【あらすじ】
主人公・アメリアは、両親を知らず、兄代わりのヨシュアと父代わりの神父と一緒に教会で暮らす17歳。
ある日、主人公が育った教会にマフィアが攻め入り、主人公は自分が命を狙われていることを知る。
なんとかヨシュアと逃げた先で不思議なペンダントを見つけ、拾い上げると、3年前命を落とし死神として復活したマフィアが出現する。
主人公は死神と過ごし、自分に隠された過去・命を狙われる理由を知っていく。
【主人公】
超ド級の箱入り娘で天然さん。
17歳なのに、男女の付き合いのイロハを全く知らない。
個人的にはヨシュア(シスコンなお兄さん変わり)の所為というよりは、主人公が無関心で相当な受け身なのが問題だと思いますw
………だってさ、そういうのって、親から教わらんでしょ。
発言がホワホワしていて、17歳なのに、スタイルはとても良いのに、内面は相当オコサマな面が目立つのでとっつきにくい。
【攻略対象】
いずれもキャラ設定がしっかりとしており、個性があります。
それぞれの過去も丁寧に掘り下げられているので、キャラクターを好きになりたい人には向きそう。
また、キャラ同士の関係性も深く、それぞれの繋がりややりとりを楽しめるのも◎。
キャラがブレないのでリアリティがあるというか、キャラの好き嫌いとは別に「憎めない、愛着のわくキャラクター」が描かれていると思います。
良い所が多いだけに、「大罪」の辺りが不鮮明なのが惜しい(後に解説)。
【システム】
”コンタクトハート”というシステムがオリジナル。
スチル上のカーソルの変わる場所で○ボタンを押すと、アイテム入手できます。
【仕様】
ノベル形式。
共通ルート⇒2人ルートへ分岐⇒個別ルート、という形式。5章(2人)⇒8章(個別;計10章構成)
重たくもなく、軽くもなく。
周回はさほど苦痛に感じませんでした。
【シナリオ】
<<主軸>>
「キャラと主人公とのつながり」というよりも、「キャラ同士の繋がり」の濃い作品で、それぞれがマフィアのファミリーに加入するきっかけ、仲間との出会い、仲間と過ごした時間が丁寧に描かれるタイトルだと思います。
「攻略キャラ」の項目でも書きましたが、それぞれの関係性がクリアで、力関係もしっかりと描かれているのでキャラが生き生きとしている印象を抱きます。
反面、ストーリーに出てくる「7つの大罪」ネタや、死神の力など、活かしきれていないネタが多いのが目立つかなぁ、と思います。
作中で「それぞれのキャラが7つの大罪にあてはまる」と言う割に、実際当てはめてみようと考えると不透明な部分が多く、想像はできるけど「こっちでも良いかも?」という部分があってスッキリしません。
ネタを出す以上、しっかりとその「大罪」を考慮した上で性格を練っても良いのかなぁ、とは思う。
また、それぞれの「死神の力」ですが、曖昧に終わるキャラも少なくなく、どうせならその能力を最大限に活かすシナリオを考えた方がよかったのでは…とも。
最後の最後にちらっと使うネタにしては勿体無いと思うし、設定倒れ部分が多いと思う。
エンディングへの持って行き方や片づけ方の強引さも苦手。
このタイトルは切ない終わりを演出する為、【最終的に彼はもといた世界に戻る】のが大前提。
恋が実っても、命を張って主人公を守っても、結局最終的には消える…限りある時間を二人で過ごす、という点で切なさを演出しています。
…それは良いのですが、その「切なさ」の直後にひょっこり戻ってくるのでなんか拍子抜けするというか、「えーーーーー、あの切ない気持返せ(怒)」ってなります。
終わり方でいえば、「え、ここで悲恋にする必要あるの…?」というキャラもいますし。
<<恋愛要素>>
最大のネックというか、微妙さに溢れるポイントだと思う。
主人公が天然鈍感箱入り娘なので、おおよそ「恋に落ちるポイント」が想像つきません。
彼が主人公のけがれないところを好きになった…という理由は妥当なので文句をつけませんが(それなりにイベントも挟みますしね)、
主人公が彼を好きになるいきさつが全く無いのでモヤモヤする。
…以前に、ハッキリ言って「主人公が本当に攻略対象を好きなのか」自体も不鮮明なルートがあり、本当にもやっとします。
【感想】
辛口で書きましたが、テンポが良く、キャラが魅力的で楽しめました。
楽しめたからこそ、「もやっと」する部分がより強く「もやっと」感じてしまった感が否めない…。
ひとまず最大の要注意項は主人公の性格だと思うので、
ド天然鈍感箱入り巨乳主人公が嫌いでなければ!!お試しあれ。