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感想・レビュー・書評
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古典ミステリだから、ミステリの大元だから、と言った視点で楽しめる…
ただこれを読んで思うことは、まだるっこしい!
これに尽きてしまう。
特にこの部分…
いま『正しい推定』と言ったが、これでは僕の言いたいところは十分に言いあらわせない。僕は、その推定は唯一の正しい推定であるということ、また、その手がかりはそのただ一つの結果としてそれから必ず起ってくるものであるということ、を言いたかったのだ。だが、その手がかりというのがどんなものかは、今すぐは言わないでおこう。
ここまで言った挙句、言わない…?
これでも長尺台詞のほんの一部なのに…?
突っ込まずにいられない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっと聞いていただけるかしら(誰) 小学生の頃、子供向けにリライトされたものを読んでいた時のこと。途中で何気なく裏表紙を見るとそこには犯人のイラストが •••。もう腹立って床に叩きつけたいけど図書館の本だからそれも出来ず、予期せぬ形でネタバレくらってやり場の無い大変なショックを受けた、ある意味思い出の本 なのです。今なら別にそんなの笑って許せるが、子供の楽しみ奪うのはよくないですホント。ダメ、ゼッタイ。史上初の推理小説は生まれた時に現在の形がほとんど 出来ていた。発表当時に読んだひとは驚いただろうなあ。
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これでもって、名探偵のスタイル、脇役の配置、謎解きへの流れといった、推理小説の構図の基本が生まれたということかな?
だが、いかに黎明の作品といえど、犯人と犯行があんまり荒唐無稽に過ぎるんやないのぉ?
ポー自身が最高傑作と宣った(なんという作品だったかな)を一度読んでみることにしようか。 -
モルグ街の殺人事件
19世紀アメリカの小説家・詩人であるエドガー・アラン・ポーの短編小説(佐々木直次郎による訳)。ポー自身が編集主筆を務めていた「グレアムズ・マガジン」1841年号に掲載された。パリのモルグ街で、人間離れした怪力で母娘が殺される事件が起きる。しかも現場は密室だった。謎の事件の解明に、オーギュスト・デュパンが乗り出す。史上初の推理小説とされている。
・レビュー
いやあ、まさかこのタイミングでこれを読むことになるとはという感じ。有栖川有栖の『月光ゲーム』を読み終わって書評をつけようと思っていたところで中途半端に時間が空いてしまった数十分があったので、サッとダウンロードしてちゃちゃっと読み終えてしまった。『月光ゲーム』の書評は体力使いそうだし先にこちらにレビューをつけることとする。
ミステリの父というべき偉大なる詩人、作家、エドガー・アラン・ポーの作品。江戸川乱歩の名前の元になった人だね。
この『モルグ街の殺人事件』は誰でも知っているような作品でありながら、実際に読んだ人は少ない。というのも買ってまで読むボリュームではないし、なんとなく手を出しにくい時代の作品だし、紙の本だと『黒猫』あたりとかと一緒に抱き合わせになっている場合が多くてめんどくさいという感じなのだ。電子書籍が一般的になってからやっと読んだ人は僕だけでなく意外と多いのではなかろうか。
ちなみに僕は『黒猫』は既に読んだ。こちらのほうが遥かに傑作だと思う……が、世界初の探偵・推理小説で、天才かつユニークな探偵、平凡な助手とその語り、非常に論理的な推理、意外な犯人、そして密室殺人という、もう初めて尽くしの小説なのだから読まない訳にはいかない。
この小説の価値はきっと「初の推理小説」の一つであるということに尽きる。
どちらかと言えば本格のほうが好きな僕としては、これを本格だという人に大いに不満なのだけれど、本格という人もいる。断じて本格ではないのだけれど(笑)
少なくともフェアな推理小説ではなく、読者は作中の情報で犯人を当てることができないだろう。なのでそういう読み方ではなく、「この形式が後の作品に受け継がれたんだな」とか「デュパンかっこいいな」とか「推理面白いな」だとかそういう読み方がいいと思う。当然こういう読み方は推理小説の楽しみ方として間違っていないし、そもそも本格以外ではこう読む他ない。
そういう意味では大いに満足した。これが始祖にして現代に通じる、色褪せない作品であるということは明らかで、非常に面白い。
実は密室も犯人も厳密にそう言えるか微妙なのがこの作品の特徴なのだけれど、見方を変えればまさに推理小説のルーツ。これは推理よりも、驚きの結末に重点が置かれた「怪奇小説」であり、まさに推理小説は怪奇より出たジャンルなのかなと思う。
さてネタバレはブログでするとして、とにかく推理小説が好きな人はルーツを読んでみるのもいいかもしれない。簡単に読み終わる文量なのでおすすめ。 -
史上初のミステリということで読んでみた。
今でこそ新鮮味がない内容だけど、この作品に影響された作家は数知れず、当時この作品を読んだ人々の感想を想像するとわくわくする。 -
推理小説の原型。
デュパンの推理力の描写と、
各人の証言や犯人は読んでいて意外であった。 -
1841年!
日本なら江戸時代に発表の本作。
嘘か誠か地球初の推理小説で密室ものとの事、まずは探偵デュパンの小気味よい推理が冴え中々の立ち上がり。とても古さを感じさせない洗練されたものを感じました。
また恐怖小説が得意分野とだけあって遺体発見のシーンはかなりぞっとできます。
そして何より結末! これは凄すぎでしょう!
初の密室トリックなどとすっかり忘れ去ってしまうような衝撃的なラストでした。
腰を抜かしました。
短編ながらあらゆる点で飛び抜けた作品。
作家界にもこんなレオナルド・ダ・ヴィンチみたいな人がいたんですね… -
小学生の頃に読んだか。江戸川乱歩を読んで、その流れで。この頃の文学は暗い感じがするけれど、案外好き。
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まったく訳の分からない殺人事件で、最後まで「誰」が犯人なのか分からない。犯人の性質上トリックを仕掛けることができない設定であるためかワクワクするような謎解きの要素はなく、クライマックスの種明かしの部分で「なーんだ」となってしまった。
エドガー・アラン ポーの小説はまだこれが2つ目なので彼の推理小説が全体どういうものなのか分からないが、トリックが幾重にも絡まっているような現代推理小説とは違った味わい方をしなければならないのではないか。トリックがいくつも織り込まれている推理小説では、トリックがトリックにつながる謎解きの面白さとクライマックスの謎解きの爽快さがあるが、逆にトリックを次々と見破っていかなければならないのでヒントがあちこちに散りばめられているのが目について、時々読んでいる途中で分かってしまう。一方、本書のようなトリックがまったくない推理小説では、極めて少ない状況証拠の中から一挙に結論にたどり着かなければならない。トリックを次々と突破していくと最後に明快な結論が待っているのではなくて、事実を理性的に論理的に少しずつ突き詰めて事実を導き出していくプロセスに面白みがあることが分かってないと、現代推理小説のようにクライマックスだけに期待して「なーんだ」で終わってしまうのではないか。 -
世界で最初のミステリと謂われる本書を読了。
50ページ程度なのですんなり読めます。
謎の提示→読者にも分かるような情報の提示→論理的な謎解きと言うオーソドックスな方法論が1800年中盤からきちんと守られていたと言う点で参考になりました。
しかし犯人が◯◯って笑。