金田一耕助ファイル12 悪魔の手毬唄<金田一耕助ファイル> (角川文庫) [Kindle]
- KADOKAWA (2001年12月14日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (446ページ)
感想・レビュー・書評
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横溝先生の作品は実はこれが初めてになる。
ミステリーというか、ホラーというか、兎に角怖いイメージがあった為、今まで手に取る勇気が無かったのだが、気になるフーダニットはほとんど読み終わってしまった為、古典的なものに手を出すしかなくなってきた(笑)
金田一耕助は1ヶ月ほど静養出来る辺鄙な田舎を探しており、岡山県警に磯川警部を訪ねる。
そこで磯川警備から岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村を紹介される。
鬼首村では、23年前、亀の湯の女主人、青池リカの夫である青池源治郎が殺害される事件があった。
しかしその犯人はまだ逮捕されていなかった。
金田一がその地に赴いた後、この地に昔から伝わる手毬唄通りの奇怪な事件が起こる。
数え唄の歌詞通りに人が死んでいく。
金田一はこの難問に立ち向かう。
いやぁ、何で今まで読んでこなかったんだろう。
文章もイイ!世界観もイイ!ストーリーもイイ!
全く自分好みじゃないか!!
横溝先生の作品は幸運なことにまだこれが初めてだ!
これからまだまだたくさんの作品を読むことが出来る。
幸せだぁ~(*´▽`*)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
唄に見立てて殺人が行われる、というのがおもしろい。
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杉本画伯の表紙絵と共に、事件の発生順に辿る金田一シリーズ。設定年代が昭和30年代にはいりました。
もともとトリックの巧妙さに心を動かされる方ではないので、あんまり凝りすぎたトリックはゲンナリしてしまいます。今回もたくさんあるのですが、犯人が仕掛けを作ってということは少ないためなかなか唸らされます。また、あえて獄門島で描かれた唄に仕掛けられた犯人のメッセージを解くという体裁を再度取り上げているだけに、さらに進化しているのですが、それだけでなく、岡山弁?でかたられる因襲や山あいの村の生活などが活き活きとえがかれていてとても魅力的な作品になっています。
陰惨な事件の現場でも笑いの出る金田一の精神の異常さも相変わらずで、やっぱり奇妙なひとです。お盆の時にもう一回読みたい。傑作。 -
金田一少年は愛読していたが金田一耕助は一切触れたことがなく、当作が初の取り組みとなった。契機は有名なドラマ「TRICK」新作スペシャル2をアマゾンプライムで視聴した後、それが当作のオマージュだと知ったことに由る。
金田一少年で頻出した「見立て殺人」の祖を見る気持ちになるかと思いきや、寒村の御三家が気楽な性豪の尻拭いをさせられている様子をぼんやり眺めるだけの体験となった。TRICKによってネタバレを受けている状態だったことも関わっているのだろうが、見立て殺人固有の怪奇感はあまり当作から伝わってこない。村の者はみな事件の装飾を意味不明な悪戯としてほとんどまともに取り上げず、謎解きをしようともせず、ただ連続殺人への厭悪感のみが募っている。それで十分雰囲気はあるのだが、次代の作の方が「見立て殺人」自体の妙味について、どんどん洗練されたものにしていると思われた。
さておき寒村連中のてんてこ舞いは、なぜか見ていてなかなか癒される。気持ちのいい令和ひと夏の読書となった。 -
■お茶の間の人気者、”グラマーガール”こと大空ゆかりが鬼首村に帰ってくる! しかも盆踊り会場ではナマ歌を披露してくれるとの情報が! 村始まって以来のこの一大イベントに、ふだん静かな寒村は上を下への大騒ぎだ!!
時を同じくして、庄屋さんの元妻おりんも復縁のため仙人峠を越えて鬼首村へ入ったとの目撃談が。……いや待て、確かこのおりんさん、今年の春に神戸で亡くなったと聞いているのだが……。
■古い手毬唄を見立てに使った連続美女殺人事件。一体誰が何のためにこんなことを? ……それはさておき、そもそもの悲劇の発端は23年前、精力絶倫のひとりのドスケベが頑張って、村の女たちを妊娠させまくったことにあったのだ!(……って、トホホ。)
■やっぱり金田一モノはその雰囲気が最高。年は1955年。舞台は岡山と兵庫の県境の寒村。没落する名家、ぶどう作りが当たって勢いに乗る旧家、厳格なのかおおらかなのかわからない田舎の性生活、このころ活動映画は弁士の時代からトーキーへの移行期間で……。ところで日本最初の字幕映画は『モロッコ』だったそうだ。 -
家にある文庫の奥付を見ると平成4年だから、映画を見直してまた読み直そうと思って買ったのだろう。実に30年ぶりの原作ということだが、今回も映画を見てからの再読である。人間、20代でも50代でもやることは変わらんのである。
というわけで映画はその間も何度か見ているのだが、岸恵子はやはりうまい女優さんなのだ。ふとした表情や仕草で、「あ、犯人だからその演技か」ということがわかる。たぶん初めてこの映画を見たときはわからない「仕掛け」だろう。
こういう映画はそういう楽しみもある。
本のレビューなのに映画の話になってしまう、というのは、映画が実によくできていたからだ。大根演技の北公次さんさえ許されちゃうほどの演技陣の演技力。
で、原作だが、最後は「おいおい、みんなここで笑うかよ」と思ってしまう強引な大団円的会話で、これまでの雰囲気が台無し。ラストは映画の味わいのほうに軍配が上がる。 -
昭和30年の金田一探偵▼岡山と兵庫の県境、山間の鬼首村で「死体が異様な構図をとらされた殺人」が発生。村に昔から伝わる手毬唄の歌詞どおりに▲プロローグの「鬼首村手毬唄考」は読者サービスか?いつものように磯川警部に嵌められる金田一に苦笑い。唄に至るに必ずおこる邪魔がお約束、殺人防御率が下がる因?人間関係が複雑だが家系図を把握するとグッと読ませます。映像化作品は未見でしたがビジュアル映えしそう、これで解禁、是非見てみよう♪警部のお年を召した感が強かったのは、ラストそうつながるからか!?想定外でした(1957年)
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映画は観ていたけど、原作は未読でした。
改めて読んでみて映画も小説もそれぞれに良さがあると思いました。
その他のシリーズも読んでみたいです。 -
❌
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リアリティは無い。が物語としては良く出来ている。映画映えする話。