“文学少女”と死にたがりの道化【ピエロ】 (ファミ通文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 水を飲み、パンを食べる代わりに、本のページを引きちぎって食べる高校3年生の文芸部部長、天野遠子と高校2年生の文芸部部員、井上心葉が主人公。
    最初のほうは「ラノベって感じの学園ものストーリーだなぁ」と思っていたが、読み進めていくうちに、「よく考えられたストーリーだなぁ」という感想に変わっていった。
    一言であらわすならば「サイコパス」。とても面白かった。

  • 全巻読了(番外編等々含む)の記録。
    本を食べちゃうくらい愛している文学少女の遠子と、
    筆を折った天才作家という過去を持つ後輩心葉の物語。
    それぞれにモチーフとなった文学作品があるので、
    文学小説の入門書にもいいと思う。日本文学も海外文学も描かれている。短編集の巻もあり、短編一つにつき、一作品は文学作品が登場する。
    遠子が文学作品に関しての蘊蓄を垂れまくるので勉強にもなる。
    実際私はこのシリーズのおかげで文学作品に触れるようになったので思入れの深い作品たち。

    遠子や心葉をとりまく過去も、登場するキャラクターの過去も重いけど、救いのあるストーリーだし、
    遠子が底抜けに明るく優しく、心葉を振り回しているので学園コメディとしても楽しめる。

  • 物語は元美少女作家の少年・井上心葉くんと、本が好きで本を食べてしまう文学少女・天野遠子先輩。2人が出会う学園ミステリーです。
    思春期の少年少女の心の儚さが描かれていて、ほろ苦く、そして暖かい何かを見せてくれる物語。

  • 試し読みした時に、自分のことを白い羊のなかの黒い羊だと表現する言い回しが気に入り、そのまま購入。読みやすく、一気に最後まで読みました。

    解き明かした謎は軽い話ではなかったけど、遠子先輩と心葉くんたちの明るいやり取りのお陰でそこまで暗くならずにすみました。果たして脱ぐ必要があったのか。笑

    登場人物に大きな共感と影響を与えた『人間失格』。読んだことがないので、大変興味を持ちました。私は共感できるタイプだろうな。

  • 2019/11/12

    910||ノム (3階文庫)

    実在する文学小説をモチーフに、まるでそれをなぞるかのような展開だったり、登場人物たちが影響を受けたりと、ミステリとしても学園コメディとしても楽しめる内容です。
    しかも作中にはいろんな文学作品の薀蓄も語られます。
    ぜひテーマになっている文学作品とともに読んでみてください。

  • 文字どおり食べてしまうほど文学が大好きな遠子。彼女の味での独特な表現を足した文学の感想はとても楽しいです。彼女が紹介する実在の文学作品が出てきたり、作品になぞらえた展開があるのでこのシリーズを読むことでミステリーを楽しみながら他の作品を知るきっかけを得られると思います。

  • ライトな推理小説を読みたくて読んだら想像以上に面白かった。

    構成が良い。上手いこと謎に対して読者の欲しいピースをチラつかせながらも小出しにしていく感じが良かった。

    太宰治の作品は読んだことなかったけど、題材の人間失格だけでなく他の太宰作品も読みたくなった。

    こういう、人に本が読みたくなる文を書ける人は尊敬する。

  • 図らずも感動してしまった。『人間失格』をモチーフとした作品なのに、あとがきによれば作者は本作執筆のためにほぼ初めて太宰を読み、ファンになったとか。本当だとしたら、そこも感動ものだと思う。

  • 超有名で、しかも自分もハマっている太宰治を題材にした作品とのこと、読まぬ訳にはいかぬとばかりに手に取る。
    成程、人間失格をベースに話を進めて、世間の抱く太宰作品へのレッテルを利用したオチに持っていくという、想像以上にしっかりと太宰治を活用した物語でした。
    むしろ太宰スキーでない方が面白く読めたのではないかと。
    気になったのは、人間失格をベースにした為か、人の死の概念を物凄く軽く捉えている様に感じられた所です。
    人が自分で死ぬって大変な事だと思いますよ。
    あと本を食べる妖怪はこの物語に必要だったのか?
    最大の謎です。

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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