Fate/stay night Blu-ray BOX <期間限定生産>

監督 : 山口祐司 
出演 : 杉山紀彰  川澄綾子  植田佳奈  下屋則子  伊藤美紀 
  • ジェネオン エンタテインメント
3.18
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本棚登録 : 98
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102588823

感想・レビュー・書評

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  • オリジナルの同人ゲームが発売されたころにまだ未成年だったのですが、あまりの評判の良さに気になりつつも、いざ成人を迎えるころにはすっかり忘れ去り、アニメも当時 私の住んでいた地域では放送がなかったため、このたび虚淵さんの手がけた『Zero』を見て原作が気になりつつも、まあお金のけっこうかかることなので、まずは比較的 安価に片づけられるアニメから、原作を追ってみることにしました。

    学園ドラマの色が濃く、ふつうのエロゲを踏襲するようなシナリオの運びですから、シナリオの面白さのみに焦点を当てると、圧倒的に『Zero』のクオリティが高い、と言わざるを得ませんが、『stay night』の魅力はその世界観の論理構成の緻密さだというふうにも聞きます。アニメではさすがにそれを知ることは難しいので、これは原作に手を出さないと、なかなかわからないことかもしれません。

    さて、『Zero』を見る前後で、大きく感じることの変わる作品であることは確かでしょう。とくに、セイバーの性格。おそらく、『Zero』を知る前であれば、セイバーの性格だと理解できた、あの堅苦しさ、皮肉っぽさ、戦いに脇目も振らず突っ込んでいき、自らを完全に道具のように扱うその痛ましさ、それらすべてが、ひたすらに騎士である誇りだけを支えに、騎士としてのみ生きて死んだ彼女の人生に裏打ちされた悲壮な性格であって、切嗣との接触によって悪化したところもあるかもしれないが、それよりは彼女のもともとの性質であろう、というふうに解釈していたでしょう。けれども『Zero』での あの切嗣のあまりの対応を見てからだと(もちろん彼にも事情があったことはよくわかりますが)、『stay night』でのセイバーのひとつひとつの言葉すべてから、もちろんもともとの彼女の性格もあるのですが、その上に、切嗣が彼女につけた傷跡を生々しく見て取ることができます。サーヴァントとはこういうもので、所詮は道具にすぎず、マスターのただの剣にすぎないならば、自己犠牲をいとわないのも当たり前だし、たとえ自らの精神が侵されねばならないような状況が来たとしても、マスターというのは自らを強制的に使役する能力があるのだから、そうしたければそうすればいい。彼女の冷徹な合理性や忠誠心に見えていたものが、そのじつ、主君に軽んじられ、否定され、裏切られ、最後には自らの精神を無理矢理 捻じ曲げられたにもかかわらず、目的の達成もならず、最悪の結末を迎えた、そんな絶望の淵からふたたび呼び出されてしまった彼女の、人間不信や自暴自棄が、あのような言動となって表れたのだと、解釈することができるのですよね。そして切嗣と同じ苗字を持つ、あまりにもふがいない青年の細やかなやさしさの表現に、次第にもともとの健全なセイバーの性質を取り戻していく、そういう物語に見えてくるわけです。セイバーの変化の物語ではなく、セイバーの復活の物語に見えてくるわけです。

    もともとセイバー自身、王としての自分を配下に否定的にとられることを苦に、自らを王の座から引きずり下ろそうと聖杯戦争に臨んでいたわけですが、これはあくまで第五次の話であって、第四次の段階ではまだ、祖国の栄光を望む一国の王でしたよね。それが第四次の戦いを経て、自分のこれまでの生き方に疑問を感じ、自分が王にふさわしくないのではないかと(切嗣のせいだけでなく)思うようになった、そして第五次ではめちゃくちゃ自己否定的なサーヴァントとして、士郎に仕えることになった。加えて、第四次までは「女」扱いされても女に戻ることのなかったセイバーが、「女性」扱いされて女性に戻る瞬間がけっこうあるわけですから、これはやっぱり、セイバーの変化の物語というよりは、彼女が剣を握る前の、まだ一国の王になる前の、理想に燃えた少女の要素を取り戻しつつ、自らを許し愛することができるようになるまでの、復活の物語に見えるわけです。もちろん士郎にとっては、成長と恋愛の物語ですが。

    話の流れとしては、非常に順序だっていたと思います。私は奈須さんのシナリオと虚淵さんのシナリオだと、虚淵さんのシナリオに触れていた機会が多いので、ややそちらに偏った話にもなるかもしれませんが、奈須さんが非常に順序だったというべきか、ある程度の秩序の中で話を作るのに対して、虚淵さんの場合は同時進行とか、並行とか、そういう言葉のふさわしいシナリオを書くのでは、という印象がします。『Zero』を見ていると、誰が主人公なのかときどきわからなくなりますが、これも彼の、異なる生き方の軸を持った人物たちが、それぞれの道を歩んでいたら、たまたま交差するところがあって、その交差するところで馴染みあったり反発しあったりしながら、ひとつの物語を形成していく、という、主人公の視点から見たものではない物語の作り方があるのではないかなあと思うわけです。そこにはあるひとつの正しい価値観ではなく、複数の正しく思える個所のある価値観で、だからこそ正義が勝つ、なんてことにもならない。でも士郎はだいたいいつも正しい。自分が間違っているかもしれないとは言いつつ、実際には決して間違いを犯さない人間なのですよね。そして士郎の周囲の人間たちは、どこか役割を演じているような節がある。敵味方かかわらずそう感じることが多かったのですが、これはやっぱり、もともとがエロゲであるという、そういう縛りの中にあったからかもしれませんね。ゲームというからにはやっぱり、特定の主人公を置き、特定の役割を担う特徴的な人物を配さなければ、成り立たない部分がありますから、どうしても、主人公のための誰か、物語のための誰か、というふうな描き方に限定されてしまうのかもしれません。

    アニメ自体の話に戻すと、なんというか、悲劇的というか、悲壮感あふれるつくりにしようと心がけてでもいるのか、全体に音楽も悲壮ですし、どこか暗い印象のするアニメになっていましたね。全24話なので、もうすこしテンポよく進めても、そのぶん世界観の描写に徹することもできたのでは……と思うことも多かったのですが、地の文をキャラクターの台詞として描くことなどはタブーなのでしょうか。私はあまりこういった作品づくりに詳しくないのであんまりいろいろ書くのも憚られますが、すこし緩急がなかったようにも感じます。

    いずれにせよ、原作をやらずにここまで書くのもなんだか非常に申し訳ないので、余裕ができれば原作に手を出してみるのもよいかもしれません。

  • CATVでやってたのを録画して観賞。
    「Fate/zero」は小説版で読んだ。

    主人公、士郎の真っ正直さがなんかわがままというか強情というかで、凜くらいの冷静さがあれば…とじれったくなったり。

    セイバーがかわいらしいのであった。
    モードレッドの声優、桑島法子なのね。「Fate/Apocrypha」の沢城みゆきバージョンとだいぶ雰囲気が違うな…。

  • 何だろ、自分が歳をとったからだろうが、
    主人公のウカツサ、馬鹿さが気になってしまって
    あまり楽しめなかった。

    24話で表現するのは難しいのか、サーバントもあっさり倒れていくし、入り込めなかった。

    原作は細かな設定がたぶんあるのだろうが。。。。

  • 名前は知ってたけど初めてみた。おもしろかった。

  • ゲームからアニメ化された作品です。現在コミカライズ化もされてます。また、原作の別ルートが映画化もされましたね。

    TYPE-MOONの誇る第二作目の作品です。
    今作においても凝りに凝った設定や、予想の遥か上を行く伏線が健在です。

    今作では特に男性キャラの格好良さが目立ちます。
    アーチャーVSバーサーカー戦で思わず鳥肌が立ったのは私だけでは無いはずです(^O^)

  • 前日談とされる「Fate/Zero」を見て、これはオリジナルを見てみたほうがいいかもしれないと思って、TSUTAYAでDVDを借りて一気に見てみた。

    見終わったときの率直な印象は、「これは普通だったら見ない類のアニメだな」だった。

    ファンタジーは好きで、小説もそういうジャンルの物は昔からよく読んでいる。西洋の神話や歴史にルーツを持つ物語は面白いし、いわゆる「歴史物語・伝記」ではなくて、過去の世界の舞台や設定を"ちょっと借りてる"くらいの具合の物が大変好みなので、そういう意味では趣味に合ってる。ただ、僕の場合はそれは小説までで止まって、映像作品を見ようという気にはあまりならないのだ。

    主人公の衛宮士郎は「聖杯戦争」について詳しく知らないまま争いに巻き込まれていくので、そのあたりのスタンスは見ている側と同じだし、彼が知らないことは遠坂凛が丁寧に説明してくれるので、大変助かった。まぁ"普通じゃない"ことがそもそもの前提として語られることも少なくないので、何度か巻き戻して咀嚼ことは事実なんだけど。

    小説が刊行されていたら、けっこう楽しく読んだかもしれないなとは思う。コンセプトや舞台設定はとても好みなので、自分の中で世界を作ってみたかったなと。

    もともとが「同人ゲーム」というやつなので、終盤は恋愛要素が強くなってくるけど、その分物語の核になってる部分が中途半端になったのは残念かなぁ。敵キャラもサクサク倒しちゃった感じもするので。あと大河先生は必要だったのかすごく疑問。

    でも、デート回でけらけら笑う凛ちゃんが可愛かったので、星1個おまけねw

  • 話は好き。作画は評判通り。間をとって3。

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著者プロフィール

医学博士/睡眠専門医
福岡浦添クリニック院長

1953年福岡市生まれ。
1979年自治医科大学卒業後、国家公務員共済組合連合会浜の町病院と九大病院救急部で2年間の臨床研修。
浜の町病院勤務の時に、名嘉村博先生(現在、名嘉村クリニック院長)から指導を受け、その20年後に名嘉村先生から現在の睡眠医療への道に導かれることになる。
臨床研修後は、福岡県の地域医療(県立病院、町立病院)の仕事を行い、
その後、自治医科大学医動物及び血液学、ハーバード大学べス・イスラエル病院感染症部門リサーチフェロー、熊本大学遺伝発生研究施設(分化制御)講師として基礎研究に従事。
2000年より、福岡浦添クリニック院長として睡眠医療に従事している。
日本睡眠学会専門医、日本内科学会総合内科専門医。アメリカ睡眠学会会員、アメリカ血液学会会員。
1990年ベルツ賞(2等賞)、2006年福岡県医師会医学研究賞。

福岡浦添クリニックホームページ
http://www1.odn.ne.jp/csrd/

「2019年 『専門医が教える症状から見た睡眠障害の診断と治療』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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