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感想・レビュー・書評
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NDC(9版) 209 : 世界史.文化史
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モンゴルの発展と伝統から世界史を読み解いた本。
本書は13世紀のモンゴル帝国の誕生により、地中海文明を中心とする西洋史と中国文明を中心とする東洋史がからみ合い、世界史が始まったことを説いています。 -
西洋史と東洋史という二つの流れを一つの世界史に統合したのが、13世紀のモンゴル帝国の建国である。ユーラシアを統一した大帝国はそれまでの政治の枠組みを壊し、現代につながる国々を誕生させた。
世界史はモンゴル帝国とともに始まった!中央ユーラシアの草原の民の活動。モンゴルの発展と伝統から世界の歴史を読み直す。 -
ギリシャのヘロドトスの「ヒストリアイ」と司馬遷の「史記」が西洋と東洋の歴史を記したものだが、モンゴル帝国の建国で二つの歴史を世界史に統一することができるようになったという。遊牧民族がこれほど世界史に影響を与えていたのかといまさらながらに驚く。中国の歴史書は中国皇帝を中心に書かれていて、どれほど遊牧民に従属されていてもそのような記述はされなかった。
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>歴史は文化である。歴史は単なる過去の記録ではない。歴史とは、人間の住む世界を、時間と空間の両方の軸に沿って、それも一個人が直接体験できる範囲を越えた尺度で、把握し、解釈し、理解し、説明し、叙述する営みのことである。人間の営みさえあれば、それがそのまま歴史になる、といったようなものではない。
この本における歴史の定義は上記の通りである。そしてこれに当てはまる歴史は二つしかない。一つはヘロドトスによって産まれた、地中海世界を舞台にした善と悪の戦いの歴史。もう一つは司馬遷による中華の皇帝という制度の歴史。
現在「世界史」と呼ばれるものは、この本質的に異なる二つの歴史を無理やり一つにしようとするため、いびつでまとまりのないものとなってしまっている。
これを解決するために、著者は中央アジアの騎馬民族に着目する。歴史を動かしてきたのは騎馬民族であり、真の意味で世界史が生まれるのはモンゴル帝国が誕生した時であると。モンゴル帝国が世界を支配したことで、全てが統一され、新しい歴史が始まったのだ。
考え方としては興味深く面白い。しかしながら短い割に読みにくい本であった。理由としては大量の固有名詞が次々と出て来るということ、話が行ったり来たりするため全体像を把握しにくいということなどがあげられる。
ちなみに一番笑ったのはこの一文。
「社会主義が過ぎ去った後のロシアと中国では、資本主義はまず成功しないであろうし、経済成長で先進国に追い付くこともまず期待できない。」
1992年に書かれた本だから仕方ない。 -
世界史という概念の再構築。南米やサハラ以南のアフリカを取り込むことはできるのだろうか。
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7冊目。
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最初の章と最後の章以外は東西文明の歴史が述べられており、冗長な印象がある。このレビューは読後しばらく経ってから書いているが結局筆者が何を言いたかったのか頭に残っていない。
モンゴル以前と以後で世界観が違うというのはわかったが、世界史の誕生というまでには統合されていないと思う。せいぜい「ユーラシア大陸史の誕生」だろう。その枠組みから外れている歴史は多くあるわけで、なんだかなという感じだ。そもそも筆者の立場は書き記された物以外は歴史として認識していないので私とは意見が合わないのだが。
細かい話だが、後漢末に大量の餓死者が出て人口減があったというような乱暴なことが記されていた。これは行政側が徴税のために認識している人口が単に減っているだけであり、この管理外に多く人がいたことは予想できる。 -
読了。
世界史の誕生 / 岡田英弘
ちょっと面白そうだなと思って、いつかのkindleのセールの時に買ってDLしておいたやつ。
モンゴルの発展と伝統
モンゴル帝国誕生から世界史の始まりだよ。という話
西洋史は地中海の歴史で、中国史は中国の歴史。
それをつなげたのがモンゴル帝国ですよと。
現在の学んでいる歴史をバッタバッタと斬り込む感じが爽快でありつつもそこまで断言しちゃうの?みたいな感じもありますね。でもそうなんでしょう。
中国に関してはなかなか辛辣ですね。
現在の中国もロシアもモンゴル帝国の名残ですよみたいなことも言ってます。
西洋は善悪を基準とした歴史で中国はその時々の皇帝を中心とした正統の歴史。
全く別な形式の歴史観なんだってさ
言われてみればそうかもね。
全く学んでこなかった中央アジア史、遊牧の民たちの歴史が読めます。
モンゴルより前の烏丸とか鮮卑とかフン族、昔のトルコ人とかそういう人たちが中心。
大変面白かったです。 -
続編があれば是非とも読みたい