脳はこんなに悩ましい [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • DNA診断の話の辺りから面白さが高まってきて、あっという間に読み終えました。対談形式なので飽きることなく読めました。

  •  中村うさぎ、かあと侮って読み始めたら、どうしてどうして。単なる買い物依存症の過去を持つアホやと思ってたら、実に的確なホスト役を務めている。
     池谷裕二一人だとお堅い内容になってしまうから、下世話下ネタを織り交ぜて読者に分かり易くという編集者の狙いはピッタンコ。
     池谷もそのあたりは心得ていて、
    <blockquote>赤ワインを常飲する女性は性欲が強いというデータがある</blockquote>
    と自分から披露したりする。そしてすぐに、
    <blockquote>実験の精度にやや疑問も感じなくはないですが、でもこうした突飛な実験から、「心」の深淵をえぐるような発見が生まれるものです</blockquote>と続ける。
     ヒトは考えて行動するというより、行動を知覚して解釈すると池谷が述べると、中村うさぎは「女がセックスの時に声を出すのは自分のテンションを高めるためではないかと思い、オナニーの最中に声を出してみたら、超興奮」と振ると、池谷、落ち着いて、身体が感情を操作するという側面は本当に大きいと思いますと、至って冷静に応じる。
     中村うさぎは下ネタばかりではない。
    <blockquote> 人格personalityの語源はラテン語のペルソナだと聞いたことがあるけど、パーソナリティという仮面を外したら本当の自分が出てくるわけではなくて、仮面を取っちゃったらのっぺらぼうの自分しかいないのかもしれない。</blockquote>
    とか、
    <blockquote> 人間って、大脳皮質でセックスするようになったと思うのよ。昔はハ虫類脳を使ってウホーと叫びながらセックスしてたのに、セックスがどんどん記号化してっちゃったんじゃないかな。やむにやまれぬ性欲で動くのではなくて、社会的トロフィーや無菌状態の二次元アイドルに惹かれてしまう。こうして人類の繁殖能力が落ちていったら、いずれ滅亡の道をたどるんじゃない?</blockquote>
    などと、なかなかスルドイ振りもやるのである。
     この対談本だけだと細切れのエピソードしか分からない。系統だって脳の仕組みを知りたければ「単純な脳、複雑な私」は必読であろう。

  • この本の内容に興味があったからなのか、中村うさぎって人はとてく博識ですね。びっくり。

    精神的な部分とか社会的な部分とかを脳科学的に分析しているような感じでとてもすっきりします。

    事実をしっかりと捉えるということはとても大切なことで、この本はその一助になると思います。

    付けた付箋紙の数:14
    払ってもいい金額:1500円

  • ○東京大学・大学院薬学系研究科・准教授で脳科学者である池谷裕二氏と、作家の中村うさぎ氏との対談本。
    ○日常生活で脳はどのように働いているのかについて、様々な話題(下ネタも交えつつ)をテーマに、おもしろおかしく説明している。
    ○内容はきっと高度なものなのだと思うが、いろいろと話しが脱線したりして、堅苦しくなく読むことができる。

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著者プロフィール

監修:池谷裕二
脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科薬学専攻医療薬学講座教授。薬学博士。一般向け書籍の累計発売部数100万部超え。

「2023年 『3ステップ ジグソー知育パズル どうぶつ だいずかん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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