鼻 (角川ホラー文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • まるで「世にも奇妙な物語」みたいだ。

    「暴落」「受難」「鼻」ともに皮膚の下がムズムズするような心地悪さを感じるホラーだ。

    オールバッドエンディング!

    「鼻」は文章の構成が面白い。
    「俺」と「私」の二人称で物語が進んでいくが、初めはサッパリリンクせずに、突然繋がった時の衝撃!
    まさかの「私」の現状。
    短編ならではのスピード感でした。

  • こういうのを叙情小説と言うらしい。オムニバスで三作入り。1作目の「暴落」は会社、法人ではなく、個人に株価があってそれによって人生が左右されるもの。なさそうでありそうでって感じで。でも実数がないだけで、今の世の中も同じようなもんだよな、、とも思う。
    表題作の「鼻」は2度読みたくなったもやもやw

  • 「暴落」
    個人がそれぞれの“株価”を持ち、その高低でのみ評価される暗黒社会。エリート社員の主人公はとあることから株価が下がりだし、不運が重なって社会の底辺まで身を持ち崩す。そんな彼に救いの手を差し出す者も現れるのだが・・・。ぶっとんだ設定のディストピア小説。

    「受難」
    人通りのない街の一角で手錠でつながれたまま目を覚ました主人公。状況を把握できないまま飲まず食わずで死を覚悟する中、そんな主人公を偶然発見した不思議ちゃん系OL、主人公を手錠でつないで放置したチンピラ、とんちんかんな自殺志願者の三人だけが主人公の前にちょくちょく顔を出す・・・だけ。彼らは何の役にも立たない。自分はどうしてこうなったのか、自分はこれからどうなるのか。社会風刺が効いたシテュエーションスリラー。

    「鼻」
    人間界では鼻の低い"ブタ"が鼻の高い"テング"を虐げ続けている。主人公の"ブタ"の医師はとある"テング"母娘に思いを掛け、危険を覚悟のうえ救いの手を伸ばそうとする。一方、頭のいかれた悪徳警官が連続ロリコン殺人犯を追い詰めようとするのだが・・・。

    三作とも人間に対するハンパない憎悪が物語の原動力となってストーリーとアイデアを力強く引っ張ってくる。う~む、実にアッパレ。
    また技法がみっつとも違っておりこの点も素晴らしい。お気に入りの作家がまたひとり増えてしまった。

  • 読む前に、みんなの感想を読んでしまって期待しすぎてしまったみたい。
    すっごいグロテスクな話かと思ったけど、そうでもなかったな~。
    そうそう。『世にも奇妙な物語』って感じがすごくする。

    『受難』はイマイチ話が単調でつまらなかった。。。。
    ホラー大賞の『鼻』は、二つ設定がころころ変わって、イマイチ話に入り込めなかった。 。。二つの話が一つに繋がったときは「なるほどね~。」とは思ったけど。
    3つの短編で一番気に入ったのは『暴落』だった。これは怖いね~。話の設定が変わってて、最後の締めはゾゾッーときた。

  • 久々に再読♪ ミステリーより、もっとこういうホラー小説を読みたい。

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著者プロフィール

1967年、静岡県生まれ。早稲田大学商学部中退。漫画喫茶の店長などを経て執筆活動を開始。2007年「鼻」で日本ホラー小説大賞短編賞、同年『沈底魚』で江戸川乱歩賞を受賞。09年「熱帯夜」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2011年『藁にもすがる獣たち』で第2回山田風太郎賞の最終候補作となる。トリックの効いた異色の作風で注目されている。

「2017年 『暗殺競売』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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