夜明け前 01 第一部上 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  •  島崎藤村の名作に挑戦しています。
     まだ、読み始めなので感想は後からにして、今回、電子書籍に初チャレンジ。まずは、youtubeでBGMを流しながら、リラックスして読書ができるのが最高です。
     また少し古い時代の小説なので、これまで見たことも、聞いたこともない難しい語彙が結構多く、漢和辞典や国語辞典、百科事典などを手元に置いて読み進めなければならないのですが、即座に簡単にネット検索で調べられるので、理解を深めるのにとてもとても便利です。
     さらに、語彙だけでなく、木曽路の絵地図や画像データなども情報が入手でき、小説の世界のイメージがどんどん広がり、初めての電子書籍体験にハマってしまいました。
     電子図書館の「青空文庫」には、夏目漱石や太宰治、宮沢賢治などといった近代の名作がどっさりラインアップされていて、これまで知識として作家名と作品名を暗記していただけの作品を、これからも手軽に読み込むことが出来そうです。
     「夜明け前」の幕末から明治にかけて、歴史に名を記すことのなかった木曽路の人々が、それでも時代に翻弄されながら辿った生き様を、心ゆくまで堪能しています。

  • 主人公青山半蔵は藤村の父がモデルとのこと。前に読んだ「家」の登場人物が頭に浮かび、それぞれを今回の人物に当てはめると、いろいろわかることも多い。

    小説だが、日本史の背景が細かく語られている。主人公の目で見た幕末当時の庄屋という立場、黒船来航がもたらした混乱、さらに国学者への畏敬の念など、個人と歴史との関連性を考える意味ではおもしろい。

    今まで尊王攘夷、佐幕派、討幕派、といった語句の裏側がよくわからなかったが、個人の思想から見えてくるものもあると思う。登場人物のキャラクター性は他の作品に比べて薄いと感じた。学問の道に進みたい主人公が家を背負って立たなければならない立場に苦悩している様子はよくわかった。

  • 木曽、馬籠の本陣の息子青山半蔵の青春時代。幕府は外からの開国の要求と、内からの尊王攘夷の要求に引き裂かれていた。

  • 明治開国前の雰囲気を木曽路を舞台に伝える。悪い人が出てこない。人物が魅力的。本居宣長、平田篤胤を求める門人も。

  • 江戸や京都の武士にスポットライトが当たりがちな中、宿場町で生きる人々がどうやって変化の時代を生き抜いたのかを描く。
    世間では評判のいい小説だが、正直な所少し退屈。ハラハラドキドキみたいなものは全くなくて、田舎の勤勉な人々の生き様を、上の視点から観察するという感じ。

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著者プロフィール

1872年3月25日、筑摩県馬籠村(現岐阜県中津川市馬籠)に生まれる。本名島崎春樹(しまざきはるき)。生家は江戸時代、本陣、庄屋、問屋をかねた旧家。明治学院普通科卒業。卒業後「女学雑誌」に翻訳・エッセイを寄稿しはじめ、明治25年、北村透谷の評論「厭世詩家と女性」に感動し、翌年1月、雑誌「文学界」の創刊に参加。明治女学校、東北学院で教鞭をとるかたわら「文学界」で北村透谷らとともに浪漫派詩人として活躍。明治30年には第一詩集『若菜集』を刊行し、近代日本浪漫主義の代表詩人としてその文学的第一歩を踏み出した。『一葉舟』『夏草』と続刊。第四詩集『落梅集』を刊行。『千曲川旅情のうた』『椰子の実』『惜別のうた』などは一世紀を越えた今も歌い継がれている。詩人として出発した藤村は、徐々に散文に移行。明治38年に上京、翌年『破戒』を自費出版、筆一本の小説家に転身した。日本の自然主義文学を代表する作家となる。

「2023年 『女声合唱とピアノのための 銀の笛 みどりの月影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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