- Amazon.co.jp ・電子書籍 (380ページ)
感想・レビュー・書評
-
大河ドラマのように次々と難題を切り抜けていく西部劇。大酒飲みでずる賢い兄チャーリーと純真な弟イーライの旅。シスターズが苗字の「ならず者」の兄弟。土臭い描写と怒涛の展開にページが進む。日本の小説では、まずお目にかかれない物語。映画化されている(タイトルが「ゴールデン・リバー」という。本書を読めば納得)ようなので、そちらも是非見たい。
西部劇だとコーエン兄弟の「トゥルー・グリット」は良かった。文庫版の解説でも触れられていました。これを機にウエスタンを見直してみます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画『ゴールデン・リバー』が大変好みだったので、原作も読んでみたのですが、映画の脚色の素晴らしさに改めてシビれる結果となりました。
*兄弟を逆にしたのが一番大きな脚色だと思うが、ホアキンのチャーリーがとてもハマっていたので大正解だと思う。兄であってもイーライの可愛さは不変。
*ウォームのキャラを物静かでちょっと神秘的?な感じにしたこと。荒くれ男もなぜかあっさり心を開いてしまい、それにより、囚われていたマスキュリニティから解放されていくさまが、観ているわたしまで軽やかにしてくれた。
*存在感あるジェイク・ギレンホールをモリス役に配して、原作にはあまり詳しく描かれないモリスの背景や心情をまなざしやたたずまいでみごとに描いてみせたこと。正直、モリスの内面をもっと知りたくて原作を手に取ったのだが、映画はあれだけのそぎ落とした描写で原作に巧みに肉付けを施していたのだから驚く。
*歯磨きをしながらモリスとイーライが目を見交わす場面がとても好きなんだけど、原作ではこの場面はない。そういう映画独自の場面にも、原作が語っていたことがきっちり抽出されていたと思う。
もちろん、小説としても文体含めかなり好きな部類であり、読んでよかったこととしては、
*イーライは歯磨きを全種ひと口ずつ試した後にミント味を選んでいたことがわかって、さらに可愛さが増した。
*イーライが大切にしていた赤いマフラーをどんなふうに誰からもらったかがわかった。
*ビーバー大量死 -
これ、描写が気持ち悪いから、ダメな人はダメかも。
殺し屋兄弟が、仕事から足を洗おうとする。兄は残忍な性格だが、弟は優しい。人を信じる場面など、じーんとする箇所もある。
人にすすめるにはハードルが高いか。