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「勝敗」
兄弟の間に生まれた勝敗。
表題は「勝敗」とあるけど、何故かエッセイか歴史ものだろうと当初は想像していました。しかし、これは推理ものではないだろうか。最後の最後にある仕掛けがそれを物語っている。
登場人物は、弟と兄、そして、兄嫁。弟は弟で兄に挑み、兄は兄で弟を疑う。若い頃、弟と駆け落ちしたが、許婚であった弟の兄と結婚した嫁は、完全に被害者ではないだろうか。しかし、実際どうだったのかはちょっと分からないw
病に倒れ、もう命僅かの弟は、兄を困らせる為に、兄嫁に一芝居うってくれるように頼みます。その芝居とは、自分と恋人関係に戻ること。そう、弟は、結局、昔恋人だった兄嫁といちゃいちゃしたかっただけ。そして、兄嫁は弟にキスをする。この部分が、後の兄の話との大きなずれのきっかけになります。
次第に、芝居であったはずが、兄嫁を独占したくなる弟(そもそもその気だったはずだけど)。しかし、芝居であったことを理解した上で、弟に付き合ってやった兄嫁。当然、兄嫁は、弟に拒絶反応を示す。もう良いだろうと。そして、トラブルに発展し、兄嫁は、崖から落ちてしまう・・・。
しかし、兄嫁はこの転落では死んではいなかったです。止めを刺したのは兄。兄は、弟と兄嫁が昔駆け落ちしたことを未だに覚えており、このことをきっかけか分からないけど、兄嫁と弟は繋がっていると疑っていたんです。そして、病に倒れた弟を看病するという兄嫁の様子を、家の者に監視させ、例の目撃現場の証拠を掴みます。そう、兄嫁が弟の芝居の依頼を受け、キスをするところです。
その報告を受けた兄は、すぐさま彼らのもとへ駆けつけ、弟と兄嫁が崖のそばで揉め、自分の嫁が崖から落ちるのを確認。一時は、気を失って木に引っかかっている兄嫁を助けようとするが、兄嫁を殺すことと犯行を弟に擦り付けることが出来ると踏んだ兄は、そのまま兄嫁を突き落とします。
そして、兄嫁は遺体で発見され、弟は更に体を悪くし、兄に懺悔をします。そして、弟の懺悔を聞いた兄は、真実を語り始めます。これで、結末かと思いきや・・・。
果たして、弟と兄、どちらが勝つのか。