縊死体 [Kindle]

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  • 2012年9月12日発売
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感想・レビュー・書評

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  • これ読んでて、「夢野久作は殺人現場を目撃したことがある」ってことを思い出しました。彼は川辺で弁当食べてる時、向こう岸で人が殴られて川に突き落とされたのを偶然にも目撃してしまったそう。しかし、次の日から新聞記事を探してみても、目撃した事件について触れているものは無い……久作はこの経験で人間の内に秘めた残虐性を恐れたそうです。この話で主人公が新聞記事をチェックしながら微笑む感じとか、この経験から着想を得たりして……

  • 同じ日の同じ夕刊なのに内容が違うこと、死体発見が新聞に載ったにもかかわらず縊死体が現場にあることから、新聞を拾ったあたりから男は現実と空想の区別がついていないと仮定する。そうするとその後の展開は、犯罪の後ろめたさから彼女に復讐される想像が広がった結果の空想かもしれない。
    しかし気になるのが、美しすぎて彼女を締め殺した際の「万一こうでもしなかったら、俺はキチガイになったかも知れないぞ……」というセリフ。彼女がこの日急に美しくなったわけでもあるまいし、以前から彼女を知っていたのであれば既にキチガイになっていたのでは。となると、締め殺したのも空想かも。
    というか男がそこまで空想に耽るような人物であれば、その娘と深い恋仲にあったというのも空想では?それ以前に、そもそもこの女性は存在していたのか?これも空想かも?
    今まで思い込みにより存在しない新聞記事を探し続けていた気の狂った男が、ついに現実に戻ってくる転換期を迎えた日なのかもしれない。

  • どれが誰の妄想なのか、現実なのか
    オチで非論理に突然放り出される夢野久作らしい作品

  • ミステリかと思って読んだけど、そうではなかったな。
    怖くはないけど、ホラーかな。
    いや、張本人にしたら、めちゃくちゃ怖いだろうけど。

  • 怪談話みたいな。怖い

  • 何通りも考えられるオチは苦手

    #読了

  • びっくりした。構えて読んでいたけれども、まさかそうとは!

  • ゾッとしたどころの話じゃないよおおお一人の時に読むんじゃなかった…怖…

  • 凄く短いです。

    振袖姿で現れた恋人に気持ちの高ぶりすぎた男は、思わず首を絞めて殺してしまう。

    それから何日も公園で新聞を読み、事件の記事がないか確認していたが、いつまで経っても記事には載らない。そして、捨て置かれた新聞にいよいよ記事が載っていることに気づいた男は犯行現場の小屋を訪れる。

    そこで見たものは、自分の縊死体だった。

    響きわたる女の笑い声。
    短いけれど、ゾッとする話。

  • 昭和の怪談、といった趣き。どこからが狂気なのか。

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著者プロフィール

1889年福岡県に生まれ。1926年、雑誌『新青年』の懸賞小説に入選。九州を根拠に作品を発表する。「押絵の奇跡」が江戸川乱歩に激賞される。代表作「ドグラ・マグラ」「溢死体」「少女地獄」

「2018年 『あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治『人間失格』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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