NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 NHKスペシャル [Kindle]

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  • 数学の未解決難問であるポアンカレ予測とサーストン予測を証明した天才数学者ペレリマン博士。
    100年に一度の快挙にも関わらず、フィールズ賞の受賞も拒否し世間から姿を消してしまった。その理由は最後までわからないままだが、新たな問題に今も関わり続けているのだとすると、近い将来、またその名前を聞くことになるのかも知れない。

  • ●あらすじ
    宇宙はどんな形をしているのか。近年、この謎に迫る数学の難問「ポアンカレ予想」が、ロシアの天才数学者、グリゴリ・ペレリマン博士によって証明された。ところが、博士は数学のノーベル賞と言われるフィールズ賞の受賞を拒否し、数学界からも姿を消したのである。世紀の難問はなぜ解けたのか。彼はなぜ失踪(しっそう)したのか。博士の行方を追いながら、世紀の難問に魅せられた数学者たちの100年間の闘いに迫る。
    (NHKアーカイブスより引用)


    NHKドキュメンタリーの内容を書籍化したもの?だと思います。かなり前に読んで、面白かったので再読しました。「ポアンカレ予想」を取り扱う手前、何度も登場する数学の権威達の難解な話を一般人にも分かるように語ってくれている。取り扱っているものの意味がわかれば、数学って本当に面白い!

    それからミレニアム懸賞問題を解いた天才数学者グリゴリ・ペレリマン博士の光と影。「この問題は我々を遥か遠くの世界に連れて行くだろう」というアンリ・ポアンカレの言葉通り、ポアンカレ予想に挑んで人生を大きく変えられてしまった人は少なくない。問題を解いたペレリマン博士もそんな一人だったんでしょうか。
    難解だけど、普遍で美しく、純粋な数学の世界。ほとんどそっち側にだけ住んでいるようなペレリマン博士がいつかこっちで話を聞かせてくれるといいですね。

  • ポアンカレ予想については、難解過ぎてほとんど理解できなかった。しかしあとがきにある通り、数学の面白さは充分に伝わった。
    面白くて一気に読んでしまった。素晴らしい。

  • ソ連崩壊後に米国に渡った人達の中には、『フラッシュ・ボーイズ』で描かれた高頻度取引に関する技術者になった人もいれば、ポアンカレ予想を解いた人もいたんだな、という感じです。
    数学的な事は例え話ばかりで、ポアンカレ予想を取り巻く人々のお話として面白かったです。

  • ポアンカレ予想と、それを解決したペレリマン博士を追ったNHKスペシャルの書籍版。

    全てを投げ打って研究をする数学者という人々が描かれている。特にそれの「特異点」とでも言うべきペレリマンがいったいどのようなことを考えていたのかといったことを、彼と親しかった同僚らが証言しているところは、我々が世紀の天才を理解するにはどうすればよいかといったことを投げかけている。

    難しいトポロジーの話が満載であるものの、非常に噛み砕いて書かれていて、幾何学に詳しくない人でも読み進められる良書。

  • 数学的な話はあまりなかった、というかわからなかった。

  • 天才数学者の光と影というほど、取材対象者の内面に迫ったような内容ではなかったが、ポアンカレ予想とは何か、ポアンカレの数学はどのようなものか、とその証明について、文系の人間にもわかったような気にさせる、わかりやすい説明をしている点でとてもありがたいしとても面白かった。
    前提を証明したアプローチが必ずしも本題を証明するアプローチではなかったり、ほかの学問から解決の糸口が見えてくるというところは、他の問題にも通じるところで、いろんな分野を学ぶことは大事だなと思った。

  • 一般人に理解し難いものほど魅力がある。それが何かの為になれば尚良し。

    兎にも角にも数学は知れば知るほどロマンに溢れている。それを伝えるには十分な内容の本。だけど、何で俺はもっと数学を勉強しちえこなかったのか・・・と、悔しくなる一冊。

  • 知りたい、わかりたいという欲は、人をそれまで誰も見たことのない未踏の地に連れて行ってくれるとともに、途中で道を踏み外してしまった人には狂気と絶望の闇が待っている。それでもそこに挑戦しようとする人がいる。禁断の果実はどこに落ちているかわからない。→「例えば登山家は、普通の人とは違い、山で命を落とすことを恐れません。数学も同じなのです。たとえ命と引き替えでも構わない、世の中の他のことなど、愛する数学に比べれば、取るに足らないものだ。数学の真の喜びを一度でも味わうと、それを忘れることはできなくなるのです」

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