- Amazon.co.jp ・電子書籍 (298ページ)
感想・レビュー・書評
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久々に電書で再読。
シェリンガムが創設した犯罪研究会の人々が、毒入りチョコレートで人が亡くなった事件の解決に挑む。
それぞれが推理した結果を一晩ずつ順番に披露し、読者はそのたびに納得しそうになるが、次のメンバーの推理がそれをひっくり返していくという見事な多重解決ミステリの古典。ミステリの解決の恣意性についてこの時代に提示してみせたバークリーはやっぱりすごい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
推理が何度も覆されたり、推理を行う者の背景や視点によって推論が無限に変化するといった指摘など、いわばミステリの瑕に切り込む視点は面白いと思うが、最終的な結論にはガッカリした。最後に至ってもやはりそれは一面的な推論でしかなく、それがたまたま真実だったということを匂わせて終わるが、確証はない。結局最終的な解決は存在しないのだから、むしろこの作品はアンチミステリと言った方が正しいのではないか。証言や物的証拠も虚偽や偽造として覆されるので後期クイーン的問題をクイーンよりも見つけ出したという価値はあるのかもしれないが。
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シェリンガム長編5作目、チタウィック1作目▲毒物が仕込まれたチョコレートを試食した夫人が死亡した。迷宮入り寸前の難事件を一晩ずつ披露する「犯罪研究会」の推理は▼語りは会長シェリンガム視点、いつもの饒舌振りからの予想通りファシリテートもお上手。一癖も二癖もある会員たちが活き活きと、一喜一憂する感情の高ぶりや場の雰囲気も良く分かる。プロットが素晴らしく、発言の順番も良い、地の文も秀逸です。発刊順に読み、ユーモア小説から多重解決への進化や、ロジャー達のメンタルの捻くれ系ラノベ主人公との近似を感じた(1929年)
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名作と言われる作品なのかもしれないけれど、私にはまったく理解できなかった。