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感想・レビュー・書評
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紫式部による長編物語『源氏物語』に登場する14人の女たちを、従来の見解とは違う面からスポットをあて、著者なりに解析しています。
例えば、
・主人公 光源氏の母である桐壷の更衣は「案外芯の強い野心家の女」
・源氏の初恋の女性の藤壺は「か弱いだけの女じゃないマザコン男に好かれる女」
・幼い頃に源氏が強引に引き取り、理想の女性に育てようとした紫の上(若紫)は「源氏のロリコン心に火をつけたいたいけな幼女」と、目次タイトルからして興味をそそられる。
源氏が女性たちを口説くときの手口はありえないでしょうというもので、今の時代だったら警察のお世話になっているはず。
和泉式部がモデルなのではないかという恋愛体質女の朧月夜を、源氏は袖をつかみ軽々と抱き上げ部屋へ連れ込む際、怯えた彼女に「わたしは何をされても許されるのですから、人をお呼びになっても無駄ですよ。」(P117)と言う。
他には、夕顔の忘れ形見の玉鬘に恋してしまった源氏は養父の立場であるにもかかわらずアタックをくりかえす。
「親子としての愛情にさらに恋心も添うのですから、この世の類もない愛情だと思うのだが。」と、突然衣服を脱ぎ捨て玉鬘のそばに添い寝をはじめてしまう(P164)というように、キモいことをされても当時の女性は柔順でかわいらしく源氏に従ってしまう。
今では、そんな女性は皆無で、どん引いてしまうところだが、千年以上前の日本の女流作家の官能的な作品は、時代が違えども別格な存在なのだなぁと、登場する女性たちを観察してみて納得してしまうのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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