列車の死 [Kindle]

  • グーテンベルク21
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  • フレンチ警部にしては珍しいスパイ物。
    戦時中、戦局を打開するためにイギリス上層部で極秘の輸送計画が立てられたが、その列車の前を走った電車が脱線して大惨事に。事故なのか、ドイツのスパイによる破壊工作なのか…
    どこにスパイがいるかわからない状況で、彼らを捕らえるためには極秘裏に捜査しなければならない。偽の事件を捜査するふりをしながら苦労して犯人に迫るフレンチ警部は、いつもとはちょっとひと味違う。特にラストの大活躍には目が点になった。
    序盤の特別列車を仕立てるために車両を調達したり運行ダイヤを考えたりする人々の地道な仕事の描写は、鉄道技師だったクロフツならではだろう。運転士や車掌、踏切番、信号手など現場の人々も戦時中の厳しい状況の中、列車のスムーズな運行のために心を配っている。このへんはけっこう流し読みしてしまったが、イギリス鉄道の誇りは伝わってきた。
    脱線事故が起こったあとはなかなか派手な展開となり、色々と突っ込みたくなってくるが、面白いのでオッケー。異色作。

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著者プロフィール

フリーマン・ウィルス・クロフツ。1879年、アイルランド、ダブリン生まれ。技師として鉄道会社で働いていたが大病を患い、療養中に長編ミステリ「樽」を執筆。コリンズ社に原稿を送ったところ採用され、1920年に同社より刊行された。29年に鉄道会社を退職して専業作家となり、77歳で死去する直前まで作品を発表し続けた。57年死去。

「2018年 『四つの福音書の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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