消費税25%で世界一幸せな国 デンマークの暮らし (角川SSC新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 高税率高福祉のデンマークでは、どのように社会が運転されているのか。日本の将来について考えるヒントがある。オススメ!

  • 世界の制度を知ると、日本の制度の良し悪しも分かってくる。

  • デンマークで生活する作者が、デンマークの税制や保障制度、生活習慣等の暮らしぶりを紹介している本。なぜデンマークで生活する人が幸福度が高いのかを知ることができる。


    一方で、日本ではデンマークと同じことをして幸福度を高めることは、絶対にできないと言い切ることができて、「じゃぁ日本ではどうやれば幸福度を上げることができるのか」とか政治家が考えるにはいいネタな気がする。


    単純に待遇だけ見ると、今日本で暮らしていて、かつ、安定志向の強い人で、かつ、勤勉な人間は、デンマークで生活することをまじめに検討してもよさそう。


    ただ、幸福度の高い生活を支えるための環境を作り上げ、守り続ける精神性はなかなか理解できないかもしれない。共生という感覚は連帯意識に近いんだろうが、利益の社会への還元を義務として受け入れ、それ自体が責任と感じることができるのは教育だけではなく風土というか、そこで暮らしていて感じることの実感が染み付かないとできなそう。



    「国も会社も他人も、誰も自分を助けてくれない」という日本の現実と比べると、「国は自分を助けてくれる」というデンマークの現実を支えているのが、制度と精神なんだろう。少数の国民と高い外貨獲得率がないと成立しなさそう。



    高い生産性とそれを作り上げるための膨大な準備時間を見ると、勤勉でかつ社会に受け入れられなければ、住めない国だ。ドロップアウトした人が圧倒的に増えた場合、簡単に破綻しそう。



  • デンマークの福祉体制、教育体制などが詳しく記載されており勉強になった。

    デンマークの『共生』の考えが深いのは
    幼い頃から哲学を学んでいることが影響していることがわかった。また、基本的に飢餓や経済的不安が少ないこともこの考えを維持できる理由だと思う。

    また幸せな国デンマークでも
    幸せではない部分、課題はあるのだと知ることができた。

    日本は経済、人間関係など
    様々な社会不安が蔓延しているように思う。
    デンマークの共生の考えや、
    経済の仕組みが日本にも取り入れられたらと思う。

  • 今の日本にここまで「徹底」ができるのかが最大の疑問。仕事の仕方を含め、国民の考え方、社会システムすら大きく変える必要がある。

  • 国民負担率71%、消費税25%の「高福祉・高負担」のデンマーク王国の実態について具体的な数字が示されていて分かりやすい。国民の80%が信徒で国教であるキリスト教を基に「共生」の精神が根付いていることで、高負担にも国民が納得しているとのこと。また国民総背番号制による所得の捕捉がそれを支えていることも分かる。医療制度、出産育児制度、教育就職制度、年金制度、高齢者医療制度、生活支援制度などの独特の福祉政策について詳細に記述。

  • 本書では、高負担・高福祉の国家として有名なデンマークのアウトラインを知ることができる。高負担の具体例としては、著書のタイトルにもあるように消費税は25%、租税負担率と社会保障負担率の合計が71.7%(日本は39.5%)などが紹介されている。一方、高福祉の具体例としては、医療費や教育費は無料、育児支援や障害者支援制度の充実などが紹介されている。国民は高負担を強いられる結果、格差が生まれにくく、また高福祉を享受することで安心した生活を送ることができるという論理展開がなされており、このような社会が成り立つ要因として、度重なる領土争いから生まれた自国民の仲間意識、国教であるキリスト教を学ぶ教育によって育まれた「共生」の精神があるからではないか、と著者は分析している。つまり、歴史や宗教によって培われた国民性のうえでデンマークという国家が成り立っているのであり、日本がデンマークをモデルとして、高負担・高福祉の国家を目指すことは難しいだろう。しかし、個人登録番号制度を1924年から導入するなど、我が国も参考とすべき点もある。
    高負担・高福祉ということで、温和な国民性であるかと思っていたが、意外にドラスティックな側面もあると感じた。給料を上げるためには試験に合格して職種を変えるしかない職業制度、離婚率が40%にも上る実態、寝ていて治るような病気ならば医師は薬すら出さない事例など、随所にそう感じる点が散りばめられていた。
    全体的には、デンマークがまるでユートピアであるかのような論調であったことが少し気になった。高負担・高福祉の弊害も必ずどこかにあるはずだが、あまりその部分については記載されていない。あくまでもデンマークの良い一面を紹介している著書と思って読んだ方が良いだろう。

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著者プロフィール

1944年岩手県生まれ。1967年にデンマークに渡り、79年にデンマーク国籍を取得。1990年、S.R.A.デンマークを設立、風力発電機、バイオマスプラントを日本に普及させる事業を手がける。1997年、環境政策などの視察でデンマークを訪れる日本人のための研修施設「風のがっこう」を設立。現在は、日本とデンマークを往復し、多岐に渡るテーマで精力的に講演をおこなっている。著書:『増補版デンマークという国 自然エネルギー先進国』『なぜ、デンマーク人は幸福な国を作ることに成功したのか どうして日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか』『デンマークが超福祉大国になったこれだけの理由(合同出版)、『消費税25%で世界一幸せな国デンマークの暮らし』(角川SSS新書)など。

「2014年 『デンマークという国を創った人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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