- Amazon.co.jp ・電子書籍 (321ページ)
感想・レビュー・書評
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平成10年に見つかった、永倉新八の手記「浪士文久報国記事」の三冊、また島田魁の「島田魁日記」二冊を収録したもの。
解説も載っており、二人の記憶違いや新事実が指摘してあり、とても面白い。
見つかった「浪士文久報国記事」の表紙には松村厳の蔵書印があり、高知出身の郷士史家、松村の旧蔵本であった。また表紙に永倉の本性の長倉所有とも書かれている。
永倉によると、芹沢鴨を襲ったのは、御倉伊勢武(みくらいせたけ)、土方歳三、沖田総司、藤堂平助とある。これが正しいのだろう。それにしてもこの計画を永倉は知っていたのか?
あえて触れていない点も多々あるようだ。
江戸で近藤、土方と袂を分かった後、旧友の芳賀宜道(はがぎどう)たちと靖共隊(せいきょうたい)を創設し、奥羽各地を転戦し会津まで行った。宇都宮城攻めも参加したはずで、この時の指導的役割は土方である。この場面については一切記されていない。袂を分かったばかりでこだわりがあったのか?
しかし近藤、土方の碑を建てるのに奔走しており、気持ちが変わったのかもしれない。手記の日にちとの関係が分からないため、何とも言えないが。
「島田魁日記」は敗戦後三年間の謹慎中にまとめられららしい。一冊目は入洛した幕府浪士組からを近藤勇を主人公に、二冊目は表題に「明治二己巳歳日記」とあり鳥羽伏見の戦い敗走後からの戊辰戦争を土方歳三を主人公にしている。
日にちの間違いが多いそうだが、これまでたくさんの新選組の本を読んできて(明確に記憶しているのではないが)、聞いたことがないような内容が出てくるのが楽しめた。
特に函館では、幕府軍の戦艦は何度も戦ったのだと分かった。土方の死については一本木関門(街柵)でとしかなく、詳細に書かれていないのが残念だ。
永倉の「新選組顛末記」も読んでみよう。(2021.9.18)
※2019.4.30PrimeReadingで入手
2021.9上旬から読書開始
2021.9.18読了