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感想・レビュー・書評
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Kindle版ではなく、『かなしき女王―ケルト幻想作品集』で読みました。
現代ファンタジーのようなエンタメ性は無いので、人によっては面白くないと思いますが、スコティッシュ・ケルトの宗教観が伝わってきます。
松村みね子氏の訳は、古風で読み辛いですが、現代的な訳では良さは伝わらないでしょうね。文章表現はとてつもなく美しい。フィオナ・マクラウド氏の残酷だが妖艶なスコティッシュ・ケルトと、松村みね子氏の大正の幽玄な日本語訳が渾然一体となった世界に連れて行かれそうです。
以前は良さがさっぱり分からなかったのですが、聖書を読むようになって良さが分かりました。海豹の男と人間の女の間に生まれた霊の無い子の話で、スコットランドの海の冷たさやぬめりが伝わってくる作品で、最後は敬虔な気持ちにさせられます。
似たような作品では、『魚と蠅の祝日』もお薦めです。
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