- Amazon.co.jp ・電子書籍 (265ページ)
感想・レビュー・書評
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濃かった… ガチジャンキーじゃないと書けない感がひしひしと伝わってきた
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デイビッドリンデンの快感回路を読んでいて、ドラッグを摂取した脳で何が起こっているかを詳しく知った。
脳のシステムをハックして快感回路に直接作用するとなると、意志の力で依存症から逃れることは難しい。
ドラッグ依存症になった人の体験が読みたくなり本書を読んだ。
悪いことへのあこがれ、かっこいいとする空気感に90年代の時代性を感じる。
ドラッグでどこまでも狂った先に、世界の真実や新しい自分などを見ようとしている。
2020年代の今、こういった精神世界への憧れのようなものは、かなり駆逐されているように思う。
自分が歳を取って、悪いことへ憧れる若者向けな言説をバカバカしいと見ていないだけなのかは正直わからない。
youtubeでフィラデルフィアのドラッグ中毒者がたむろする地区の車載動画があって、一時期話題になった。
drug streetで検索すれば出てくる。
昼間から無数の男女が路上で頭を下に向けてたむろする様子は、不気味そのものだ。
90年代、アングラ書籍など断片的な情報しかなく、ドラッグに特別な世界観なりかっこよさを見る風潮があったと思う。
しかし今、実際の惨めなドラッグ中毒者をすぐに見られる世の中で、特別な何かを見出すのは難しいように思う。 -
自分では絶対に出来ない経験、したくない経験と知識。読書の神髄はここにある。そういう意味で非常に価値の高い本だ。書き物の才能のないジャンキーをわざわざ机に押し付けたわけじゃなくて、初めから文の才能のある作者にジャンキーになって頂いたことでセンスのある文章に痺れることもできる。取材者がいつの間にか取材対象に、なんてのも読み物としても非常に優れた構造であることだし。
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倫理的問題は抜きにして凄い。薬物による恍惚感と後に訪れる禁断症状。何となくハッとさせられるセリフがあったりして面白い。