- Amazon.co.jp ・電子書籍 (479ページ)
感想・レビュー・書評
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翠国王・穭と薫衣は憎みあう一族の長。
海の向こうにある大国から国を守るために、国を富ますために手を結ぼうと穭は薫衣に告げる。
二人は国のために一族の憎しみを抑えることができるのか?
読んでて辛い気分になること多数。
読後感もなんともいえない苦さと爽やかさが混じったマーブルな気分になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
終わってしまうのが惜しくて、だけども先を知りたくて、幸福なヤマアラシな時間だった。
なんと素晴らしいふたりだろう、鳳穐の穭と旺厦の薰衣。「なすべきことをなす」が、物凄い。「小事に目を奪われてはならない」の信念が、心構えが気持ちよく、そして歯がゆい。「困難と不可能を見分けよ」と。もう見なかったことにしてあげたい。コインロッカーにボブ・ディラン。鼻水垂らしながら読みました。
ちなみに、、、
穭が漢字変換できずに調べたら、『広辞苑』に「刈り取った後に再生する稲」とあるそうだ。
薰衣では、ラベンダーの写真が出てきた。中国語ではそういうのかもしれない。 -
憎み合う二つの氏族をひとつにと最初に言い出したヒヅチこそが一番えらいと思うなー。私は彼が一番好きだ。妹の稲積(ニオ)も。(スマホからヒヅチの漢字を入れるのが面倒で……)
薫衣(クノエ)の最後のアレにはあまり納得できなかったけど、おおむね物語には満足した。
世界観は、外寇の場面もあるから、なんとなく中世日本ぽいイメージで読んだ。漢字の固有名詞に音訓が交ざるから、中華風ではないのかなと思った。
個人的な好みだけど、この世界観にそぐわないカタカナ語の使用がかなり目に障った。
たとえば「リズミカル」とか「チョーカー」(ルビ)とか、どうにか他の表現を選べなかったものだろうかと思う。