- Amazon.co.jp ・電子書籍 (181ページ)
感想・レビュー・書評
-
あまり怖さは感じられませんでした。
むしろ、悲しみかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ぼっけえ、きょうてえ(岡山弁でとても怖いの意味)。いやー面白い。素晴らしい。色欲にまつわる人間の業の深さは恐ろしく、先が読めない面白さもある。耳慣れない岡山弁で語られる100年くらい前の残酷譚にはどこか異国情緒も漂っていて、千夜一夜物語の趣すら感じた。
どっちかといえば、誰かが死ぬの化けるのよりも民俗学的な情報がきょうてぇかったかもしれない。これがあるおかげで怖さが天井突破していた。
山岸凉子の作品にもあったが、間引きの話は本物だけに、どんなホラー映画よりも怖くてしんどい。本物の怨念みたいなものを感じてしまう。子育て支援が議論の俎上にあがるだけ社会がどれだけ進んでいたか思い知らされる。あと「子潰し婆さん」でデヴィッド・リンチ『イレイザー・ヘッド』の謎めいたMV「In Heaven Everything is Fine」のおたふくも思い出した。
生むのも女、潰すのも女、それで蔑まれるのも女という地獄。子どもは女だけで作るもんじゃないのに、当たり前のように何もかも背負わされている。これ自体が1番ぼっけえきょうてえ歴史的事実だなとも思った。サドの意地悪女ですら、宿った子が男と知っていたなら堕ろさなかったのに、と狂ってしまうところに、女に生まれた刑罰のような悲しさがあった。
怖い怖いだけでなく、人身売買もなく当たり前のように美味しい白米や新鮮な野菜や魚や肉を太るほど食べられる生活に心底感謝し、白米をもっと食べようと思う本だった。 -
明治中期の岡山地方の貧しい山村、漁村、女郎屋を舞台に、人々の恐怖・狂気を描いたホラー短編集。
人面瘡を持つ女郎の怖い昔語り「ぼっけえ、きょうてえ」、似非祈禱師の娘の色香に眩惑された虎列刺(コレラ)密告函管理者の恐怖「密告函」、引き潮時に現れる洞窟 を巡る海女/尼伝説「あまぞわい」、牛頭人身の魔物件(くだん)と村八分の兄妹を巡る恐怖「依って件の如し」の4篇収録。
なお、「ぼっけえ、きょうてえ」は、岡山地方の方言で「とても、怖い」という意味。
明治期の因習姑息な田舎の人々の暗さ、恐怖・狂気などが、独特の雰囲気を醸し出している作品だった。 -
いろいろと、ええ〜〜〜きょうてえ
-
岩井志麻子の代表作で、岡山を舞台にしたホラー短編集。
怖い小説と調べると、この『ぼっけえ、きょうてえ』はまっ先に上がってくるくらいにホラー小説界隈では有名な本。
表紙の気味の悪さもあってか本棚には見えるように置いておきたくない笑
内容はと言うと、ホラーというよりかは日本の土着的、民俗学的な要素が強い”怪談”と言ったほうがいいかもしれない。
ホラー小説的な展開や構造ではなくて、巷で噂になっている怖い話、代々語り継がれている怪談のような、そんな印象を受けた。
それもあって怖いという印象はあまり受けなくて、寂しさや切ないという感情のほうが強くきた。それと人間の業の深さとえげつなさ。
岡山という地方にびったりとこびりついて剥がれそうにない恐怖が感じられて面白かった。 -
今読んでみると割とオチが想像ついてしまうのとホラーというよりは世にも奇妙な物語のような不気味さの方が大きかった
-
お腹が痛くなる小説だった。何度も読み返す気持ちになれないと思ったのに、何回も読み返して、その都度お腹が痛くなってる
-
四篇の短編集。表題作が逸脱。これぞ怪談。
どれもゾワっと来て良かったけども、
依って件の如しが、子どもがかわいそうでしっかり読めなかったのかつまりどういうことだったのか。
どの話も人間のずるくて正しく生きれない描写がなんとも言えない。
怖いけども、
自分がどれだけ環境に恵まれて生きてるのかと身につまされた。
人間の業ではあるけども、社会性には考えさられる。
津山はあの津山かな。
Kindle Unlimited -
(kindle unlimited利用)
妖異の類らしきものも出てくるが、むしろ「恐てえ」のは人間の業という四作品を収める。岡山弁をちりばめたジットリとしたホラー。 -
ホラー小説のランキングでいつも上位のため、満を持して読むことにしました。期待が高くなっていたせいか、短編小説の出だしがどれも似たような感じや、話の中身は違うはずなのに、共通した時代背景に飽きがきてしまいました。最後まで読む気力もなくなり、くだんの話の途中でやめました。