月光ゲーム 江神シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]

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  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  • パニック系本格ミステリ小説。極限状態で起こる連続殺人事件で、冒頭から引き込まれる構成になっている。トリックは非常に理路整然としていて納得のいくさすが本格ミステリといった内容。ただ、キャラが多くイマイチ個性と名前が結びつけずらかったことと、犯人が直感的に予想しやすい(トリックは全くわからないが)、犯人の動機がまぁまぁお粗末、といった残念な点がいくつか見受けられた。

  • いろいろと設定から無理がありそう

    評価2.0
    audible 10時間4分
    kindle 334ページ

     推理小説研究会のお出かけキャンプ。殺人事件が起こるようだが、プロローグでは単なる大災害にしか思えない。 
     有栖川有栖が主人公の第1作らしい。キャンプ中に噴火が起きて下山できなくなり、これでクローズドサークルが出来上がる。そして一人が行方不明、一人がナイフで殺害され、この業界ではよくある話が始まる。
     ただ、キャラが定まらない上に登場人物が多く難渋する。また災害やら殺人やらでちょっと分かりにくい。いいところで噴火が起きて話も止まる。有栖も主人公ではあるのだろうが、名探偵とは程遠い。最後も何だか分からないうちに下山となり、噴火の最中に読者への挑戦が提示される。証拠はすべて明かされたとのことだが、全くわからないまま推理研部長の江神の名推理が開示される。
     結局殺した方も殺された方もキャラが薄く最後までどっちがどっちかもよく分からない。おまけに動機も痴話喧嘩の域を超えておらず、ダイイング・メッセージも何だそれはという感じ。途中からは想像はついたが、案の定冴えない終わり方であった。 
     振り返ると有栖と江神しか覚えてないけど、有名な連作のようであり、この二人が出てくるならもう少しだけ続編も勇気を出してトライしてみようかな。

  • 有栖川氏のデビュー作。トリックとしては納得のできるものであったと思う。登場人物が多い中で、呼び方が苗字であったり名前であったりニックネームであったりであったため、誰がどこでどうしたかがごちゃごちゃになってしまった。登場人物欄にニックネームを記載してほしかった。最後に理代に振られた有栖氏、かわいそうに。

  • お名前は知っていたものの未読だった有栖川先生。
    期待値が大きかったせいか、読後感はう~ん…という感じでした。

    同年代の学生ばかり17人も集まった状況で登場人物の判別がつきにくく、この人必要?と思う人物も多かったように思います。
    そのせいか、あの程度のことで犯行に及んだ犯人はもちろん、友人や大事な指輪を置いてまま逃げ出したサリー、証拠隠滅をした理代の行動にすら説得力がなかった。
    しかも、重大な犯罪を犯した人ほど、出会って数日~数ヶ月の人のためというのも…う~ん。
    クローズド・サークルの醍醐味?である疑心暗鬼や緊張感も殆どありません。
    普通なら殺人が起きた時点で食事すら怖くてできないはず。
    人数を半分にしてでも登場人物の心情をもっと掘り下げて欲しかった。

    何より一番自分と合わなかった要因はアリスと理代のくだりでした。
    探偵・助手役が容疑者と恋愛…ミステリーに不要です。ナイフの件だけでも、アリスが好きになれなかった。

  • なんだか釈然としない。 マッチに血がついてなかったから、っていったって、木の葉かなんかでうまいことやったんじゃないか、とかその他もいろいろ考えられる気がするんだけど……。 「先輩はそうは言いますけど、実は真相はこうです」ともう一段上の推理が来るのかと思いきやそれもなく話が終わってしまった。 人を殺すほどの恋に早々落ちてたまるか、というのもあるけど、そこは重要じゃない?三人目の動機とかはやまり過ぎじゃない?それこそ月の魔力なのかもしれない。
    というか登場人物多すぎて覚え切れないぜ。

  • 自然の脅威と対峙しながらの犯人捜しは、殺伐とすることなく、けれども読み手を引き込んで離さない緊張感を保ちつつ、あれよあれよという間にラストへとたどり着く。

    主人公である有栖の青臭さ、対して先輩である江神さんの安定感、ふたりの個性が作品にさらなる深みを与えている。ラストもさわやか。

  • かなり衝撃的でした。滅茶苦茶面白いじゃないですか!
    元々前評判から期待はしていましたが、平成のクイーンが書いた「Yの悲劇'88」を楽しむのに本家を知らない訳にいかんだろう、と先んじて取り組んだのが悲劇四部作でした。
    で、その本家、シリーズラストに打ち震えたものの、全体的には好みでなかったので、ちょっと期待値を下げての本書だった訳です。
    本書の好みはラスト一発の展開でない点です。とにかく経過が楽しい! パニックに殺人、プロローグの一言も効いて、非常にドキドキしながら読めます。
    読者への挑戦に敗れたのは癪ですが(笑

  • 少なくとも3回目のはず・・・けど、また犯人をすっかり忘れていたので新作のように楽しめた。なんて便利なワタシのトリアタマ(笑)。
    作中の学生のノリが(88年に書かれたのに)なぜだか70年代テイストなのだけど、正真正銘の新本格。殺人の動機はイマイチだけど、読者への挑戦状なんてワクワクする。こういうのもっと書いてくれないかなぁ。(って学生アリスは長編5作の予定だから、未発表なのはあと1作か・・・。)

  • 学生・アリスの第1作 有栖川有栖は名前だけ知ってて、実際に読んだのは短編だけだった。 どうせなら最初から読みたいと思って本書を読み始めた。 旅先で出会った大学生同士で仲良く楽しんでいたと思ったら失踪、噴火、殺人事件 "密室"であるため誰にもアリバイを証明出来ず誰にも動機がない 自分でも推理してみるが、不確定要素が多く論理的に説明できない めぼしい容疑者は最後に否定されてしまって、もう完全にお手上げ状態 非常に楽しい時間を過ごさせてもらった 作品の古さも感じず、読みやすかったのでシリーズを読み進めていきたい

  • 数年くらい積読だった本。たしか「屍人荘の殺人」の今村昌弘さんの講演を聞いて買った一冊。古い作品のわりには(作者さんが似たような年代だから同じような時期に学生だったからか)思った以上にすらすら読めたし、謎解きも(一部笑)面白かった。しかし、難点は登場人物が学生ばかりの17人も。あだ名で呼び合うし、いったい誰が誰なのか、登場人物一覧表を紐解きながらの読書になった

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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