nyanchyuさんの感想
2021年4月19日
ドジな侍の話かと思ったがさにあらず。現代社会に縮図だな。出世街道をゆっくりと登っていた拝郷鏡三郎だが、上司三枝能登守の依頼で、更にその上の老中水野出羽守の対立する老中の悪事を暴いてしまった。老中間の駆け引きで蜥蜴の尻尾切にあい、出世街道から大きく外れてしまったと。それなのに、類まれなるトラブル解決能力を水野・三枝から頼られ、事件解決をいらいされてしまう。
佐藤 雅美(さとう・まさよし) 1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。 「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」