つぶやきのクリーム The cream of the notes (講談社文庫) [Kindle]
- 講談社 (2012年9月14日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (218ページ)
感想・レビュー・書評
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audibleで聴きました。
森さんの小説は読んだことがなく、エッセイは朝日新書の『諦めの価値』を以前面白く読みました。
森さんのつぶやく内容は極端なことも多くて、納得いかないものもあれば「うわー、分かる!」とベストセラー作家と意気投合した気分になるものもあり(←我ながらおめでたい)。気軽に聴けるので、車での移動中や家事をしながらの耳読書に持ってこいでした。
「声の大きさをコントロールできない、といえば老人か田舎者か犬か、あるいは、おばさんの団体である」というタイトルにはドキッとしました。「田舎者」でまあまあよく吠える「犬」を飼っている「おばさん」としては我が身を振り返らずにはいられない。「老人」まではまだ少しあるけれど、気をつけよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Amazon Audible にて。クリームシリーズの一作目らしい。2012年だから10年ちょっと前か、と思いながら聞いた。
基本はながら聴きしてるんだけど、100個のつぶやきが章題になってアプリ画面でも目視できてありがたい。
ひとつ目の「何から手をつけたら良いのかわからない状態とは、なんでも良いから手をつけた方が良い状態」の言葉が身に沁みる。初めての仕事とか、どうしたら良いか何から考えたら良いか全然わからない、というときは、大体どうにか手を動かして居場所や視点をグルグルさせて動き出さないといけない、というときだと思う。
森博嗣自身の親の介護や亡くなる前のことが割と詳しく書かれていたのも新鮮だった。湿っぽい感じではなく、淡々と何をした、などと書かれているだけなんだけど。 -
2023.08.25.聴了
今から10年以上前のエッセイなのに、
今でも斬新だなぁと思うって。
森博嗣さんの小説を読んでいると、
その小説の考え方の流れが大好きで、
もうそうだよね〜と気持ちが高まるので、
エッセイも好きなのでは度思ったが、
本当にその通りでした。
他のエッセイも読んでみなくては!
Amazon本の紹介
何から手をつけたら良いのかわからない状態とは、なんでも良いから手をつけた方が良い状態のことである――。けっこう当たり前なことのなかに、人生の大きなテーマは潜んでいるものなのだ。小説家・森博嗣がつい誰かに教えたくなって意外に真面目に綴った、世界の見え方が変わるつぶよりのつぶやき一〇〇個。(講談社文庫) -
読んだのは単行本。100のつぶやきと補足の2ページ。いかにも森氏という補足。「68:気持ちを切り替えろというが,気持ちなんてものはどうだって良いから,次の手を打ちなさい」の補足の文⇒「やる気が出ないときは嫌々でもやれば良い。やっているうちに,やる気が自然に出てくるものである。」は同意。これをいかに実証するかが面白い。
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2016/1
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森博嗣…最初は80代~90代ぐらいのおじいさんだと思いながら読んでいて、老人やれやれ。だなんて思いながら読んでいた。
ウィキペディアで調べてみるとおじいさんではなかった。
私の父と歳がひとつしか変わらなかった。
父は成功者で私は父を尊敬し、世の中の話や人間とは…と言ったような話をよくする。
私は小学一年生の頃に父に言われたことがある。
「お金持ちになりたかったらお金持ちの子と遊びなさい」と。
普通はこういうことを子供には話さない。
当時は何を言っているのか分からなくて私は普通に気が合う子と遊んでいた。彼女は自転車さえも持っていなかったので、私はどこへ行くのも彼女と歩いていった。
でも大人になり、仕事や現実を見てみると父が昔言っていたことが理解できたような気がした。
簡単に言えば類は友を呼ぶということだが…
家政婦つきの一億円の豪邸に住む友達とよく遊ぶようになった。
彼女とは育ってきた環境も似ていたのか凄く気が合い、18歳頃から三年ほど毎日のように遊んだ。
彼女と話す会話はだいたいビジネスの話。
これからはこういう産業がくるやらなにやら。
普通の女子はそんな話はしないと思う。
そして彼女が言った。
「お金儲けの話というのはお金持ちの中だけで終わり、その下の人までは届かないようになってるんだ、だからいつまでも貧乏なんだよ」
この言葉で父が言っていたことがリンクした。
だからと言って、私は人をお金の有無だけで判断したりはしない…どちらかというと頭の良さとデリカシーの有無で判断をするが、まだ一年生の子供にそういう話をする父、綺麗ごとを教えない父が好きだ。
長くなったが、父と歳が近い森博嗣というだけで親近感がわき、楽しく読めた。
内容も森博嗣はとても頭が良く現実的で素敵だなぁと思った。
レビューというか父へのラブレターになってしまった、やれやれ。