神々と男たち [DVD]

監督 : グザヴィエ・ボーヴォワ 
出演 : ランベール・ウィルソン  マイケル・ロンズデール  オリヴィエ・ラブルダン  フィリップ・ロダンバッシュ  ジャック・エルラン 
制作 : エティエンヌ・コマール 
  • 紀伊國屋書店 (2011年10月28日発売)
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4523215058810

感想・レビュー・書評

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  • 1996年のアルジェリアで起こったシトー派修道院修道士8人の殺害事件。イスラム過激派によるテロが頻発する中、フランス本国への帰還命令に従い修道院を離れるべきか。留まるべきか。修道士達の静かな議論と決心に打たれました。

  • 実際にあった修道士誘拐事件に秘められた真実を描く、感動のヒューマンドラマ
    見どころ
    理不尽な死の恐怖に直面した修道士の信念と尊厳が、宗派や国籍に関係なく観る者の心を激しく揺さぶる。俳優としても活躍するグザヴィエ・ボーヴォワが監督を務める。
    ストーリー
    1990年代のアルジェリア。フランス人修道士は現地のイスラム教徒と宗派を越えて交流していたが、アルジェリア軍とイスラム原理主義者による内戦が激化する。修道士たちは住民を見捨ててこの地を去るか、死を覚悟してとどまるかという究極の決断を迫られる。
    ここがポイント!
    2010年カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞。

  • “「選択の余地はない」
    「ある 私は選択する」”

    自分の選択を引き受けるのは最終的には自分以外になく、信仰する神への祈りすらその重荷を肩代わりはしてくれない。テロリストの脅威をまえに政府から帰国を勧告され、周囲に死の気配が充満するなか、アルジェリア内に留まることを選択したフランス人修道士らの心中にあるものはなんだったのか。 
    自身の行動の是非にたえず揺れながら、暗い湖面に投げた石の音に耳を澄ますように「私たちを見捨てないでください」と神に呼びかけるひとびとのそれが、狂信ではなく意志によるものであることに胸をうたれました。

  • このような映画が流行するフランス社会がすごい。
    こんなのを見ると、日本はまだ成熟した社会ではないんだと感じる。

  • アルジェリアで起こった事件を基に製作された映画。宗教とは民族紛争とは何か!を考えさせられる。それにしても、いつまでたってもアルジェリアの民族問題は無くならない。

  • 「さよならを言わなければならない時に—ともに生きる」


    1990年代、アルジェリア。
    人里離れた山間の小さな村の修道院で、修道院長クリスチャン(ランベール・ウィルソン)を始めとするカトリックのシトー会に所属する修道士たちが共同生活を送っていた。戒律を厳格に守り、貧しい人々とともに働き、病める者の面倒を見て過ごす日々。
    修道士の1人、リュック(マイケル・ロンズデール)は医者でもあり、近所から訪れる多くの人々を診察していた。修道士たちはイスラム教徒の地元民と良好な関係を築いていたが、アルジェリアは内戦の真っ只中。暴力行為やテロがこの土地にも暗い影を落としていた。イスラム過激派による市民の虐殺に加え、アルジェリア軍との衝突で多数の犠牲者が出る。
    やがて、修道院からそう遠くないところでクロアチア人が殺される事件が起きる。軍が修道士たちの保護を申し出るが、クリスチャンはこれを辞退。
    クリスマス・イブの夜、ついに過激派グループが修道院に乱入する。負傷した仲間の手当てのために、リュックを連れ出そうとする過激派に対して、彼は診療所を訪れた人を診察するためにいるのだと、きっぱり断るクリスチャン。そしてコーランを引用して、キリスト教徒とイスラム教徒が隣人であると説く。
    一難去った後、アルジェリアを去るべきか否か、議論が交わされたものの、意見はまとまらない。各自で考える時間を与えられ、独り物思いにふけるクリスチャン。やがて修道院に戻った彼は、自分の気持ちを手紙に書いて残すことにする。
    大使館からは内務省による帰国命令が出ていることを告げられるが、地元住民からの強い残留要望を受け、クリスチャンは迷う。
    殺される恐怖との戦い、断ちがたい人生への執着。それぞれに異なる考えや事情を抱え、ひとりの人間として悩み苦しむ修道士たち。この土地を出て行くか、残留するか。
    やがて彼らは採決の時を迎える……。

  • 宗教勉強してから見直す。

  • アトラスの修道士が武装テロ組織によって誘拐され さらに殺害されてしまった本当に痛ましい実話である。

    「命の危険を知りつつ 使命に就くことほど、生の実感に満たされるものもない。」と予告に出ていた。
    生きている実感は命の危険を知ることと思ったら恐ろしいではないか。
    私はそれだけではないと思う。

    私は無宗教だが宗教が起こす世界のニュースに関心を持っている。
    とても悲しい事件で嘆かれるのだが、修道士達の健気さがとても微笑ましく 優しい人達のお話で心に染みる作品である。

  •   アルジェリアで現地の人々と共に暮らしていたフランスの修道士達。しかし、近くでテロが起き、身の危険が迫る。彼らは殉教を覚悟し留まるか、国外へ逃げるかの選択を迫られる。。。
     1996年にアルジェリアで実際に起きたフランス修道士誘拐殺人を映画化。

     「神々と男たち」というタイトルは邦題をつけた人の間違いではない。本来、一神教のキリスト教には”神々”という表現はないはずだが、映画の原題には男も神も複数になっている。この修道士達は長くアルジェリアのイスラム文化にいる中でイスラム教の信仰にも理解を示し、自分達の信仰と融合させ地域に溶け込もうとしている。映画序盤ではその試みが報われるシーンもあるのだが。。。
     この映画のいいところは、修道院に入って全てを神に捧げているはずの人達が、いざ実際に命を神に捧げるかという様な状況になった時に、本当にそれでいいのか時間をかけて議論して悩みぬく姿を描いているところにあると思う。苦悩する日々の生活の合間に流れる賛美歌が不気味なほどに美しい。

     つい15年前に本当に殉教した人がいるという事実。そしてその場所が現在(2013年)の日本人にとって忘れることのできない事件のあった国、アルジェリアであるという事実。
     この映画はキリスト教徒でない人にも心に残る力を持っている。

  • 崇高

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