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- / ISBN・EAN: 4988142952127
感想・レビュー・書評
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「じゃあ物語はハッピーエンド?」
「それは──君次第だな。もう君の物語だ。」
船が難破して、一人の青年と一頭のベンガルトラとが一隻のボートで漂流するお話。
成長した青年が後年それを作家に語るという形の映画です。
以前CMかなにかで見たときにはトラと仲良く漂流するほのぼのファンタジーかと思っていたけど、食うや食われるやの関係だった…。
とにかく美麗映像が素晴らしく、海の美しさ雄大さを夢のように描く映画でした。
夜光虫で光り輝く海と、海底から上がってくる巨大なクジラのシーンはまさに白眉。
ジンベイザメがボートの下を優雅に通り過ぎるのも素敵。
突然ガリバー旅行記のようになった人食い島のくだりは、ラストに向けて視聴者に準備をさせようとしたのかな。
虎のグラフィックレベルに比べて背景が浮きがちだなとは思っていたんですよ。ラストは思わず「ほほ~」と声が出てしまいました。
備忘のため、映画公式サイトのトラの名(リチャード・パーカー)の由来を置いておきます。http://www.foxmovies.jp/lifeofpi/synchronicity.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
☆パイとリチャード・パーカーともう一つのストーリー☆
動物がいっぱ~い出てくる、生きもの伝説の
「ダーウィンが来た!」みたいで楽しい。
そして神秘的な宇宙を思わせる夜の海と謎の浮き島が
ファンタスティックだったなぁ~♪
あたしは無宗教なので宗教のことは語れないが、
過酷な状況で生きぬくということは、
きれいごとでは済まされないという事実のみ分かる。
この作品はとことん深読みしてもいいし
単純にトラとのサバイバルファンタジーとしてもいいと思う。
好きなシーンはトラのリチャード・パーカー君と少年パイが、
マグロを取り合うシーンが面白かったな、
トビウオがボートに入れ食い状態なのに目もくれず、
一匹のマグロを巡ってそれは俺のだ!と争奪戦するのが可笑しかった。
実は残酷なお伽話 -
嘘くさい物語にまったく入り込めずにいた。不自然で人偽的な主人公のエピソード。名前の由来や、ありがちないじめ設定、家業が動物園という特殊すぎる環境に幼いのに宗教に3つも入信するなんて…。船が遭難して救命ボートに乗り込むのがシマウマ、ハイエナ、オランウータン、それにトラだったという展開になってもう「プーさんかよっ? 100エーカーの森かよっ!?」と、そのバカらしさに観るのを辞めようかと思った。その後もCGに頼りまくったありえない映像美に、矛盾した主人公の行動、細部の齟齬は数知れず(なぜバナナ拾わない? あの狭い船でトラはどこに隠れていた? 動物の死骸はなぜ急になくなる? 船縁を登れないトラをなぜ助けた? etc…)もう興は削がれて行くばかり。ところがっ、最後にして、してやられた。『ユージュアル・サスペクツ』並の大どんでん返し。ミステリーの技法で言えばUnreliableNarratorってヤツ。しかもそれがこの映画全体のテーマとなっていて、「人は自分の見たいようにしか現実を見ることはできない」という事実を突きつける。だから人は現実とは別の物語を求め、宗教に救いを見い出す。さすがジェームズ・キャメロンが絶賛しただけのことはある傑作。僕自身もこのテーマを解釈し咀嚼するにはしばらく時間がかかりそう。それにしても、もう少しミスリード部分も鑑賞に耐えうる仕上がりにもできたろうに。そこがもったいない。☆4.5
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家族と共に船に乗り込んだパイ。
そこには動物園で飼っていたたくさんの動物たちも乗っていた。
ある日、船が嵐に見舞われる。
沈没寸前の船からボートに飛び乗り、命からがら脱出したパイだったが……
そこには一緒に逃げ込んできたトラがいた。
やがてトラは一緒に船に乗り込んだシマウマを食べ、猿を倒し……
途中、カナダに向かっていたはずの船がプレーリードッグだらけのジャングルのある島に漂着。
正直、こんなところにプレーリードッグがいるわけないよね、とそのときはこの映画にダメ出しを出そうと思ったのですが……
最後のパイの発言を聞いて納得。
たしかに正直なストーリーを映像にしたら、普通の人には観れたモノじゃなくなるな、と合点がいきました。
美しいCGも見もののこの映画。
万人におすすめできる内容ではありませんが、『生きる』意味を考えてみたい、なんてシリアスな思いを抱いたときにぜひ観てみてください。 -
映像の美しさに魅了された。ストーリーうんぬんよりも、映像美。
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だいぶ前に原作を読んでいたので大まかなストーリーは知っていたけれど、映画化でどのようになるか楽しみだった。途中がやや冗長にも感じたが、なかなかに美しい映像作品に仕上がったようにも思えたので、映画化して良かったのではないだろうか。