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感想・レビュー・書評
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桜桃忌に向かう電車の中で読みました。(再読)
ある姉妹の、苦くて美しい思い出。
何が真実なのか……読了後の不思議な感覚がクセになる作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
TLで流れてきて気になったので青空文庫を早速DL。
太宰を読めるほど自分も大人になったんだなあと。
むかしは彼の良さを理解できる感性と知性が足りなかった。
なんて切なくて、なんて狂おしい。
そして愛おしいんだろう。
こんなにまっすぐな愛情を描ける人だったんだ。
知らなかったことを口惜しくも思うし、これから知っていけることを幸せだとも思う。
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太宰治らしい(と思う)、品があるおっとりした登場人物。
美しく病弱な妹と、優しい姉。
当時の女性の意識は分からないけれど、一八歳の深窓の娘さんが、男性に抱かれたいなんて思うだろうか。自分で自分に手紙を書くのは乙女らしさが感じられるけれど、貞操観念についてはやや疑問を感じた。
もしそうだったとしたら、これはとても切ない物語だ。触れられたいと思うような異性にも出会うことなく、美しい体を美しい年代に失い、甘美な想いを感じることなくこの世を去る。
魔笛は優しい魔法にも感じられるけれど、空想上の異性が吹く口笛は、少しでも姉妹の救いになったのかな。 -
こんなに短いのに、スコンと足元すくわれるような驚きがあって、え、もう一度読み返さなくちゃと思わされる。
クラフト・エヴィング商會のおすすめ。 -
意外や意外、純粋な物語だった。「正義と微笑」の姉妹版みたい。
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これほど短い文章の中に病床の妹の悲哀や後悔、姉妹のお互いを思いやる心、そしてラストに含みを持たせる魔笛のミステリーなどを盛り込んだ太宰治はやはり天才。
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とても短いのですぐ読み終わる。光景が全部目に浮かんでくる気がしました。妹の本心は本当に切なく,最後の魔笛の正体でぐっときました。
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時代や世間の目に捕らわれて、女として自由に生きられなかった姉妹。最後に聞こえた口笛は、妹の願いが起こした奇跡なのか、厳格な父親が見せた優しさなのか。
明治三十八年頃が舞台となっている物語ですが、妹の願いは、現代の女性にも通ずるものがあると思います。ここまで丁寧に、いやらしく女が描けるのは、さすが太宰治というところでしょうか。 -
暖かい。暖かすぎる。泣いた。
※耳読書