獣の奏者 I闘蛇編 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 物語の主人公は、大公に仕える闘蛇衆の村で生まれた少女エリン。エリンは母親を殺され村を出奔、養蜂家のジョウンに拾われ、やがて獣ノ医術師を目指しカザルム王獣保護場の学舎に入学。そこで傷ついた幼獣リランと出会う。

    リョザ神王国では、武力を否定し神性をもって政を司る真王と、真王に仕え武力(闘蛇)で国を守る大公の二大勢力がバランスしており、真王はテロリスト集団〈血の穢れ〉に命を狙われ続けている。国の根幹に関わる政治的な獣 "王獣" と "闘蛇"。闘蛇を操る秘密を守りながら隠れすむ霧の民。本書の世界観はこんなところかな。

    獣たちとエリンの触れ合いを軸としたエリンの成長物語なのかな。第2巻が楽しみ!

  • 上橋菜穂子さんのファンタジー作品。
    精霊の守り人、鹿の王ともに読了済みで、この作品が全巻配信されるのをずっと待ってました。
    第1巻はだいたい世界観がとっつきにくいけど、上橋さんの作品はすんなり入れる。
    主人公の少女エリンに過酷な試練が降りかかる。
    この後どう成長していくか楽しみです。

  • 懐かしい。昔、アニメで放送されていたのを観たことがある。主題歌であるスキマスイッチの『雫』を聴きながら、物悲しい気持ちになったことを思い出した。音無し笛で獣を硬直させ意のままに操る、特滋水で牙や骨格を無理に強化させるなど、人に利用される獣たちが少し可哀想だった。そんな中、エリンは獣に寄り添い、心を通わせようとしていて、これから先どんな展開が待ち受けているのか楽しみだ。

    「人に操られるようになった獣は、哀れだわ。野にいれば、生も死も己のものであったろうに。」

  • 上橋さんは本書が初読みである。王道の異世界ファンタジーで、物語の世界観に入り込めるかどうかが鍵となる。なかなかてこずったが、半分を過ぎたあたりからおもしろくなってきた。
    本書には2種の“獣”が登場する。1つは闘蛇、もう1つが王獣だ。それぞれが対立する勢力の象徴となっている。その両者に関わるのが主人公の少女エリンだ。
    読み始めた時期に観ていた宮廷ものの韓国ドラマとイメージが重なり、ぼくの中では韓流ファンタジーになってしまった。人間はともかく闘蛇と王獣がうまく思い描けない。アニメ? 違うなあ……。
    kindle unlimitedにて。

  • 自然の命を人間の都合で管理・利用することが一貫して問われている。

    上橋菜穂子さんの本はそういう根源的な問いを投げかけながらも、すごくハートフルで思わず口角が上がってしまうような場面がたくさんあったり、主人公と一緒にドキドキハラハラ挑戦するような気持ちを味わえるのが本当に魅力である。

    鹿の王も素晴らしかったが、こちらはもっと読みやすく、シンプルな構成。残りも非常に楽しみ。

  • すべてうまく行ってハッピーエンドなんて嘘っぽいじゃないですか。
    上橋先生の書く小説はSFなのに嘘っぽくないです。

  • 10歳にして深い悲しみと苦難に襲われるエリンが、人の営みと自然のルールに学び、抗い、成長していく物語。その出発点となる一冊です。

  • 面白い

  • 上巻はエリンの話多め

  • 物語の始まりとして苦手な展開がいくつかある。そのうちの一つが"教えや言いつけを守らない軽率な人物の登場"だ。『宝石の国』のフォスや『とんがり帽子のアトリエ』のココがいい例。「このキャラが言いつけを守らずに何かしら事件を起こして問題になるんだな」とかなり先の展開まで読めてしまうため、そういうキャラが登場した段階で読書欲がぐんと下がってしまう。

    この本の主人公も同様(フォスほどあからさまではないが)。想像通りの事件が起き、そのせいで主人公は気落ちし、じめっとした状況が続く。丁寧に描かれた物語だとは思うが、女性的で柔らかくゆったりした文章が湿度の高い主人公の心情に拍車をかける。
    テンポの良い文体が好みの自分には合わなかった。

  • ジョウンおじさんがいい人で本当に良かった。
    クラスメイトのユーヤンもめちゃくちゃいい子。
    あんなにひどい経験をしたエリンは、その後、人に恵まれなかったら心を開けなかったと思う。

    エリンが幼獣と自分を重ね合わせるところが、他人を理解しようとする過程に似ているなと思って続きがひたすら読みたくなったので読みます!

  • 2023.05.15.audible

    エリンの勇気と賢さが、
    彼女の人生を生きやすくも、
    生きにくくもしている。

    出自で恐れられたり、
    蔑まれたり。
    とても嫌だ。
    とても嫌だと思っているのに、
    私はそのような考えが全くないとは言えないのが、
    さらに嫌だ。

    もっと早くに読めばよかった。
    この頃、そういう本が多い。

    amzon本の紹介
    児童文学のノーベル賞にあたる、国際アンデルセン賞作家賞受賞! 世界的注目作家の新たなる代表作。リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが――。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける!

  • オーディブルにて。エリンの一生懸命さに惹き込まれた。そこで終わるのか、的な区切りで続きが気になる。
    よみあげだと細かい舞台設定・王国の歴史説明パートは聞き流してしまい、把握しきれなかった。
    音声で聞くのでトーダ、で把握してたけど闘う蛇だった、とか。

  • amazonで99円であった。2巻以上が600円を超える。電子図書として子どもが買える値段、あるいは読み代だけの値段としてはこれぐらいが妥当であろう。
     時代物と動物としての闘蛇と王鳥が現れるということで、展開がよく示されている。まず1巻から読むことがいい。

  • ・評判だけは聞いてて、どんな話かはあんまり知らずに読んだけど、予想以上に面白い。
    ・ファンタジーやSFは、世界設定がしっかりしてるほど面白い。本作の世界観もしっかりしてる。
    ・展開も早くて、テンポよく物語が進む。そして、メチャメチャ気になる所で次巻に続く。
    ・主人公エリン周辺の物語と、リョザ神王国の権力争いが大きな二つの物語として展開してて、ちょっとクロスしかけてる感じ。

  • ファンタジーや、別世界の話は普段あまり読まないので、気にはなりつつ一生読まないだろうと思っていた。
    それなのに読み始めてすぐに引き込まれて一気に読んでしまったのは、世界観がしっかりしていることと、異世界なのがどうでもよくなるほど人物像や心情が丁寧だからだと思う。
    現実にはいない生き物のことだってすんなり入ってきた。
    なるほど人気があるのがよくわかった。
    読むきっかけを与えてくれた若き歌舞伎役者さんに感謝したい。

  • マンガで読み、ふと読みたくなった。
    マンガでは絵が描かれていなかった背景や深みが描写されている。
    母は何を伝えようとしたのか。何を守ろうとしたのか。
    自分と共に生きる道ではなく、なぜ無惨な死刑を受け入れたのか。
    そして温かな新しい生きる道。
    温かくできるのか、過酷な道への続くのか。
    マンガを思い起こしながら、もう一度物語をなぞっている。
    読み始めてよかった。

  • 惹き込まれる。獣がどんなかなぁとイメージしながら読んだ。

  • 再読。母をなくしたエリンの、リランへの思いが切なく温かい。

  • そのうち続編も読みたい。

  • 再読。感情を持ったまま聡いエリンが好き。

  • 鹿の王を先に読んでしまった分、とても読みやすく感じた。作者が築いている世界観の完成度がとても高く、実際には存在しない王獣や闘蛇といった生き物にも、それらに愛情を注ぐエリンにも自然に感情移入できる。何と無く、人喰い大鷲のトリコをイメージしながら読みすすめている。

  • 本屋大賞を受賞された上橋菜穂子さんのシリーズ。
    人と獣との関わり方、人の性など考えさせられます。
    (リカ)

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 面白い。あっという間に読んでしまった。なんだろう、子供向けだから読みやすいの?早く続きを読まなきゃ。描写がきれいなんだろうなあ。風景とか風とか空気みたいなものが綺麗に描かれていると思う。エリンの過酷な運命が報われることがあるのか。ジョウンおじさんとユーヤンが救いだな。ジョウン先生はまた出てくるかなあ。はじめの人物紹介でこんなに覚えられるか?と思ったけど、ストーリーに合わせて出てきたら難なく。完全に惹きこまれました。お話しは途中なので、これからどうなる?どうなる?

  • 最高。世界観が秀逸

  • 上橋菜穂子ファンタジー。守り人シリーズが世間の評判ほどには盛り上がらなかった自分だが、少なくとも1巻はかなり面白かった。でっかくて泳ぐ蛇、闘蛇とそれを操る一族の謎。1巻は主人公萌え少女エリンが母を殺される過酷な運命に翻弄されつつも、獣を扱う才能を発揮しはじめて、、、といった内容。王獣とやらが出てきてお世話をはじめ、ほうこっちが本命かといったところまで。守り人シリーズは元々児童文学だったみたいだけれど、こっちは最初から大人向けなのかな、設定がややハードでその分面白い。しっかりした世界観、食べ物やその他小物へのこだわりも相変わらず秀逸。

  • お母さん可哀想ね。

  • 物語りが盛り上がって来た!エリンちゃん大好き♡

  • 1巻だけお試しで読んでみようとダウンロードしたけど、
    思ったより面白く…仕事の合間に外伝まで一気読みしました。
    こんなに一気読みしたのは久しぶり。

    読みやすい文章ですし、情景も細かく描写されていて
    たとえばジョウンとの暮らしの穏やかさだったり、
    大きな蛇だったりも容易にイメージすることができました。
    だけど壮絶な母親の最期は辛かった、心が苦しくなりました。
    それから猪肉の蒸し焼きは美味しそうでした(笑)

  • エリンは等身大というにはあまりにできすぎた子なんだけど、ものすごく心の動きをていねいに追っているので、それでも身近に感じられ、ふっと涙がこみあげる瞬間もあった。
    いろいろ魅力はあるけど、食べ物のおいしそうなことといったら。物語のなかに出てくる食べ物は総じて美味しそうに感じられるものだけど、エリンのお母さんが作ってくれたしし肉のむし焼きにせよ、ほんとうにあったらぜったいおいしい!と思われるものばかりでうっとりした(笑)。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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