ラブリーボーン [DVD]

監督 : ピーター・ジャクソン 
出演 : マーク・ウォールバーグ  レイチェル・ワイズ  スーザン・サランドン  スタンリー・トゥッチ  シアーシャ・ローナン 
  • 角川映画
3.17
  • (40)
  • (121)
  • (181)
  • (87)
  • (18)
本棚登録 : 878
感想 : 194
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4582194842421

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  この作品を観て、もし死後、魂がたどり着く先があるとすれば、この映画の映像のように限りなく美しいところであればいい、できればこの映画以上にありえないほど美しい場所であればいいと心から思いました。そしてその限りなく美しくパーフェクトな世界に思われる場所からの脱却、どんな魂もその世界にとどまることは、歩みを止めることはできず、成長し続けなければならない魂を描いた示唆に富んだ内容でした。主人公が唯一やり残したと戻ったのは犯人をあばくことではなく、ファーストキスだったところが、十代の女の子らしく、かわいらしく、切なくて泣けました。自分の死を完全に受け入れることが、現世に残された娘の死にとらわれ続けている父親の心を開放することにもつながるということは、スピリチュアルという言葉じゃ片づけられないような、魂の絆を感じられてすばらしく、「私は自分のいないこの世界を受け入れられる」という言葉が印象的でした。ただ犯人のその後の死にざまは蛇足でしかなかったです。因果応報というには弱いし、とにかく主人公がその犯人から意識を解放した時点で、もうどうでもいいはずだし、終わりにもってくるには美しくなかったです。

  • BSジャパン シネマSP録画>何だか消化不良な終わり方。。監督の意図する焦点はそこじゃない(死後の世界観とか彼女が思い残した純愛を叶えたいとか。)のは何となく解ってはいるんだけど…やっぱりスッキリしないよね…。
    結局犯人捕まらないんか~い!?っていうね(^^;)。。
    殺された主人公が黄泉の国へと旅立って本人はケジメが付いてスッキリしてるんだろうけど、観てるコチラ側は何だかモヤモヤ…。P.ジャック監督だけにファンタジー色はスゴイんだけど、話がスッキリしないなぁ。。これじゃ。
    死後の世界(天国)って海外ではあんな描き方なんだなと。
    シアーシャ・ローナンが少女(14歳)っていう割に妙に大人びてて綺麗過ぎて怖い。瞳の青さに目を奪われた。

  • 最後の願いは、ファーストキス

  • とても見ていて辛い映画でした。主人公が殺されることは序盤で明らかにされるだけに、その後に続く物語は辛いだけだったな。「殺された人間がゴーストになって犯人に復讐する」みたいなわかりやすい話だったらまだ良かったのに。何もできない彼女はただひたすら不憫…。それにしてもスタンリー・トゥッチの演技はすごかったな。

    CGによる壮大な映像美とやたらと長いエンドロールにはピーター・ジャクソンらしさを感じました。

  • ゴースト/ニューヨークの幻ほど、主人公(幽霊)が現世に対して出来ることが少ないため、これで残された父親に思いが伝わってるのか微妙な気がしましたが、ある事件をキッカケに関係が崩れる家族の描き方はリアリティがあるように感じました。主人公が殺されるまでの描写等が結構怖かったです。

  • ファンタジー、映像美、主人公が死んでからのお話…という知識だけで観てみた。

    主人公が現世と天国の境目にいる際の映像は確かにとても綺麗。天国は美しいところだ、というのを見事に映像化させた感じ。

    プロローグは既に主人公が死んでからの語り口なんだけど、自分の小さい頃、最初の記憶を再現したり、両親の結婚前(かな?)を描いたりで若干混乱した。
    その後、主人公が死ぬ前の回想は、死ぬんだと分かっててもソワソワする…。
    「知らない人に付いて行ってはいけない」という教えは物足りないものだと思わされる。
    ネットで見た、「誰かに誘われてどこかに行く際は、必ず誰か(出来れば知り合い)に許可(ないし「誰々とどこに行ってくる!」と報告)をする事」という教えの大事さを再認識した。(そうする事で、善からぬ事を企んでる相手なら逃げるだろうし、何かあっても相手が分かる。)

    主人公が殺されてからは、主人公の霊が街を彷徨い、現世との入り混じりがまるで「サイレント・ヒル」
    死んだんだ、と、主人公が理解するのは犯人が浴槽に浸かってるシーン。
    ただ、見てる側からはまだ理解しきれなくて「もう殺されたって事…?」と半信半疑だった。
    ブレスレットがキーなんだろうけど、その描写がもっと分かりやすくあれば…。

    浴槽シーンは、真っ白な空間に、血と泥で汚れた衣服やバスタブ、それに浸かりタオルで顔の隠れた人…一瞬死んでるのか?と思わされる。
    洗面台の蛇口に掛けられたブレスレットを触った主人公は、殺された事を認識していく。
    それと同時に動き始める犯人である、バスタブの男…。
    悲鳴を上げるも、舐るような視線のまま、タオルで体を擦る男に、さっと消えていく主人公。この描写が印象的。
    ただひたすら男への胸糞悪さは物凄く感じる。

    主人公が殺されてから、家族の悲しみに痛む…。
    母親は長女が死んだ事をいち早く受け入れながらも、向き合う事を拒み、忘れようとする。夫からの支えもなく(むしろ迷惑な義母?義姉?を連れ込まれ)堪らず家を出てしまう。
    気持ちは痛い程理解出来る…。
    それに対して、娘はまだどこかで生きている。側にいる気がする。と感じて、犯人探しに躍起になる父。
    フィルムの現像も、娘との約束通り月1本で現像したり。
    弟の、お姉ちゃんが部屋に来たんだ。という台詞や、叔母に「お姉ちゃんは天国とこの世の境界線にいるんだよ」って台詞に泣ける…。
    小さい子は霊感があるって描写なんだろうな…。

    物語は進んでいき、次女が犯人を怪しみだす。
    ゴールデンレトリバーが吠えた時に、父親に報告してくれれば良かったのにな…。
    きっと長女の匂いを感じとったんだろう。
    次いで、父親も犯人を怪しみ接触し、枯れた椿を通して娘の気配を感じとる。
    でも結局どうする事も出来ず、夜にバットを持って襲いに行くも、トウキビ畑で犯人とカップルを勘違いし、彼氏に殺されかける。
    全然関係ないけど個人的に、その彼女は彼氏と別れたのかが気になる…。
    この上手くいかない感じはやたらリアルだよなぁって思う…。

    父親が人殺しをしそうになったり、殺されそうな場面を見てようやく、主人公は自分はここに留まるべきじゃない。と考え、(犯人を憎むなんて愚かだと気付く?)一歩を踏み出す。
    そして犯人の今までの犯行を知るか事になる。
    主人公が初犯じゃなかったんだ…確かに手馴れていた。

    父親が犯人を疑った事で確信したのか、次女が犯人の留守を狙って家へと忍び込む。
    見つからないからと冷や冷やさせられて、ここは本当に息を呑むシーンだった。しかも長い。
    ようやく証拠を掴んでなんとか逃げ出すも、家に着くと今まで家を開けていた母親が。
    夫婦の感動の対面を前に、証拠を出せず俯く次女…。
    ここがまたソワソワさせられる!犯人は自宅に火をつけて証拠隠滅してしまうのでは?と思った…。
    叔母に汚れた格好に気付かれて、意を決して証拠を出す事で警察も動き出すが、既に男は逃げた後だった。

    犯人は金庫へ詰めた死体もしっかり車に詰め込んで、廃棄物を投げ込もうと穴へと重たい金庫をゆっくり転がす。
    それを見つめるのは、主人公と同級生で霊感のある女の子。
    主人公が彼女に乗り移り、大好きなレイにキスをして貰う。
    妹に先を越されて、生きてるうちに経験できなかったキスをして主人公は最後の心残りを解消する。
    …てっきり、自分の遺体を捨てさせないようにするのかと思ってたから拍子抜け…。
    遺体遺棄されていいの…?!と戸惑った。確かに、主人公的には大好きな人とのキスの方が大事だし、犯人を恨まない選択をしたんだけど…。
    遺体が側にあったからこそ、乗り移れたのかな?

    最終的に、犯人は捕まらずに逃げ切った。
    懲りずに犯行を重ねようとしたところ、崖から転落して敢え無く死んだ。
    ロクな死に方をせず、ざまぁみろ!って展開なのかもしれないけど、犯行に似合わない軽い死に方だし、何よりキチンと捕まって欲しかったから燻る…。

    順当に歳を重ねる家族。
    ようやく、長女の部屋へと足を踏み入れた母親に、「ずっとママを待っていた。来てくれないかと思っていた」って台詞にまた泣ける…。
    母親の「愛しているわ」の台詞もまた泣ける…。

    悲しい気持ちで見終えた。
    終えてから、あれこれ考える。

    犯人は猟奇殺人をしたかったのか?
    でも、被害者が女の子ばかりだから、レイプ目的か。
    天国での彼女達や、死体遺棄の感じからはそう読み取れなかったけど、ネットにはそう書いてるらしい。(調べてくれた)
    まぁ、トウキビ畑に青姦目的で入り込むカップルの後を付いていくぐらいだし…。
    でも年端もいかない少女を狙うのは、やりやすいからなのか、処女がいいのか。(彼氏の有無聞いて、「君は他の子と違うと思った!」と感動?してたから)

    幼気な、これから未来のある女の子達を、レイプしてバレないよう殺害までするなんて、胸糞悪い。
    そういえば、あそこまでバラバラにしたのは主人公だけなんだよね…何でだろう。
    あと、トウキビ畑の持ち主は犯人じゃないのか?
    最初に殺したのが雇い主?だか地主だかって言ってた気がするけど…。

    と、あれこれ謎が残るし、原作の小説も読んでみたい。

  •  連続殺人犯に殺されてしまった14歳の少女スージーは魂となって留まり、家族や恋人、犯人の人生を見届ける。

     残された者のその後の姿や死んでしまった自分を通して死とは何かを考えさせる。家族が自分の死を乗り越えられない姿を見るのも悲しいし、かといって成長していく姿を見ていくのもつらい。
     幻想的な映像がとても綺麗で印象に残る映画だが、魂となった死者が基本的に見てるだけしかできないというストーリーがもどかしいのだけれど死を考える上ではよかったと思う。
     あとは主役の少女シアーシャ・ローナンの存在感がすごい。この娘はきっと将来、大女優になるね。

     10代の子ども達に死とは何かを考えるきっかけを与えてくれる良作。

  • 監督が「ロード・オブ・ザ・リング」の監督と言うのと、プロモーション、レビューとで期待を膨らませすぎたのか、鑑賞後、モヤモヤ感が。

    まず、映像美は素晴らしいと思います。先の「LotR」でもそうでしたが、CGを駆使して描かれるファンタジックな世界観。わくわくと楽しくなります。

    が。

    問題は美しく夢のあるファンタジーであると同時に、根本が児童誘拐殺人事件と言う、サスペンスでもある、と言う点。これがまず私の混乱の原因の一つかな、と思います。

    私が大好きな作品「奇跡の輝き」とも似ている部分はありますが、あちらの死因は事故と自殺でした。

    さて果たして罪の無い子どもへの凶悪殺人による死。本作のような描き方で良いのだろうか、と疑問に思う部分があるのです。

    無論、死者は生前の怨み辛み、未練から自らを解放し天国もしくは極楽浄土へ行くなり成仏うるなり、それが良いと思います。残された遺族の傷も癒えれば幸いでしょう。しかしそうしたことを作品として観ると、やはり惨い気がしてしまうのです。犯人が長く自らの行いを悔い、苦しみ抜くでもなく遺族や被害者に許し忘れよと言うのは違うと思います。

    そう。犯人と事件の扱いが雑に感じられましたね。
    あの終わり方でいいのか?

    全編通して非常に感覚的な作品であると感じました。
    伏線、根拠、動機・・・そう言ったものが薄く、突然に全て起こり、行動し、終わる。

    何故疑うのか
    どこが嫌なヤツなのか
    何故二人が恋をしたのか・・・

    などなど。
    観ている側は殆ど移入の機会を与えられず、置いてきぼりを食ったような形に。

    家族愛に焦点をあてているからそれでいいのでしょうか。
    それならば殺人事件にして欲しくない。病気、事故が原因であったなら家族の内での「乗り越える」方向として受け入れられたかも知れません。

    ファンタジーなのか、感動ヒューマンドラマなのか、はたまたサスペンスなのか。

    非常に消化不良であります。

    ヒロインの女の子は可愛かったし、スーザン・サランドンも素敵でした。芸術家少女の存在感も目を引いたのでもう少し活躍させて欲しかった。

    あとホリー役の子の声が可愛すぎてびっくりした(笑)
    ハリポタのマートル以来の意外性!顔はずんの飯尾さん似でしたが。

  • もっとファンタジーファンタジーしてるのを想像したので、思っていたのより怖くてびびっちゃいましたが、主演のシアーシャちゃんがとにかく美少女で最後までめろめろでした。
    シアーシャちゃんが天国と現世のあいだでふらふらしている時の表現というか、コンタクトのとりかたがとても可愛くておもしろい。
    でも犯人役のスタンリー・トゥッチの演技が上手すぎてしばらくトラウマになりました。目がいっちゃってた。素晴らしい俳優さんだ。

  • 死者の視点というのが新鮮でよかったけど、ファンタジーなのか、現実的なのか、どっちつかずでよくわからない描写が多かったように思います。
    小道具や行動など、「これは何かの伏線だろうか」と考えながら観るのが好きなのですが、この映画はそういうことは考えてはいけないのかな?
    最終的な思い残しがああいうことなのは、かえって現実味があるのかなーと思えたのですが、全体的になんだか物足りなさを覚えました。

全194件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×