。2012年に文化勲章を受章。

「2019年 『男はつらいよ お帰り 寅さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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