失はれる物語 (角川文庫) [Kindle]

著者 : 乙一

• KADOKAWA (2012年6月25日発売)

感想・レビュー・書評

[なおなおさんの感想 · 2023年2月21日]

ブク友の土瓶さんにご紹介いただきました。
これが白乙一と言われる作風なのだろうか。
それぞれ何かを「失う」話で、静かにため息をつき本を閉じる…という読後感。すべて良かった。
また本書を含め、乙一小説にはいくつか「手」や「指」を物語る作品がある。時にはグロテスクだったり、また時には切なく描かれたり、その表現力に脱帽。

特に良かった話と、話のポイント
【Calling You】←妄想好きにオススメ！
携帯電話を持たない私が想像で電話をしていたら本当に繋がるようになり、その相手と会う約束をする
【失はれる物語】
事故で五感を奪われた私に残ったのは右腕の皮膚感覚。そこに伝わる妻の想い
【しあわせは子猫のかたち】
引っ越した家に、先住者の幽霊と子猫がいた
【ボクの賢いパンツくん】←長崎訓子さんが描いた絵本を読むのもオススメ！
【マリアの指】
自殺か他殺か？拾った指先が語ることは？
【ウソカノ】←妄想好きにオススメ！
妄想で出会った彼女との交際と別れ　　以上

[あゆみりんさん · 2023/02/21]

えぇ〜٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
本屋さん行かなきゃっ、モールの中の本屋さんなら立ち読みしても大丈夫な雰囲気だし(〃ω〃)
そういえば、図書館の順番回ってくるのは嬉しいけど、一度に数冊きちゃうと慌てますね、みんな一度にかぁーっΣ（ﾟдﾟlll）って。

[土瓶さん · 2023/02/21]

なおなおさん、こんばんは～＾＾
いいですよね、これ！
もう、なおなおさんも立派な乙一上級者（？）ですね。
ドンドン行って追い越して行っちゃってください。
山白朝子名義もいいですよ(*'▽')

[なおなおさん · 2023/02/21]

土瓶さん、何をおっしゃいますか〜！ついていくのみですε”ε”ε”(ﾉ*･д･)ﾉﾏﾃ-
山白朝子さんですね。どなたかのコメント欄でで盛り上がっていましたよね。
課題図書、承知しました(｀･ω･´)ゞ

あゆみりんさん、予約本って来るときはいっぺんに来るって"あるある"ですよね〜(;>_<;)

[温泉たまごさんの感想 · 2022年5月1日]

2022-12【Kindle Unlimited】

昔、文庫で購入していたけれどだいぶ内容も忘れていたので再読。短編集で切ない話が多めで、苦しさというか苦さもあり、でも引き込まれてしまう不思議な魅力がある。

『傷』と『しあわせは子猫のかたち』がすきです。
傷は、どれだけ理不尽なことがあっても、自分たちが不幸を避けられなかったとしても、痛みは分け合うことができるし、それができる存在がいるってことがどれだけ尊くてかけがえのないものなのか…痛みを感じる話だけれど、爽やかな風が胸を通っていくような読み終わりでした。

特殊な設定が多いので人を選ぶかもしれませんが、しっとりとした雨が降る日に読むのがオススメかな…と個人的に思います。

[とおさんの感想 · 2022年5月27日]

記憶に残る｡人に話したくなる。泥棒も指も。短編もいいですね。

[めぐさんの感想 · 2023年2月18日]

評判が良いので気になっていたところ、ちょうどkindle unlimitedの対象になっていた。
前情報を入れずに読んだところ、鬱々とした話で驚いた。タイトルから察すればそうではあるのだが、1話目のCalling Youがそんな雰囲気ではなかったので、いきなり来た急展開に度肝を抜かれた。
一番ショッキングだったのは失はれる物語。これを読んで、この先の話を読み進めるのか迷ったほど苦しい話だった。気分が落ち込んでいるときはあまり読まないほうが良いと個人的に思う。ただ、一方で自分が苦しみを感じているときに他の人も苦しんでいると、人に優しくしたいという思いも込み上げてくるので、気分が沈みすぎていないときに読むのをおすすめしたい。

[ひので寿さんの感想 · 2013年10月27日]

表題作の「失はれる物語」は涙が出そうになりました。
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■ Calling You
■ 失はれる物語
■ 傷
■ 手を握る泥棒の物語
■ しあわせは子猫のかたち
■ ボクの賢いパンツくん
■ マリアの指
■ あとがきにかえて--書き下ろし小説 ウソカノ

[りゅーれんさんの感想 · 2023年2月15日]

失はれる短編集。ちょっともやもや。

・Calling You
携帯電話を脳内に作ってしまい、しかもそれで他人と電話してしまった。この状況を教えてくれたお姉さんは実は未来の自分。そして男の子は札幌からやってくるが再会直前に事故で死ぬ。
結構いい話。面白かった。

・失はれる物語
事故で右腕の感覚以外の五感全てを失った父親の話。
人差し指の上げ下げだけで意思疎通したり、妻を自由にしようと死んだふりをしたり、設定は良かったが落ちなかった。

・傷
傷を他人から自分または他人へ転送できる少年の話。
主人公のいじめっ子の父親に傷をなすりつけていたはずが、転送くんがずっと保持してた。最後は過負荷で自殺しようとするも説得して主人公と転送くんで痛み分け

・手を握る泥棒の物語
時計デザイナーの主人公は伯母の足として旅館に行く。伯母が超大金を旅館のロッカーに預けるのを見る。
新作時計を世に出すには金が必要となり、旅館の外壁に穴を開けて大金を泥棒する。が、開ける部屋を一つ隣で開けてしまい、そこにいた女優と手を掴み合う。しかも、この世に一つしかない試作品の腕時計を現場に落としてしまう。
女優がその時計を使い、一躍ヒット。握手会で意味深な目配せで終わり。
どんでんあるかなーと思ってたけど、スッと終わった。

・しあわせは子猫の形
女写真家が殺された一軒家で暮らすことになった根暗な主人公。案の定、女写真家の幽霊がいそうで怪奇現象が発生する。が、そのコミュニケーションも心地よい。
近くの池で自殺があり、偶然その証拠になる写真を撮ってしまい、犯人に殺されてた。犯人は主人公の友達となった男だった。
子猫のこと書き忘れた。彼女が飼ってたけど、終盤で死んだけど、その猫も透明な幽霊になった

・僕の賢いパンツくん
めちゃ短い短編。小学生男児のパンツが喋り出して頭も良かったが、中学生になるので母親に捨てられてパンツくんも達者でなーって感じで終わり

・マリアの指
高架橋で電車に跳ねられて死んだ女子大生。は、姉の友達。なぜかその女子大生の指だけ猫が運んでくる。
殺されたのか自殺かを探る弟。犯人は姉。

[jamin55jpさんの感想 · 2023年2月9日]

それぞれ面白かった。

[usay0613さんの感想 · 2018年7月23日]

視点は面白い

[kazurinasayさん · 2018/07/25]

読んだ！！

[kodokushiさんの感想 · 2013年6月28日]

読後の虚無感と喪失感が心地よい

[momoさんの感想 · 2024年3月2日]

サスペンス要素ありの短編集。
最後の「マリアの指」は中編小説くらい。

結構読み応えがあった。

「傷」は究極の贈与なのだろうか。相手の傷を自分を犠牲にすることで癒して得る感情は満足感ではなく、安堵？

マリアはどう言う基準で恋人に心を開いたのだろうか。俗にあるモテ女が自分にチヤホヤしてくれない人に心を動かすと言うような話ではない気がする。

著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」