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感想・レビュー・書評
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短い小説。5分あれば読めるが難解である。
例えば死について。避けられないと怖れ、はたまた死の訪れがもたらす安堵に一喜一憂する思考かな。うまく感想を表現できずに歯がゆいが、表現力、文体において素晴らしい小説だと思う。
表裏、明暗、長短、善悪、上下、貧富、生死。
光があるところには影がある。美しさがあれば、その逆も存在することを知る。
桜がこんなにも美しすぎることに不安になった。美しさに対して、辻褄合わせが必要だ。桜の樹の下には死体が埋まっている!妄想ではあるが『俺』はついに納得する。
内容が哲学的すぎてしばし思考停止(汗)
時に不安は妄想を掻き立て、行き付く答えに美化され、自分の中で辻褄を合わせる。人は不安を狂気にも似た解釈で自己解決しているのかもしれない。
それは誰もが無意識にやっている。狂わず生きる術は、独自の狂った思考によって世の中と均衡を保っている。
影があれば、光がある。生まれれば、死ぬ。
価値観の違いこそあれ、世の中と自分で、狂気の思考を
挟んで食べる。咀嚼すれば味わい深い。
そして何事も、納得できれば落ち着くものだ。
納得しなければ狂ってしまうのだから。
読了。 -
桜の樹の下には屍体が埋まっている。
あたりの空気をも神秘的に包み込み、
生の光満ち溢れる美しい桜。
恐ろしい程美しい世界の下には…。
桜の花と桜の根は
生と死を繋ぐ大いなる境目。
美しい桜もやがて散り、朽ち果て、
新しい養分となる死を迎える。
生を終えた死の発するかつての生の養分。
生の恐怖、死の甘やかさ。
生の残酷、死の優しさ。
生なしに死はなく、死のない生もなく。
桜の美しさの中反転する世界に惑いながら
死は根より吸い上げられ、生へと還元し、
夢のように鮮やかに甦る。 -
桜ってなんでちょっともの恐ろしいのかな。「桜の森の満開の下」もそうだけど。
キレイさの中に垣間見える恐ろしさが、また人を惹きつけるのかもしれない。
「桜の樹の下には死体が眠っている」というのは、この本が元ネタだったとは知らなかった。 -
「桜の木の下には死体が埋まっている」の元ネタ。
こんなに短い話だったのか、という驚きがありました。
あと、坂口安吾と勘違いしていました。
一行目のキラーフレーズで全て掴んでいく、それがいかに凄いことか…。
『檸檬』もそうですが、強烈な情景を文章で作り上げる力に感動します。 -
負のエネルギーがあるからこそ、桜は美しく咲くのか。自分が落ちてる時に眩しく感じるインスタを見たときはそう思うかもしれない笑(嫌なやつ)メンタルやられてる時に読むと共感できそう。
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桜の木の下には死体が埋まっている。このフレーズは知っていたが、作者は坂口安吾だと勘違いしていた。坂口安吾の本は「桜の森の満開の下」だった。
桜の木の下には、は短い物だが、一文一文が印象に残り、情景が目に浮かぶ。 -
桜の樹の下には屍体が埋まっている!ショッキングなタイトルや冒頭に驚かされますが、つまり世の中はバランスを保ちつつ成り立っているんですよね。その一端だけを見せつけられると、しかもそれが美しければ美しいだけ、自分の心がアンバランスになる...わかる気がします。心のバランスを取るために、様々なものを産み出すんですね。何か社会の縮図を表現したような壮大なものを感じました。
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桜にさらわれる少年の短編を書きたくて、参考になる文学がないかと探していた時に出会ったもの。梶井基次郎の文体が好きです。
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犬が死んだらなんとなく木の下に埋めたくなる、みたいなのはある。ような気がする。目印何だろうか。それとも木の養分補給を考えているのか。そんなわけないか。
多分木の下に死んだ何かを埋めるってのは、少なくとも日本人には割と昔から思ってたんだよね。だから本能的にあそこやべーって思うところがあって、そう言われてみると、古木を見るたびにそれを意識して、そればっかり気になってもう夜も眠れなくなる。みたいなのを想像してドキドキする。
いや、言うほどドキドキしてないけど。歳は取りたくないな。