- Amazon.co.jp ・電子書籍 (334ページ)
感想・レビュー・書評
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パニック系本格ミステリ小説。極限状態で起こる連続殺人事件で、冒頭から引き込まれる構成になっている。トリックは非常に理路整然としていて納得のいくさすが本格ミステリといった内容。ただ、キャラが多くイマイチ個性と名前が結びつけずらかったことと、犯人が直感的に予想しやすい(トリックは全くわからないが)、犯人の動機がまぁまぁお粗末、といった残念な点がいくつか見受けられた。
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自然の脅威と対峙しながらの犯人捜しは、殺伐とすることなく、けれども読み手を引き込んで離さない緊張感を保ちつつ、あれよあれよという間にラストへとたどり着く。
主人公である有栖の青臭さ、対して先輩である江神さんの安定感、ふたりの個性が作品にさらなる深みを与えている。ラストもさわやか。 -
少なくとも3回目のはず・・・けど、また犯人をすっかり忘れていたので新作のように楽しめた。なんて便利なワタシのトリアタマ(笑)。
作中の学生のノリが(88年に書かれたのに)なぜだか70年代テイストなのだけど、正真正銘の新本格。殺人の動機はイマイチだけど、読者への挑戦状なんてワクワクする。こういうのもっと書いてくれないかなぁ。(って学生アリスは長編5作の予定だから、未発表なのはあと1作か・・・。) -
学生・アリスの第1作 有栖川有栖は名前だけ知ってて、実際に読んだのは短編だけだった。 どうせなら最初から読みたいと思って本書を読み始めた。 旅先で出会った大学生同士で仲良く楽しんでいたと思ったら失踪、噴火、殺人事件 "密室"であるため誰にもアリバイを証明出来ず誰にも動機がない 自分でも推理してみるが、不確定要素が多く論理的に説明できない めぼしい容疑者は最後に否定されてしまって、もう完全にお手上げ状態 非常に楽しい時間を過ごさせてもらった 作品の古さも感じず、読みやすかったのでシリーズを読み進めていきたい
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数年くらい積読だった本。たしか「屍人荘の殺人」の今村昌弘さんの講演を聞いて買った一冊。古い作品のわりには(作者さんが似たような年代だから同じような時期に学生だったからか)思った以上にすらすら読めたし、謎解きも(一部笑)面白かった。しかし、難点は登場人物が学生ばかりの17人も。あだ名で呼び合うし、いったい誰が誰なのか、登場人物一覧表を紐解きながらの読書になった